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大きな転換期を迎えている今、私たちはこれからの未来をどう生き抜くか

鈴木右文 英文法理論、コンピュータによる英語教育

23/09/12

私は今イギリスにいるので、ZOOMで繋いで話をしています。イギリスは湿度が低くて快適です。

今日は「大きな転換期を迎えている今、私達はこれからの未来をどう生き抜くか」というテーマを異文化コミュニケーションという立場からお話します。日本は今、技術的にも組織的にも色々な問題を抱えていますが、私の専門分野である異文化コミュニケーションの立場から、日本の伸びしろを左右出来るのではないかと思っています。「異文化交流の促進」が今後キーワードになるのではないか。日本は土地が狭い島国で資源が乏しいとよく言われます。そういう不利な点を今までカバーしてきたわけですが、昨今は色々と難しいところがある。そこで突破口になるのが、国際化、グローバル化、それを果たす為の異文化交流ではないかなという気がします。

どういうことかというと、イギリスに来て分かるのですが、イギリスは人種的にもそうですし、ビジネス的にも色々な幅があり、日本に帰ってみるとまだまだだなと思う事が多いです。例えばケンブリッジには色々な国の料理屋やスーパーマーケットがあります。韓国系のスーパーマーケットでイギリスの資本でOseyoというところがあって、大きな店構えをしていますが、日本食のスーパーはまだありません。人口10万人程度の町ですからなかなか難しいのかもしれません。そのかわりお寿司屋とかはイギリスの資本でだいぶ作られていますが、日本食はブームだと聞くわりに、日本から乗り込んできている企業は今まであまりありません。

今回コロナ禍が明けて久しぶりにイギリスに来てみたら、大阪資本の杵屋というところが日本風のうどん・お弁当店を出していて、ケンブリッジのように人口が少ない所にも来ているのだなと思いました。ようやく腰が上がったという事でしょうが、まだこれが当り前にはなっていないので、今後は海外展開がキーになるのではないか。そうすると異文化交流というものも鍵になるというストーリーではないか、と思っています。

ではどうしたらいいか、ということですが、一部の人だけ異文化交流が出来ればいいということではなく、山の頂を高くしようとすると、裾野も広くないといけないので、僕らがみんなで異文化交流や外国に対するマインドセットを変えていかないと、掛け声だけではなかなか突破できないと思います。そうすると我々が出て行く時の準備もそうですし、国際化というのは相互ですから、我々が受け入れる為にしないといけないことというのもたくさんあるわけで、そのあたりがどれくらい出来るかが鍵になると思います。

今日は細かいことを言う時間はありませんが、項目だけ挙げると、出て行く側としてはもっと海外に出なさいという話です。海外に出るための学生に出す奨学金を増額すること、あるいは企業が海外研修派遣にもっと力を入れること、企業が語学教育にお金を出すことです。具体的には、最近は多いですが、修学旅行は是非海外に行って、色々な社会見学に使って欲しいです。学生さんが1年ぐらい前から行き先の検討や調査を行い、自分達の手作りで関われるような修学旅行にしていくということから始めたらどうか、という提案です。

今度は住みやすい日本、受け入れ側を作るということですが、これはどうしても日本語が不得手な方々が多いので、最近やさしい日本語で公共交通機関や市役所などが対応していることが多いですけれど、子供達、特に若い方々に来ていただくために、子供を受け入れる保育園の異文化、多言語化というのも力を入れないといけないと思います。小さい頃から刷り込まれれば、色々な人種の方がいて色々な言語をしゃべる人がいるのが当たり前だということが染みつくと思います。特に小さい頃は垣根が無いので、どんどん吸収していきます。あとはお年寄りの方が家族に引き連れられて来日するケースがあるので、日本語を勉強出来るような夜間中学的なものを充実させるという政策も必要になるだろうと思いますし、あるいは女性枠でクォータ制を導入して、たくさん女性を雇用しましょう、ということが進んできていますが、これを外国籍の方についてもクォータ制を考えたらどうだろうかと思います。そうすると当然、一定数入ってきたからには海外展開しないともったいない、という風に歯車が回っていくのではないかという気がします。

最後に、今せっかくイギリスに来ているので、ケンブリッジのお話を少しします。ケンブリッジ研修に参加している学生の様子を見ていると、こちらで晩餐会があり、そこで現地の方々と色々な話をすることがありますが、学生の事ですから非常にたどたどしいし、うまくいくわけではありませんが、結局のところ、コミュニケーションをしようとする意思が大切なんだということです。英語の検定試験的な力を付けるのもいいのですが、マインドセットを先に変えましょう。これを最後に申し上げてサマリーとしたいと思います。

分野: 異文化コミュニケーション |スピーカー: 鈴木右文

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