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世界景気の悪化

村藤功 企業財務 M&A

23/01/23

今回は世界景気の悪化について話をします。まずコロナは2021年からワクチンが出来て重症者は少なくなってきましたが、去年の2022年は、1〜3月にオミクロン株が世界中で出てきて、その後色々なところで変異を繰り返しました。BA.2になったり、日本だとBA.5になったり、アメリカだと今XBB1.5というような色々なオミクロン株に変わっています。

今年の1月12日段階の統計で、6.7億人の累積感染者数がいて、673万人が死亡したというデータがありますが、これは中国を除いたものです。去年の12月から今年の1月にかけて中国が大変なことになっていて、これは次回に話しますが、中国は何億人も感染したそうで、中国を入れると数字が全く違ってきます。致死率は一時期に比べるとずいぶんと下がりました。一昨年には感染者の中で死亡してしまうのが2.0%でしたが、もう0.5%程度まで下がってきています。WHOも2020年の1月に出した緊急事態宣言を、今年できれば解除したいと、どのような条件を満たせば解除できるかを検討しはじめています。

オミクロン株の世界経済への影響が懸念されています。2020年が、緊急事態宣言が出たコロナ1年目と言われている年で、世界の実質GDP成長は-3.1%でした。2021年になると+6.1%成長、2022年は3%成長でした。つまり、普通は3%成長程度のところがコロナ1年目で-3%まで下がり、2年目の6%というのは1年目に凹んだ分が元に戻り、3年目が通常に戻って3%ということです。2年目からワクチンが出てきて、一定のウィズコロナが始まりました。経済的に世界の実質GDP成長が大きな影響を受けたのは1年目で、2年目3年目は経済的にはそれほど大きな影響を受けたわけではありません。

今回の話は2023年の実質GDP成長についてで、普通3%のところが2%くらいに落ちるのではないかと言われています。去年、日本でも少しインフレが起こりましたが、アメリカやヨーロッパはかなり酷いインフレになったので、アメリカの中央銀行のFRBやヨーロッパのECBが金利を上げました。例えば、アメリカの連邦準備銀行は6月、7月、9月、11月と4回も続けて0.75%も金利を上げました。また、ヨーロッパのECB(欧州ビジネス協会)、これはヨーロッパの中央銀行ですが、これも9月、10月に0.75%ずつ金利を上げました。インフレはまだ高いものの、それでも少し下がってきたので、12月にはアメリカのFRBもヨーロッパのECBも0.75%ではなく0.5%の金利を引き上げました。しかし、まだインフレは収まったわけではなく、金利を上げなくなったということではありません。

金融資産をもっていると、その金融資産から生じるキャッシュフローが出て来ます。債券を持っていると債券の金利をもらったり元本をもらったりします。金利が上がると、キャッシュフローの割引率は金利が上がった分上がるので、債券の価値が下がって債券の価格が落ちます。株も、金利を上げると経済が冷え込んでくることを見込んで、事業会社の企業価値や株式価値が低下し、株価が下がります。去年1年で債券の価値が19兆ドル、株が25兆ドル、合わせて44兆ドル落ちたと言われています。この44兆ドルは世界全体のGDPの約半分に当たります。大変な金額が金利の引き上げで金融資産の価値として落ちてしまいました。

今日のまとめです。2021年のワクチン導入の頃からウィズコロナが始まり、重症者は少なくなってきたましたが、オミクロン株が出てきて、変異を続けながら各国で新規感染者の拡大を生みました。しかし、重症者や致死率が下がったということで、WHOは緊急事態宣言の終了を検討し始めました。ロシアのウクライナ侵攻でエネルギー価格や食糧価格が上がり、インフレ対応の金利引き上げや中国のロックダウンなどで世界経済にブレーキがかかってきて、今年より来年は景気が悪くなりそうだという状況です。金利が上がって経済が減速する見込みで、債券と株を合わせただけで世界のGDPの約半年分が失われたました。

分野: イノベーション論 財務会計 財務戦略 |スピーカー: 村藤功

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