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陳列やレイアウトが購買にもたらす効果(2)

広垣光紀 マーケティング、マーケティング・リサーチ

22/09/20

前回は陳列とかレイアウトが購買にもたらす効果ということで店頭マーケティングの分野の話をしました。例えば、歯磨き粉と歯ブラシをどのように陳列をすると消費者の購買行動に影響を及ぼすのか。実は歯磨き粉の方が頻繁に買われるので、半年ぐらいで買い替える歯ブラシの方を目立つ所に置いていた方がその購買意欲を刺激できるという話でした。

今回も引き続き店頭マーケティングについての話をします。前回の話を思い出していただきたいのですが、歯ブラシも歯磨き粉も非計画購買になりやすい商品です。非計画購買、復習ですが、お客さんが最初からこれを買うぞと計画を立てて買いに来るような商品ではなく、お店を訪れてその商品を目にして、そういえばそろそろ買わないといけないと気付いて、それで買うことを決めるような商品もことです。そういった商品ですが、お客さんにお店の中で目にしてもらって、ああそういえばそろそろこれも買わなければいけないなあ、と思い出してもらわないといけません。ですので、なるべくすぐ目につく所に配置した方が良いのです。ただし、お店の棚のスペースには限りがありますので、どの商品を優先して配置するかをしっかり考える必要があります。前回は、商品の回転率に注目して棚の配置について話をしました。回転率が比較的高くて頻繁に買う機会の多い歯磨き粉などは、お客さんが自分で商品を探してくれるので必ずしも目立つ棚に置かなくてもそれほど売上には影響しません。逆に、回転率が低くてお客さんがあまり頻繁には買ってくれないような歯ブラシのような商品は目につく所に優先的に置いた方が良いわけです。

ここで、別の商品について考えてもらいたいと思います。洗濯洗剤と柔軟剤ではどちらの方がお客さんは買う頻度が高いと思いますか。答えは、洗濯洗剤の方が柔軟剤よりも買う頻度が高い商品です。ある研究によれば、平均的なお客さんは、柔軟剤の1.5倍の頻度で洗濯洗剤を買いに来るということが分かっています。言い換えると、洗濯洗剤の方が回転率が高いわけです。では、ここでちょっと問題を出したいのですが、リキッドタイプの洗濯洗剤とパウダータイプの洗濯洗剤、あとは柔軟剤、この3種類の商品があるとします。この3つの商品をある一つの水平な棚に配置するとします。そうする時に、柔軟剤をどこに配置すればいいか分かりますか。

ドレーズの実験によれば、柔軟剤を配置するベストな配置は真ん中に置くことだそうです。理由は、リキッドタイプの洗濯洗剤を買いに来たお客さんにも、パウダータイプを買いに来たお客さんにも、どちらのお客さんからも目につきやすいからです。実験では、真ん中に配置することによって柔軟剤の売上が4%ほど上がったということです。

もう一つ聞いてみたいと思います。リキッドタイプとパウダータイプの洗濯洗剤、あとは柔軟剤、この3種類の商品があって、柔軟剤は先程の話にあったように真ん中に配置するとします。この状況のとき、もしリキッドタイプの洗濯洗剤の売り上げをもっと増やしたいな、と考えた時には、リキッドタイプの洗濯洗剤を右側と左側どちらに配置すれば良いと思いますか。一般的な解答としては右側に配置した方が売上が上がりやすいということが明らかになっています。これは、研究・実験からはじめて明らかになったのではなく、小売現場の経験則から、古くから言われていたことだそうです。これは右側選択バイアスと呼ばれています。これについてはいくつか研究がありますが、代表的なものとしてウィルソンとニスベットという二人の研究者の論文がありますが。この二人は実験でパンティストッキングを四つ並べて、どの商品が品質が良くて自分が買いたくなるかということを実験参加者の人たちに聞いていきました。そうすると、一番右側と答えた人が全体の被験者の40%、右側から二番目を選んだという人が30%というように、右側を選んだ人が非常に多かったのです。ちなみに、一番左を選んだ人は12%で、左側から二番目を選んだ人は17%だったそうです。実は、この実験で使ったこの四つの商品は全く同じ商品でした。ですので、違いは右側に配置されているか左側に配置されているか、陳列の場所の違いだけだったのです。

今日のまとめです。今回は、前回に引き続いてスーパーやドラッグストア等といった小売店の陳列やレイアウト、それがどのように売上に影響をもたらすかということについて話しました。どの商品を優先して目につきやすい所に配置するかというだけではなく、どの商品を買い手側から見て右側に配置するか、このことについても、お店側にとっては決めなければいけない重要な判断だと言えます。

分野: マーケティング マーケティング・リサーチ |スピーカー: 広垣光紀

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