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陳列やレイアウトが購買にもたらす効果(1)

広垣光紀 マーケティング、マーケティング・リサーチ

22/09/19

今回は、スーパーマーケットやドラッグストアの陳列がどのように消費者の購買行動に影響を及ぼすかということについて話します。具体的には、マーケティングの分野では店頭マーケティングと言われる分野の話です。

スーパー等のお店で買い物する時にどこにどういう物が陳列されているか、ということも店頭マーケティングの一つです。例えば、オーラルケア製品、具体的には歯ブラシと歯磨き粉は、皆さん、どのぐらいの頻度で買いますか?また、歯ブラシと歯磨き粉、どちらの方が頻繁に買いかえますか。この質問、普段あまり意識されないような物ですし、中々はっきりと答えるのは難しいかもしれません。しかし、ある調査によれば、一つの家庭で歯磨き粉は大体平均で二ヶ月に一回程度の頻度で購入される商品だそうです。その一方、歯ブラシは、四ヵ月から六ヶ月に一回ぐらいの頻度で購入されるという傾向があるそうです。歯磨き粉の方が、歯ブラシよりも購入の頻度が高いわけです。

更に質問をしたいと思います。あなたがドラッグストアの責任者だったとします。お店の棚に商品を並べるとして、歯磨き粉と歯ブラシ、どちらの方をより目立つ棚に配置しますか。どの商品もお客さんの目につきやすい所に置きたいところですが、スペースに限りがありますから、優先すべき商品というものを決める必要があります。少しヒントを出します。歯磨き粉は大体二ヵ月に一回ぐらいの頻度で買い替えますし、歯ブラシの方は大体四ヶ月から六ヶ月に一回ぐらいの頻度でまとめ買いする傾向が強いです。商品の回転数で言えば歯磨き粉の方が高いということです。つまり、歯磨き粉の方が主力商品だということが言えます。では、歯磨き粉と歯ブラシどちらの方を目立つ棚に配置しますか。

実は、商品の回転数の低い歯ブラシの方を優先して見えやすい棚に配置した方が良いのです。ジャーナル・オブ・リテイリングという小売のマーケティングに関する学術雑誌があります。その中で、ドレーズという人を始めとする三人の研究者の方が商品の棚割りについて調査した研究があります。彼らが実際の店舗で行った実験によると、歯ブラシを目立つ棚のスペースに配置すると歯ブラシの売り上げがおよそ8%上がったそうです。その一方で、あまり目立たないスペースに押しやられてしまった歯磨き粉についても、売上はあまり減らなかったそうです。ですので、歯磨き粉に比べれば回転数が低く、主力商品ではない歯ブラシの方を優先的に目立つ棚のスペースに置く方が正解ということになります。

歯磨き粉も歯ブラシもどちらも非計画購買がなされる商品だと言われています。ここで言う非計画購買というのは、これを買うぞと事前に買うといった計画を立てるのではなく、お店でその商品を目にすることで、その場で買おうかな、と考えるような購買パターンのことです。歯磨き粉も歯ブラシも非計画購買の商品ですが、歯磨き粉は比較的頻繁に購入される商品ですので多少分かりにくい場所に陳列されていても、それほど売り上げに大きなマイナスにはなりません。というのも、歯磨き粉はどこのコーナーかな?とお客さんの方から探してくれるからです。その一方で、歯ブラシというのはそれほど頻繁に購入される商品ではありませんので、目のつかない所に配置しておくと、お客さんが買うのを忘れてしまうことが多くなります。ですので、目の付きやすい所に置いて、ここに歯ブラシがあるんですよ、買い忘れないようにご注意くださいよ、と呼びかけをするわけです。他には、乾電池がレジの前に陳列してあったりしますが、これも同じような理屈です。

今日のまとめです。今日はスーパーやドラッグストアで陳列、あるいはレイアウトが購買にもたらす効果について話しました。今回は、歯磨き粉と歯ブラシを例に取り上げましたが、小売の店舗ではお客さんの購買頻度の違いをそれぞれ上手く利用して配置を工夫すればお店全体の売り上げを増やすことができるのです。

分野: マーケティング マーケティング・リサーチ |スピーカー: 広垣光紀

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