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今年も行けませんでしたイギリス

鈴木右文 英文法理論、コンピュータによる英語教育

22/08/22

既に何度も私がイギリスへ学生を連れて行っているということはお話しています。ここのところコロナ禍で行けていませんが、その辺りの状況を少しお話したいと思います。

これは私たちの大学だけではなく、全国の日本の学生で、短期プログラムで英語圏へ出たいと思っている方々には共通しているタイムリーな話かもしれません。九州大学では2019年の夏に行ったきり2020年夏、2021年夏、2022年夏と3回連続中止になっており、来年の夏もちょっと怪しい状況ということで、相当間が空いています。

来年の夏のプログラムを1年前くらいから計画を始める学校は多いかと思います。どうして行けないのか、というのは当然感染状況で分かると思いますが、今後感染がダラダラと続いて、このような短期プログラムも行けないままでいいのかといわれると、なかなか厳しいところで、なんとか再開したいとどこの学校も思っています。

ところが短期プログラムには問題が2つあります。例えばコロナが弱毒化してきていて、罹ってもちょっと休めば、と考えられる方もいると思います。一年間とか長期で留学に行く場合にはそれでもいいと思いますが、私たちのように3週間のような短期プログラムの時に、滞在先で一週間位隔離して寝ていなさいというのは相当な打撃です。自分が払ったお金に見合うだけの経験がほとんど出来ないということになるので、非常に可哀想だという面が一つです。

それからもう一つは費用です。日本はあまり物価が上がらないことで有名だったわけですが、逆に海外の国は物価が上昇しています。しかも最近のヨーロッパ、アメリカは10%近いような物価の上昇を見せています。そうなってくると当然料金が上がってくるわけです。しかもそのように料金が高くなるだけではなく、為替レートも今は円安になっているので、ダブルパンチです。例えば2019年度の金額から見てみると、ほとんど2割5分増くらいの感じです。航空券も燃油サーチャージといって、燃料代が高騰したときに運賃に加算されるものですが、昨今の燃料事情が災いをしてそこの部分も高騰しています。従って、再開しようと思って交渉を始めてみたら、すごい値段になったという話をよく耳にします。

今まで普通の金額だったものが高くなるのだったらいいのですが、九大のケンブリッジ研修の場合は、元々が高かったので、それが輪をかけて高くなると、行ける学生がほとんどいなくなると大変困るという事情も抱えていて、再開がかなった時の費用はどうするのか、イギリスで感染したときはどうするのか、という問題です。

後者のことをもう一言言うと、例えば日本を出発する前日に陽性が分かったとか、イギリスから帰国する前日に陽性がわかったときに、引率者が一人の場合にどうするのだという話です。安心した状態で行くことができるようにするためには、もっと抜本的に感染状況が落ち着かないといけなくて、今なんとか無理をすれば行けるよ、というやり方では到底出来ないのが短期プログラムの特徴です。再開できるとしても学生に相当なしわ寄せがいくような形で、頭が痛いです。

これは一般論ですが、色々なところでファンディングを求めるようなプログラムは多いと思います。私たちも学生に何らかの手助けがあるといいなと思っています。学生が自分だけの費用でいけなくなるような価格になってしまったら大変です。留学のあり方や授業のやり方が抜本的に変わってきてしまっているので、今までと全く同じ事をやっても、それは無理だという話になる可能性があるということです。その辺りを考える1・2年になるのかなと思うので、どんな形にしたらいいのかを検討したいと思っています。それは私だけではなくて、全国のこういった引率業務に当たっている先生方が皆考えていることだろうと思います。

しかし色々なところでこのような学生達の機会が失われているというのは、本当に残念なことで、なんとかしないといけないと思います。昔であれば海外旅行は皆誰でも行くのが当たり前だったと思いますが、年頃になってきて海外に行きたいなと思っても、まだ1度も行けていないという人が沢山いると思います。そしてそのまま卒業しないといけないかもしれないわけです。それはなんとかならないのかな、と確かに思います。学生の時期に行くからこその良さや、その時に吸収するものは本当に大きいです。競い合った仲間と行って、事前にしっかり勉強して、それで向こうで楽しみを楽しみとしてきちんと味わうからこそ、後に繋がるわけです。それができなくなるとしたらとても残念なことです。

今日のまとめ:
海外短期の語学の研修を中心にしたプログラムが今、コロナ禍で行けなくなっていますが、そのコロナ禍の間に料金的な問題も発生してきているという話をしました。みなさんと一緒に考えることができたらいいなと思っています。

分野: 異文化コミュニケーション |スピーカー: 鈴木右文

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