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英国における異文化(55):ドーバー

鈴木右文 英文法理論、コンピュータによる英語教育

22/07/19

今日は英国における異文化シリーズで、ロンドンとそれ以外を交互に紹介していますが、今日はロンドンではないところで、ドーバーという町をご紹介したいと思います。

ドーバーというとドーバー海峡のドーバーです。ドーバーは、町というよりもドーバー海峡のイメージが有名かもしれません。ドーバーは都市というわけではありません。人口は何千くらいだと思います。大陸との出入り口の港があったところです。イギリスとフランスを挟んだあの海峡全体のことは日本語では昔は英仏海峡(イギリスフランス海峡)、最近ではイギリス海峡といっていることが多いようですが、ドーバー海峡ともいいます。

イギリス海峡の中の一番狭くなっている部分、渡る時に一番距離が短くなっている部分をドーバー海峡と呼んでいるようです。一番狭いので、泳いで渡ったなどの話題の時に出てくるのがこの辺りです。全体のイギリス海峡とこの一番狭いところのドーバー海峡と名前が違うと申し上げましたが、英語ではイギリス海峡の方は"The English Channel"と言います。チャンネルというのが通路、海峡といってもいいですが、水の通るところです。"English"を省略することもあります。"The Channel"。イギリスの中では定冠詞プラス普通名詞で、固有名詞を付けないで特定の場所を表すことがあります。例えばロンドンの中で金融の街区を"The City"と呼びます。"The City"と英語の中で言うと、ロンドンの中の一部の区画を指すということになっています。ということで、"The Channel"と言えばこの英仏海峡のことを指すことになっています。これは、インターネットのアドレスで最後に国名の「jp」とか「uk」が最後に付きますが、最初にはじめたアメリカにはそれがありません。そういうのと同じで、最初にはじめたところは名前の上で特権を持っていることが多いです。

それからドーバー海峡は英語では"The Strait of Dover"と言い、"strait"は海峡という意味です。ちなみにフランス側ではまた違う言い方をしますが、フランス語ではイギリス海峡のことは"La Manche"といって、「袖」という意味です。英仏海峡の帯みたいな長細い袖、というようなことなのだそうです。それからフランス語でドーバー海峡はドーバーとは言わないで、カレー海峡と言っているようです。ドーバーの対岸はカレーという町です。カレーというのは、昔イギリスが最後まで領有していたところとして有名です。

ドーバーといえば海峡の名前が一番有名だと思いますが、昔からまさにそうで、例えば貴族の息子がヨーロッパに武者修行(グランドツアー)に行って、そういう時に出入りする港でした。ホワイトクリフという白亜の断崖が有名で、イギリスに帰ってくる時にホワイトクリフが見えるとイギリスに帰ってきた、と思うのがイギリス人の感覚だといわれています。最近は観光の町でもありまして、イギリスの王朝が出来始めたノルマン朝からここに大きな城が立っていました。ドーバー城です。それが非常に大きいので観光都市としても有名ですが、保養地みたいな南海岸の町ですので、他にも色々と見るものがあります。ドーバー城以外で一番有名なのは地下にある要塞です。第二次世界大戦の時に相手国との戦乱に備えて作った施設で、中に司令塔や病院の施設とか色々なものが掘ってあって、見学するとものすごい規模の地下通路になっています。もちろん一部はお城の地下部分だったとは思います。ドーバーというのは通過するところでもありますが、観光地としても非常に有名です。

先ほどホワイトクリフという断崖があると言いましたが、町は斜面でなりたっている部分が多くて、平地も少しありますが、斜面の上にびっしりと並ぶようにB&B(ベッドアンドブレックファストの略)というイギリスによくある民宿がいっぱい建っていまして、写真を見たら、ああこのうちのどこか1軒に泊まったらいいだろうなと思うような町です。

フランスも南海岸がいわゆる保養地として有名ですが、イギリスもこの南海岸が比較的暖かいところとして国内の観光客を呼び寄せるところでもあり、海産物もあって、フィッシュアンドチップスなどはとてもおいしいですので、ぜひ行ってみてください。ロンドンからたぶん電車で2時間くらいですので、比較的行きやすいところだと思います。

今日のまとめ:
今日はロンドン以外の場所でドーバーという町をご紹介しました。海峡で有名な町ですが、城や地下要塞等で有名な観光地でもあるというお話をさせていただきました。ぜひ訪問地の1つに加えていただければ幸いです。

分野: 異文化コミュニケーション |スピーカー: 鈴木右文

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