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五感をマーケティングに活かす―知覚1―

広垣光紀 マーケティング、マーケティング・リサーチ

22/06/22

今日の内容は、人間が持つ五感に対して注意を払うということがマーケティング活動にとっていかに大切であるかということについてです。より専門的な言葉でいうと、知覚について今日は話します。

知覚とは人が外部から何らかの刺激を受け取って、その刺激に何らかの解釈や意味付けをするプロセスのことです。もう少し噛み砕いて説明したいと思います。人は五感を使って様々な情報を受け取っています。五感と言うのは人の持つ5つの感覚のことです。目で見たり、耳で聞いたり、手で触ってみたり、あるいは鼻で匂いを嗅いでみたり、食べて味わってみたりするという、そういった感覚の事です。それぞれ視覚、聴覚、触覚、嗅覚、味覚と言いますよね。さらに人は目や耳とかから受け取った情報を頭の中でどんな意味を持つのか、意味付けや解釈をします。例えば焼鳥屋の横を通りかかった時に、焼鳥を焼く匂いがしたとします。おいしそうだな、食べたいな、ちょっとあのお店に立ち寄ろうかな、などと感じることがあるのではないでしょうか。この時、人間の五感の内、嗅覚を使って焼鳥の情報を外部から受け取っています。その上でその情報をおいしそうだなと解釈したということになります。このように五感を通じて外部から取り入れた様々な情報に何らかの解釈を行い、あるいは自分なりの意味付けをするということが知覚と言われるものです。

では知覚は人によって異なると言えるでしょうか。あるいはどんな人も持っている知覚は同じであると思いますか。入ってくる情報は同じでも、人によって解釈が異なりますから、人によって知覚は違うという風に言えます。先程焼鳥の匂いの話をしましたので、嗅覚についてもう少し話をしたいと思います。焼鳥など様々な匂いは大脳で情報処理されて、人間の感情にダイレクトに訴えかける効果があると言われています。例えばコーヒーの香り、これは私達にとってはコーヒーの匂いを嗅いだらスターバックスやカフェを思い浮かべるかもしれませんが、ある研究者の話によればアメリカの多くの人々にとってはコーヒーの香りというのは、昔母親が毎朝作ってくれた朝食を思い浮かべるそうです。アメリカの多くの人達は朝食でコーヒーを飲むことが多い、そういう習慣ということです。日本人が味噌汁の匂いを嗅いだら同じように思う、そういうところなのかもしれません。

この匂いというのは人間にとってすぐ慣れてしまうものですが、その一方で記憶に非常に残り易いという特徴があります。つまり、製品とかサービスとか、そういったものの長期的な評価に、非常に大きなインパクトを長期にわたって与えるものなのです。かつて日産がインフィニティという高級車を開発した時には、日産はインフィニティの新車に乗った時の「新車の匂い」にも相当な注意を払ったそうです。具体的には運転席のシートの「皮の匂い」にこだわったそうです。乗った時にいかにも高級車に乗っているという充実感を感じてもらう為に、皮の匂いにこだわって50種類以上の皮を試したそうです。その50種類の中からいかにも高級車に乗っているというイメージを持ってもらえそうな皮を選りすぐったそうです。

日産だけではなく、例えばジェネラルモーターズやフォルクスワーゲンもそうですし、自動車会社は自分達がターゲットとする顧客が新車にどんな匂いを期待しているのか、どんな匂いが心地良いと感じるのか、というのを研究しています。これも匂いがいかに商品の評価に影響を与えているのかを示す良い例だと思います。

今日のまとめです。人は五感を通じて外からの情報を取り入れて、それを自分なりに解釈したり意味付けをしたりしています。この事を知覚と呼んでいます。知覚は商品の評価に大きな影響を及ぼしますのでマーケティングを行うには消費者の知覚に対して十分に注意を払わないといけません。

分野: マーケティング マーケティング・リサーチ |スピーカー: 広垣光紀

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