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定額制ビジネスのパターン(その4)

目代武史 企業戦略、生産管理

22/05/10

「定額制ビジネスのパターン」についてお話しています。「定額制」とは、1回あたりあるいは一定期間あたりの値段が固定された価格の仕組みのことを指し、定額制ビジネスには4つのパターンがあります。
1.「物を消費するパターン」
2.「物を利用するパターン」
3.「サービスを利用するパターン」
4.「サービスを消費するパターン」
今日は最後の「サービスを消費するパターン」についてのお話です。

「消費」ということですから、このサービスを提供されると提供されたものは消えてなくなるわけです。例えば、「食べ放題」では食べ物が消費されるわけですが、サービスが消費されてなくなるものを今回扱うわけです。こうしたサービスを消費するパターンに当てはまる定額制ビジネスとしては、エステ、マッサージ、美容院、ネイルサロンなどの定額制サービスがあります。このパターンで多いのは、松竹梅といった形で月額料金に段階を設けたものです。例えば、月千円のエントリーコースでは各種施術を会員価格で提供しますというものだったり、月1万円のスタンダードコースでは月4回まで利用し放題であったり、月3万円のプレミアムコースでは全てのメニューを利用し放題ですよといった形で段階を設けるわけです。それ以外では、例えば英会話のレッスン受け放題の定額制メニューというのもあります。オンライン1レッスンあたり25~30分程度で月定額が多いです。

こうしたサービス消費型の定額ビジネスの利用客にとってのメリットは、やはり「経済性」です。サービスの利用頻度によらず支払額が一定ですから、頻繁に利用する人にとっては大変お得です。ただし、他の定額制と同様、利用頻度がはっきりしない方にとっては心理的に抵抗感が生まれる可能性はあるでしょう。先ほどの英会話レッスンのように、1レッスン25分程で月額制となると、2日に1回、あるいは毎日でも受けていいということになります。

多くの方が毎日受けるとなると当然それだけの先生を揃える必要があり、このサービスの消費型の定額制サービスは、事業者側からみるとあまり相性はよくありません。それは、エステや美容院、ネイルサロン、英会話などがいわゆる労働集約型の業態だからです。サービスを提供すればするだけその分エステティシャンや美容師、ネイルアーティスト、英語教師といった人員と、さらにそういった施術やレッスンを行うための物理的な店舗が必要になります。定額制で「○○し放題」というようなサービスを提供すると人件費が嵩み、物理的な制約も発生してしまい、利用した人の数だけ手間が掛かるのがこういったサービスの特徴です。そのため、そうした人員の手配の問題や、教室や店舗の物理的な制約があることから際限なくお客さんを受け入れることが難しいというのが現実です。

そうするとお客さん側からすると、「定額制で何回でもOK」と謳っているのに使えないのということになり、不満が発生するリスクがあるわけです。では、これをどのように解決していくかというと、方向性としては2つあります。

1つは、施術スタッフの制約を取り除いていくという方向性です。例えば、定額制のセルフエステはその1例です。セルフエステはエステティシャンに施術してもらう代わりに、エステマシンを使って自分で施術するというサービスです。事業者側は店舗に沢山の個室と最新のエステマシンを用意するため一定の固定費はかかりますが、施術は利用者が自分で行うため、利用者が増えてもランニングコストはあまり増えません。いわば「サービスの利用」を「物の利用」に切り替えているというパターンに当てはまるわけです。

もう1つは、空間の制約を取り除くことです。オンライン型英会話はその代表例と言えるでしょう。英会話レッスンをオンライン化することによって、レッスンの提供回数が教室という物理空間に拘束されなくなります。また、オンライン化することによって、英会話教師もアメリカやカナダ、イギリスといった欧米各国だけでなく、フィリピンなどの英語話者の多い国からも集める事が可能になります。ただし、この方法はエステや美容院、ネイルといった物理的な施術を伴うサービスには使えないという点には注意が必要です。

では、今日のまとめです。
定額制サービスの第4のパターンとして、「サービスの消費」を定額で提供するビジネスについてご紹介しました。エステやネイル、英会話などを定額で利用できれば、利用頻度の高いお客さんにとっては非常に経済的なサービスといえます。一方で、消費型のサービスは一般に労働集約的であるため、使い放題のサービスを定額で提供するのは非常に困難な面があります。そこで、利用者に自分で施術してもらう物の利用型に移行したり、サービスのオンライン化によって物理空間の制約を取り除いたりといった工夫が必要になります。

分野: 企業戦略 生産管理 |スピーカー: 目代武史

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