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1円の違いが、売り上げを左右する―端数価格のマジック―

広垣光紀 マーケティング、マーケティング・リサーチ

22/05/11

今日の内容は1円、2円といった僅かな値段を変えるだけで買う人へのインパクトが大きく変わってしまうことがあるという話です。そして、どうしてそうなるのかという仕組みについても話します。

例えば、何か夕食を作ろうとスーパーに買い物に行くとします。苺やほうれん草や牛乳など、値札を見た時に値段が中途半端だなという風に感じることはありませんか? ほうれん草が98円とか、牛乳が198円とか。あと2円で200円になるのに。確かに、買う側にしてみたら少しでも安い方がありがたいですが、何故そういった値段を付けているのでしょうか。

これは、端数(はすう)価格と言って心理的価格設定と言われるテクニックの一つです。端数価格の端数というのは、丁度ではない、中途半端、余りものの数字といった意味です。200円はキリが良い数字ですが、198円は中途半端な数字です。200円に比べたら1円、2円しか違わないですが、実は、キリの良い値段の200円より少しだけ低い値段をつけると実際の値引き額よりももっと強くお得感を演出できるのです。

このテクニックが端数価格と言われるものです。英語ではオッド・イーブン・プライシング(Odd-Even Pricing)と呼んでいます。オッドは端数、イーブンは端数のないキリの良い数字といった意味です。物の値段が高いか、あるいは安いかを判断する時は、値段の一番大きい桁に注目するということが多くなります。例えば、スーパーで明太子を買おうとした時に、1パック1,000円を超えてたらちょっと高いなと思うことがあります。逆に横にある別の明太子が900円や800円で1,000円を切っていたら1パック1,000円の明太子に比べてお得だと感じるかもしれません。ほうれん草が1束200円だとします。そうすると、このほうれん草は200円代なんだな、と感じます。それが198円だと、このほうれん草は100円代なんだ、と感じるのです。ですので、今日は少し安いので買っておこうかな、と思うわけです。

200円と202円なら、2円の差でどちらもそう変わらないと感じるけれども、200円と198円は同じ2円の価格差なのに、印象が大きく変わります。いちばん大きい桁の数字が違うからです。この端数価格は値段設定において非常に効果のあるテクニックですが、実は、端数価格の効果をさら強くする方法があります。端数効果が一番高まる方法は、「値段の桁を1桁下げる」ということです。例えば明太子の例を出しますと、1,000円と値段を付けるのではなく、980円とするということです。こうすれば1,000円代から900円代に値段の桁が変わります。実際には20円しか違わないんですが、買い手にとっては心理的に1,000円代よりは100円代になってより買いやすいように感じるということです。このように値段の桁を変えて、例えば1万円じゃなく9,800円にする、あるいは1,000円じゃなくて980円にするというように桁を変えるような値段の設定の方法を「大台割れ価格」とも呼んでいます。

今日のまとめです。今日はスーパーマーケットやその他の小売店などで、どうして98円や298円といった切りの良くない値段の設定がされているのかということについて話しました。198円なら200円の大台を意識させないように出来ますし、980円なら1,000円の大台を意識させないように出来ます。端数価格は、買い手の心理的な抵抗を少なくし、買いやすい値段だと感じてもらう、一種の心理的なテクニックなのです。

分野: マーケティング マーケティング・リサーチ |スピーカー: 広垣光紀

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