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コンフリクトスタイルと自己成長1コンフリクトは組織成長・自己成長の可能性に他ならない

芹沢宗一郎 組織・リーダーシップ研究

22/05/26

今回は、「コンフリク トスタイルと自己成長」というテーマでお話します。

我々人間は社会的動物だと言われます。日々いろんな人と関わりながら生きています。それによって自己成長もしているわけですが、当然他人と関わる中でうまくいかないこと、衝突が起こることがあります。これを「コンフリクト」と呼びます。今回は、コンフリクトを「関わっている人同士の懸念事項(気に掛けているや心配事)が同じではない状況(by Kenneth W. Thomas)」と定義します。一般的に、コンフリクトと聞くと、対立や衝突、紛争などかなり強い否定的な意味合いがあると捉えがちですが、上記の定義に基づけば、日々我々が生活している中でどこにでも生じる状態と言えます。

さらに企業の文脈で考えてみると、世の中が急速に変化している中で組織内の仕事のやり方も常に変化に対応させて変えていく必要があり、組織の内部でコンフリクトが生じる可能性があります。従来までの仕事のやり方を変える際には、お互いに必ず懸念事項が発生するため、コンフリクトは決して無視するいことはできません。しかし、これを乗り越えることができれば外部環境に対応することができ、さらに組織も成長できるため、コンフリクトとは決してネガティブなものではなく、「組織の成長の伸びしろが隠れている」とポジティブに捉えることも出来ます。
 
さらに、組織の成長だけでなく個人の自己成長という観点からも同様のことが言えます。組織内で上手くいかないことがある際に、そこで生じるコンフリクトに上手く対処していくスキルを持ち合わせていくことは非常に大切です。なぜなら、コンフリクトに直面すると人間はストレスを感じ、そこで多くのエネルギーを消耗してしまいます。しかし、コンフリクトを上手くマネジメントできると、そこで消費してしまうエネルギーを仕事や自分のやりたいことに向けることができ、成果を創出していくことができるためです。

人間は物事の認識の仕方や判断の仕方に癖があるといわれています。そして、認識の仕方の癖と同様にコンフリクトへの向き合い方にもパターンがあると言われています。原理原則や論理に照らして物事を結論づけることを重視するような人は、相手と戦うという「競争スタイル」をとりがちだと言われています。一方、相手への影響を考慮して物事を結論づけることを重視する人は、相手に適応する「適応スタイル」をとりがちだと言われています。ただ、リーダーシップを発揮するのと同様に、目的を実現する上の成約要因や相手の懸念事項によって、本来は選択すべきコンフリクトのスタイルは変わっていいのだと思います。従って、状況によって複数のコンフリクトスタイルの引き出しを持っておくということは、適切な行動を選択できる幅が広がり、最終的に自己成長に繋がると考えることができます。

では、コンフリクトの対応の仕方にはどのような種類があるか、代表的な分類をご紹介します。
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縦軸は、「自分自身の考えを主張するかしないかという軸」です。上は「自分の主張をする」、下は「自己主張をしない」です。横軸は、「相手に対して自分が協力的な姿勢で臨むか臨まないかの軸」です。右側は「相手に対して協力的な姿勢で臨む」、左側は「相手に対しては非協力」です。この2軸によって基本4つのタイプに分けられます。それにプラスして、それらの中庸をとるスタンスがあり、全部で5つコンフリクトスタイルに分類することができます。

次回からは、状況毎に各スタイルをどのように使い分けたら良いのか、その際の留意事項について考えてみたいと思います。

では、今日のまとめです。
コンフリクトへの対処法(コンフリクトに臨む姿勢)のことを「コンフリクトスタイル」といいます。人間はどうしても1つのやり方に固執してしまいがちです。自分自身成長させるという観点からもこのスタイルの引き出しを複数もつこと、状況に応じて適切なスタイルを選択できるようにすることが大切だと思います。

分野: リーダーシップ 組織行動 |スピーカー: 芹沢宗一郎

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