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ビジネスパーソンの悩み相談㊴

田久保 善彦 リーダーシップ領域

22/04/12

「ビジネスパーソンのお悩み」にお答えするシリーズです。今日のお悩みは、「働き方改革のしわ寄せ」についてです。

『働き方改革で、男性が育児休暇を取ったり、子どもが熱を出して親が早退をしたり、介護で突然有給休暇を取る、時短を取るなど様々な対策が取られるようになりました。それは素晴らしいことだと思うけれども、実際には休んだ人の対応を現場で回さないといけなくなり、社員にしわ寄せが来ることもあり、自分もいつかはお世話になるとわかっていても何とか回している状況で不満があるのも実情で、本当の働き方改革とはどうしたら良いのか悩んでいる』というご相談です。

「働き方改革」については、ここ数年ずっとトピックスとして上がり続けています。ビジネスパーソンの悩みの中でも、「働き方改革」は大きなものの1つではないかと思います。様々な働き方を認める流れの中で、従来は言えなかったことも言いやすくなってきたことでより顕在化しているという側面もあるように思います。

私は、2つの側面で大事なことがあると思います。1つは、「働き方改革」という文脈以前に、いざとなった時に周りの方々が、「この人のためなら協力しよう」と思ってくれるような人間関係を、常日頃から職場の中で築いているかどうかという問題が、一番大事な側面ではないかと思います。

子どもが熱を出した時に、「○○さんいつも頑張っているよ。私も○○さんにいつも助けて貰っているから、もう行ってらっしゃい。お子さん第一で」と言って貰えるような周囲の方との人間関係が作れていれば、それはもうお互い様で、ある一定のレベルまではうまく回って行くと思います。制度がどうだ、権利がどうだという前に、何かあった時に「喜んでヘルプするよ。その代わり何かあった時に、よろしくね」と言い合えるような人間関係を職場で築けているかどうかが、例えば育児休暇などで時短で戻ってきた際に、職場でうまくやっていくことに繋がって行くのではないかと思います。

もう1つの側面が、制度面についてです。国が音頭をとって制度を整えているという面もありますし、会社側も今はどこの業界も人手不足の中で、制度をきちんと整えないと採用できないという側面もあり、10年~20年前に比べると圧倒的に様々な制度を整えていっています。以前は話題になっていた男性の育休取得も今では珍しくもなくなってきています。期間は1週間という人もいれば、1ヶ月~数か月という人もいて様々ですが、少しずつそれが当たり前になっていくということです。そういう意味でも制度が整っていくこと、そしてそれを利用しやすくなるということも重要です。

しかし、ここで1つ考えておかなければいけないポイントがあります。世の中で常識になり、制度が充実し、取りやすくなるということは、取る人が増えるということです。取る人が増えるということは、それによって人手不足の状態が起きやすくなっているということです。例えば、以前であれば男性の育休の制度があっても誰も取らないという話が前提になってしまっている時代があり、それに関連して人を増やそうとあまり思ってなかったと思います。しかし、これが一般的になってきている今、確率論からしても、それにより人手が不足してしまうということが頻発する可能性があるわけです。そうすると、平均的に見た時に、そういうことを加味した人数を備えておかないと、「働き方改革」と言っておきながら、そうではない人の残業が増えてしまい、働き改革の結果としてアンバランスな状態になってしまうわけです。そうすると、「働き方改革」のバランスが崩れた側にいる人達が、残業がこんなに多いのならやっていられませんと言って会社を辞めてしまうということにもなり、悪循環に入ってしまうことも起きかねません。

昔に比べれば、多少余裕のあるような採用を会社が心がけておかないと、いざとなった時に本当に離職率が高い職場になってしまったり、事業が回らなくなってしまったりすることもあります。そこまで考えた上での「働き方改革」を推進していかないと、局所的に働き方改革でやると歪みが大きくなってしまうような気がします。それ故、影響が出るような所に関しては、人員を1.1倍、1.2倍くらい採っておくということも大切です。しかし、経営者からすると、その0.1、0.2分のコストが上がると考えがちですが、そこをケチると、今度は社員がどんどん辞めてしまったり、新しい人が採用できなかったり、それによって事業が回らなくなるなどの痛手を被ることにもなりかねません。そういう世の中なんだということを前提に、多少余裕のある採用を、経営者側は考えるべきだと思います。

では、今日のまとめです。
「働き方改革のしわ寄せ」という言葉で質問を頂いていますが、これには2つの側面があります。1つは、働き方改革で急遽休み人が出る状況になった時に少しでも気持ちよく手伝ってもらえるように、良い人間関係を職場で作るということ。一方で、会社側としては、昔とは違う社会であるということを念頭に置いて、従来の1.1倍~1.2倍のペースで人を採っていくということ。結果的にそれをやらない会社は、良い人材を採用できなかったり、離職率が高まってしまったりするというリスクを考えた上で、バランスの良い働き方改革を推進していっていただきたいと思います。

分野: リーダーシップ |スピーカー: 田久保 善彦

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