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睡眠ビジネス②

荒木啓充 バイオ産業

22/03/08

昨日から、睡眠と睡眠ビジネスというお話をしています。日本は睡眠後進国と言われていて睡眠時間が世界一短いというお話でした。それから、睡眠不足になると体にも影響を及ぼします。仕事の上でも、生産性が低くなり、経済的損失もあるというお話をしました。また、企業や学校で、あえてお昼寝の時間をとることによって、成績アップや生産性向上に繋がっているというお話もしました。今日は、睡眠不足に着目した、実際に行われているビジネスについてお話します。

良質な睡眠は何によってもたらされるものでしょうか。寝る際に何か心がけていることとかはありますか? 睡眠の質を良くするために心がけていることという朝日新聞が行った睡眠に関するアンケートで、第一位が枕や寝具にこだわることです。日中に運動したり、お風呂にゆっくり入ったり、リラックスした状態で寝る前の準備をするということも皆さん心がけていることでした。やはり、寝具は非常に重要で、実際に寝具メーカーはかなり睡眠改善に力を入れています。大手の西川は、30年程前に日本睡眠科学研究所を開設して、科学的根拠に基づいた商品開発をしています。最近は、パナソニックと協業して睡眠を見える化する製品を開発しています。西川のセンサー搭載マットレスでは、人間の動きをセンシングするセンサーが付いたマットレスとパナソニックのアプリYour Sleepを連動させて、睡眠中の呼吸等の微細な動き等から睡眠時間や睡眠の状態をグラフやスコア化等して見える化した製品です。それを見ることによって、自分がよく眠れたとかよく眠れたと思っても実は睡眠の質がそこまで担保出来ていなかったということもあります。

出て来たデータを元に、良質な睡眠をとるにはどうしたらいいか、例えば、空調の温度だったりとか部屋の明かりだったり、寝る前に飲酒を控える等を専門家がアドバイスしてくれるサービスも提供しています。別のアンケートですが、満足した睡眠をとることが出来ない原因の一位が、ストレスと回答されている方が多いです。現代人にとって非常に悩ましいのですが、ストレスは睡眠にも深く関わってきています。以前、機能性食品についてお話したことがありますが、実は睡眠を表示している機能性食品は300を超えます。多くはトマトや加工肉に含まれるGABAというアミノ酸や、緑茶に含まれるテアニンというアミノ酸。いずれもリラックス効果とかストレス抑制効果があると言われており、食べ物から睡眠を改善するというアプローチもとられています。就寝前のラーメンなんてもってのほかです。おいしいですけど良質な睡眠を体は得られないですね。

寝室の環境も実は、睡眠にとって重要な要素です。室内の空気は外気の5倍汚れているというデータも報告されています。特に寝室は、ベッドやお布団由来の繊維くずやダニやフケ等ハウスダストが多い場所です。それなのに、リビング等に比べると換気回数も少ない環境です。こういった空気が汚れた空間では人は無意識に呼吸が浅くなると言われており、クリーンな状態で寝るのが良質な睡眠には重要です。クリーンな状態を作るには空気清浄機があるのですけれど、悩ましいのは清浄能力を高めるとモーターがウイーンと大きくなるのです。これがうるさすぎて、逆に睡眠の妨げになってしまうというジレンマがあります。スウェーデンのBlueairという会社は低速モードでパワフルに空気清浄をする製品を開発して、寝室の環境を良くする製品を投入しています。

製品ではなくサービスを提供している企業もあります。前回、従業員に対して睡眠改善をサポートする取組みをしている企業が増えているという話をしました。これはニューロスペース社という睡眠改善をトータルでサポートする睡眠専門のスタートアップ企業のプログラムを導入している企業が多いですね。ニューロスペース社が提供するサービスは、独自に開発した睡眠改善プログラムや睡眠改善セミナーです。どうしたら良質な睡眠が得られるか等のセミナーを提供して、顧客が抱える睡眠不足の課題解決を実施しています。パナソニックやJT・全日空等、業種を問わず大手企業がニューロスペース社の提供する健康経営睡眠支援事業プログラムを導入しています。睡眠ビジネス市場は国内だけでも1兆円を超すと言われています。睡眠というキーワードを軸に、寝具は勿論ですけれど食品であったり空調、また、AIやIoTテクノロジーを睡眠に応用した、いわゆるSleep Techという領域もAppleやAmazonが参入してきて、市場性が高い分その競争も激しくなっています。

今日のまとめです。睡眠不足は社会の様々な面で問題になっています。一方で、これは大きなビジネスチャンスです。いわゆるSleep Techと言われる、テクノロジーの力で良質な睡眠を実現しようという試みが活発化し、世界中の企業が睡眠ビジネスに乗り出しています。日本における市場規模も1兆円を超すと言われています。睡眠改善のアプローチも多種多様で、寝具は勿論、食品やウエアラブル、空調環境など様々です。但し最も大切な事は、規則正しい生活と睡眠に対する意識の向上です。すぐ眠れた朝はとても清々しく気持ちいいですね。

分野: バイオ産業 |スピーカー: 荒木啓充

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