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リーダーシップ を考える(1)

小城武彦 経営組織論、コーポレート・ガバナンス

22/01/10

今回は、2回に渡って「リーダーシップ」を考えます。
そもそも「リーダーシップ」とは何でしょうか。まずは「良いリーダー像」の話からはじめていきます。皆さんにとってよいリーダーとはどんな人でしょうか。

「責任を取るよ」という人、決断力のある人、引っ張っていくタイプの人、上手く皆を乗せられる人。具体的な例としてはは、"I have a dream"の演説で有名なアメリカのキング牧師、アップル創業者のスティーブ・ジョブス、最近では環境運動家のグレータ・トゥーンベリさん、ラグビー日本代表で有名になったリーチマイケルさんなど様々な人が思い浮かびます。

リーダーシップは実は経営学の中でも非常に人気があるテーマで、これまで多くの理論が積み重なってきました。本屋に行くと「リーダー」や「リーダーシップ」に関する本が山ほど並んでいます。ただ、多くのリーダーシップ論には共通して認める良いリーダー像があります。その共通項をご紹介したいと思います。

大きく2つの条件があります。

条件1:喜んでついて行く人達がいる。
条件2:ついていく人達は誰に命令されたわけでもなく、自ら進んでついていくと決めている。

この2つです。これが揃った人がよいリーダーと言われます。いかがでしょうか。

皆さんのボスを思い浮かべてみてください。皆さんはボスに喜んでついていっていますか。自ら進んでついて行くと決めていますか。どうでしょうか。いやいやそうは言われても仕事だから、ついていかないと怒られるしといった声が聞こえてくるような気がします。実はこの定義に当てはまるボスというのはあまり多くはありません。

では、部下をお持ちの皆さんはどうでしょうか。部下の顔を思い浮かべてみてください。彼ら彼女らは喜んで皆さんについてきているでしょうか。それとも嫌々ながら、または仕方なくついてきているでしょうか。「こいつは困った」と思っている人もいらっしゃるかもしれません。

こういうよいリーダーが発揮している力、それがリーダーシップです。
では、早速リーダーシップの中身にはいっていきたいと思います。よいリーダーが発揮しているリーダーシップとはいったいどのようなものでしょう。それを手っ取り早く理解する方法は、リーダーシップの対比概念であるマネジメントとの違いを理解することです。

実はリーダーシップとマネジメントは中身が正反対です。これが非常に大事なポイントです。一言でいうと、マネジメントは、決められた目標を達成するために部下をしっかり管理することです。それだったらまさに自分がやっているじゃないか、と思っている方も多いと思います。企業の管理職の仕事の基本中の基本がマネジメントです。
では、対極になるリーダーシップを定義してみましょう。リーダーシップは、大きなビジョンを描いて大勢の人を巻き込みそれを実現することです。どうでしょう。こちらもまさに自分もやっているぞ、という方は少ないのかもしれません。決められた目標を達成するために部下をしっかりと管理するマネジメントと、大きなビジョンを描いて大勢の人を巻き込みそれを実現するリーダーシップは内容が違うことが分かると思います。

マネジメントの内容がリーダーに求められることだと勘違いをしていた方もいらっしゃるかもしれません。
マネジメントがないと組織は回らないため、必要な能力ですが、リーダーシップはそれとは少し異なります。

これを先ほどのリーダーシップの条件で考えてみると違いが明らかです。決められた目標を達成するために部下をしっかりと管理するマネジメントの場合は、ついて行く理由が「仕事だから」「指示されたから」など仕方なくといったものになります。しっかり管理されるとしょうがないから言われたとおりにやっておこうという感じになるのは当然です。一方、大きなビジョンを描いて大勢の人を巻き込んでそれを実現するリーダーシップは、まさによいリーダー像でお話したとおり、喜んでついていくことになるわけです。このついて行く理由が非常に大事で、自分の部下は嫌々ながら、もしくはこれについていかないと評価が下がると思ってついてくるのか、喜んで自らすすんでついてきているのか、この力がとても大事になります。リーダーシップとマネジメントは、日常的に使われる言葉ですが、定義をしてみると実は大きな違いがあることに気づかれるのではないでしょうか。

マネジメントをしっかりやりながらも、先ほど申し上げた大きなビジョンを描いて大勢の人を巻き込んでそれを実現していくような能力も実はリーダーには求められています。この両方が出来ることが目標とするところです。

では、今日のまとめです。
「良いリーダー像」から始まり、リーダーシップとマネジメントの違いについてお話しました。次回はそれぞれについてもう少し深く理解していきたいと思います。

分野: コーポレートガバナンス |スピーカー: 小城武彦

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