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定額制

目代武史 企業戦略、生産管理

21/12/01

今日は定額制についてお話してみたいのですが、以前、モノやサービスの値段の付け方として従量制という考えをご紹介しました。従量制というのは、買った物や消費したサービスの量に従って課金するということです。今日は、もう一方の値段の付け方である定額制を取り上げてみたいと思います。定額制というのは1回あたり、あるいは一定期間当たりの値段が固定された価格の仕組みのことです。定額制のサービスは沢山あり、例えば定期券や、1回あたり90分だとか120分ということで、食べ放題とか飲み放題とかも定額制に含まれます。

動画・音楽配信サービスのサブスクは、定額制の最近の代表選手と言って良いと思います。定額制は消費者・利用者にメリットがあり、最近広がりを見せています。1回購買すればあとは量を気にせずにモノやサービスを消費できるわけですから、非常にお得感があるのです。結果的に、普段よりも沢山消費したり、あるいは普段だったら選ばないようなものを消費したりといったことに繋がるわけなのです。動画配信サービスのアマゾンプライムに入っていると、映画が色々楽しめるので普段見ないジャンルの映画を見たりしますよね。新しい映画や音楽との出会いがあるというのが魅力の1つです。

この様に、消費者・利用者にとっては色々なメリットがあるのですが、では、事業者にとってはどういうメリットがあるのでしょうか? 1つ挙げられるのは、例えば、価格を計算するシステムへの投資が軽くなるとういう点があります。従量制の場合には、利用者が何をどれだけ消費したかということを毎回把握して計算しないといけません。例えば、切符を買って地下鉄に乗る場合、利用者はどこからどこまで乗るかを最初に決めてそれで切符を買う必要があります。鉄道会社の側も、距離に応じて料金がいくらということを計算してすぐ代金を請求する必要があるわけです。乗り越した場合には後精算ということも必要になって、結構大変なことです。ですから、もし地下鉄やバスのお客さんが全て定期券を買って下されば、乗車場所と降りた場所の把握は不要になってきます。現場のオペレーションや料金計算のシステムの投資も相当楽になるわけです。

また定額制ですと課金のタイミングが自由になるというメリットもあります。例えば、焼き肉屋さんで普通に食事をすると、料金が確定するのはお客さまの食事が済んだ後ですよね。食事が済まないことには何皿お皿を注文するかわかりませんから、従業員は注文の度に伝票を記入して何をどれだけ注文したかを最後まで確認する必要があります。それを支払に持って行くとその伝票をチェックして計算してということですから、精算にも結構時間がかかるわけです。これが例えば90分食べ放題ということであれば料金が決まっていますから、最初に前払いでお支払い頂いても結構ですし、後払いでお支払い頂いても結構ですが、料金計算の必要は無いわけです。

定額制は、消費者から見ると消費量に関わらず支払う代金が一定になります。ということは、事業者から見ますとモノやサービスの提供量に係わらず売上げは一定と言うことです。しかし、定額制では消費者の消費量は多くなる傾向がありますから、多量に消費されると赤字になるというリスクが出てきます。ですから、そういった赤字になりにくいコスト構造であるということが成立条件になります。いわゆる粗利の高い事業に向いているわけです。以前お話しましたが、ファミレスのドリンクバーが定額で成り立つのは、炭酸飲料ですと1杯10円程度、コーヒーでも25円程度で原価率が低いからです。

これくらい原価が低くないとなかなか難しい面はあるわけです。例えば、漫画喫茶やネットカフェ、アミューズメント施設は設備への初期投資とか施設の運営費という固定費が中心ですので、利用者が一人であっても百人であってもさほどトータルコストは変わらないわけです。こういった事業においては、定額制は大変向いているといえると思います。同様に、アマゾンプライムやネットフリックスといったコンテンツ配信事業も設備が中心で、コンテンツの消費量とトータルコストがあまり連動しないので、やはり定額制に向いているというわけです。このように定額制は変動費の割合が小さい業種や業態に向いている課金方式といえると思います。

今日のまとめです。定額制は、1回あたりあるいは一定期間当たりの値段が固定された価格の仕組みです。利用者にとっては、一旦購買を決めてしまえば金額を気にせず好きなだけモノやサービスを消費できるメリットがあります。事業者にとっては、料金システムがシンプルになるために、オペレーションやシステム投資が軽くなるという利点があります。また、前払制にすることでキャッシュフローが改善するというのも魅力です。定額制では価格と費用が連動しなくなるため、変動費の低い粗利の大きな事業や業態に向いた価格体系と言えます。

分野: 企業戦略 生産管理 |スピーカー: 目代武史

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