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中米冷戦の長期化

村藤功 企業財務 M&A

21/11/18

今日は、中米冷戦の長期化という話です。共産党の動きとして、六中全で歴史決議をやりました。毛沢東と鄧小平の過去2回しかやっていないので、今回3回目の歴史決議です。小康社会を実現して、貧困から皆脱出しました。それから、近代的社会主義強国を作ったので、習近平は来年の党大会で3期目の国家主席を目指すという状況になっています。第二次大戦後の一番大きな流れはアメリカとソ連の冷戦だったのですけど、ソ連が崩壊して中国が勃興してきました。

アメリカと中国の2大スーパーパワーの戦いになってきているわけですけれども、海ではお互いに何をしようとしているのでしょうか。特に最近、台湾を挟んで中国とアメリカが一体何をしようとしているのか知っていますか? 中国に近い方では、尖閣、台湾、南シナ海を通る第一列島線があり、ちょっと離れるとグアムを通るような道筋に第二列島線があります。アメリカは日本とかヨーロッパ・オーストラリア・インドあたりと協力して、第一列島線内に中国を封じ込めたいと思っているのに対して、中国はアメリカを第二列島線の外に追い出そうというのが基本線です。香港を国安法で民主派を追放して大体手に入れたので、次は台湾に来るであろうとアメリカは思って、台湾と訓練しているわけです。来年の北京オリンピックまでは大丈夫だろうけど、あと数年の内に中国が台湾を併合しに来るのではないか。その時に一体どうするかというようなことを考えているわけです。アメリカが戦争をすると世界が消滅するかもしれないし、アメリカが軍事力を終結させるのには時間がかかるから、それまでは代わりに日本にやっておいてもらおうかというちょっと困ったことも色々考えているようです。

ミサイルとか核とか、中国の防衛能力はどうなっているか知っていますか? 中国は核弾頭を今200発ぐらい持っていて、10年で5倍にして1,000発にするつもりらしいのです。それから、中国の極超音速ミサイルはマッハ5以上の速度で飛ぶので、従来の迎撃システムでは撃ち落とせません。太平洋を通ってくるのではなくて、反対側の大西洋の方をグルっと周ってワシントンとかニューヨークに行く可能性もあります。そうなると何が良いかと言うと、本土が攻撃される恐怖がアメリカにあれば台湾だとか南シナ海に介入している余裕がなくなるだろうと中国は考えて、その研究をしているという状況です。

ちなみに、中国は一帯一路で中国の影響領域を広くしています。前に2,000以上のプロジェクトがあるとか言いましたけど、中欧班列という言葉の意味を知っていますか? 一帯一路は元々中国とヨーロッパの間の陸のシルクロードと海のシルクロードですけれども、中央班列というのは中国の50ぐらいの都市とヨーロッパの22ヵ国150都市の間を飛行機と電車で結ぶものです。まず最初に、重慶と成都と長安という3つの都市に中国の50くらいの都市から運んでいって、そこから列車でヨーロッパ22ヵ国150都市に行き、逆もあるというようなことが起こり始めました。割とこの辺は日本とかアメリカの目に届かない所で起こっているのです。だから着々と中国が拡大しつつあるという状況です。貿易もRCEPがついに来年の1月から発効するということで、中国はTPPにも入れてくれないかと言ってきたのです。

TPPに中国を入れた方が良いかそれとも問題あると思うかは難しくて、議論している所です。中国がTPPに入ったら、中国だけ変な制度を作っているのを止めて、国有企業に山のような補助金を出して支援しているのを不公平競争だから止めてくれと言えるかもしれません。しかし、新規加入国を認める時には全員一致なので、一旦中国が入ったらアメリカはその後で入りたいと言っても入れてもらえないことになります。アメリカ的に言うと、議会がTPPには入るなと言っているので今自分が入りたいとは言えないのだけれど、中国に先に入られると後で入るオプションが無くなってしまうのがすごく嫌なのです。だから、お願いだから中国を入れないでみたいなことを言っています。日本的に言うとアメリカが入ってくれればいいのだけどアメリカは入ると言わないし、中国の国内で変な制度を止めさせられるのだったらそれはそれでいいという事で、ちょっと難しい状況という事ですね。

今日のまとめです。ソ連崩壊以降、唯一の超大国だったアメリカにこの30数年成長してきた中国が挑戦しようとしています。アメリカは第一列島線内に中国を封じ込めて、中国は第二列島線外にアメリカを追い出そうとしているという状況です。日本としては、アメリカと中国には本当の戦争を始めないで冷戦のままで長期化して欲しいという状況です。米中の外で作って両方に売れればいいのですけど、両方ともとても大きなマーケットになってしまったので、自分の所で売りたかったらこれしろあれしろ、みたいなことを両方で言われ始めていてどうしていいか分からないという状況になってきたということです。

分野: 財務戦略 |スピーカー: 村藤功

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