QTnet モーニングビジネススクール

QTnet
モーニングビジネススクールWeb版

FM FUKUOKAで放送中「QTnet モーニングビジネススクール」オンエア内容をWeb版でご覧いただけます。
ポッドキャスティングやブログで毎日のオンエア内容をチェック!

PODCASTING RSSで登録 PODCASTING iTunesで登録

タグ

温暖化ガス削減

村藤功 企業財務 M&A

21/11/17

今日は、温暖化ガス削減の話です。パリ協定とかCOP26では、産業革命前に比べて1.5度~2度の温度上昇に抑えないといけないと言っているわけです。世界各国がいつまでにカーボンニュートラルにすると言ったか覚えていますか? 日本もそうですけど、EUとかアメリカは2050年ですが、他の国はどうなのでしょうか。カナダ・オーストラリアみたいに、我々も先進国と思っている人たちは2050年と言ったのです。ところが、中国・ロシア・サウジアラビアが10年遅らせて2060年と言っているわけです。インドがCOP26でついにカーボンニュートラルの時期について明言したのですけど、2070年と言ったのです。それで、2050年と言った人たちは「2050年までにやってくれよ」とブツブツ言っている。

温暖化ガスを減らすには政府が言うだけではなくて、色々な人たちが本当に取り組まないとそうならないです。だから、民間企業に温暖化ガス削減の状況はどうなっているかを開示してもらおうという話になっているのです。今まで、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)がどういう開示をしてもらうかを話していたのですけれども、自分の工場で出している温暖化ガスだけではなくて、そこで使っている電気を作る時に発生する温暖化ガスも勘定しようとか、それから、部品原材料を購入してその後流通網で販売するサプライチェーンの最初から最後までを全部含めて温暖化ガス削減をどのぐらいやっているかを開示しようということになってきています。

これについて、来年の6月までにIFRSという国際的な開示基準を発表するとしています。上場企業の一部はそれに従って有価証券報告書に開示しないといけなくなるので、皆慌てている。しかし、結局開示基準というのもまだ決まっていないから、何をどの程度開示しないといけないかというのもまだわからない状況です。これからもの凄く山のような会議を経て段々と細かい所を聞き取っていくということですけど、まだよくわからないので皆どうして良いかわからない。経済産業省もCOP26とか温暖化ガス削減に皆で取り組まないといけないということを聞いて、この間、このように電力を作りましょうと新エネルギー基本計画を発表しました。今、大体火力とか原子力とか再生可能エネルギーは何%ぐらいか知っています? 今は76%の電力が化石燃料による火力で作られているのです。その内、石炭が32%。石炭は2030年までに0にはせずに19%まだある予定だと言ったもので、日本は去年に続いて化石と言われたのでした。2030年までに76%だった火力を41%にしようだとか、2019年に18%だった再生可能エネルギーを2030年に36%~38%と2倍にしようとか、10年で本当にそんなことが出来るのかと言って騒いでいる。

COP26主催国のイギリスは石炭火力を止めようとそれなりの数の国を集めて合意したのですが、日本とか中国とかアメリカはその合意にサインしませんでした。石炭だけではなくて、石油とかLNGも化石燃料と言います。これから温暖化ガス削減のために段々化石燃料の需要が減っていくのであまり資源開発をしない方が良いだろうと、化石燃料の資源開発が進まなくなってきている。ところが、石炭が石油やLNGより温暖化ガスを出すので駄目だというので、とりあえず石油とかLNGの需要が増えています。供給が増えないのに需要がとても増えて石油とかLNGの価格が妙に上がって、世界中がインフレだみたいな話になってきている所です。

ちなみに、再生可能エネルギーはどういうものが中心か知っていますか? 太陽光とか風力発電とか他に水力とか地熱とかもあるのですけど、一番期待しているのが太陽光と風力です。太陽光と風力の問題は、自然が相手だから夜に発電できなかったり、風が吹かないと発電できなかったりとか安定性に欠ける事です。また、北海道とか九州で山のように太陽光を作ったのですけど、大都市ではあまり太陽光発電はしていないので、北海道とか九州から大都市向けに送電線を通さないといけない。それから、電気が発電出来たり出来なかったりということだと大きい蓄電池を作ってそこに溜めたり出したりしないといけないので、そのようなプロジェクトも始まっている状況ですね。

洋上風力とは、太平洋とか大西洋とかインド洋とかの海の上で風力発電をしようというものです。これは結構期待されていて、2040年までには全体の30%を洋上風力にしようと言っているのです。ところが、環境アセスメントとか、その後の建設に8年ぐらい掛かるので2030年までにどうも間に合わない。とりあえず、環境アセスメントとか建設の時間を2年削減して6年で何とかしようという話が始まったりとか、長崎大学に洋上風力を作る技術を研究する長崎海洋アカデミーが出来て、日本中から勉強しに集まってきたりとかしています。2030年には間に合わないのですけど、2040年には全体の30~40%くらいが洋上風力にしようとしている状況です。

今日のまとめです。欧米・中国に加えて、中東とかロシアとかインドもカーボンニュートラルの達成目標を表明したところです。日本は2050年のカーボンニュートラル達成のために、2030年までに温暖化ガスを2013年比で46%削減する。そのために、化石燃料による発電を減らさないといけないし、再生可能エネルギーによる発電を増やさないといけない。あらゆる業界がこれに取り組まないといけないということで、政府が地方に人を送ろうだとか、地銀に温暖化ガス削減融資を出させようとか、色々なプランがあるところです。カーボンプライシングの導入とかで、温暖化ガス削減に対応出来ない企業は破綻するというようなことが言われていて、大変なことになってきています。

分野: 財務戦略 |スピーカー: 村藤功

トップページに戻る

  • RADIKO.JP