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フェリー輸送2

星野裕志 国際経営、国際物流

21/09/14

昨日は九州各地から四国や関西、首都圏などに中長距離フェリーの航路があって、トラックによる輸送と比較すると、CO2排出量削減などの環境問題や労働力不足の問題に対応した輸送手段として、フェリー輸送が優れていて、持続可能な成長に沿っているとのお話でした。以前にこの番組でも、通販などのeコマースの急速な成長と高齢化の進むトラック・ドライバーの人材不足で、これからの宅配便やそれを支えるトラック輸送が心配されるということをお話ししました。

さらに、モーダル・シフトという考え方であり、政策をご紹介したことがあります。モーダル・シフトとは、従来から主流である国内貨物のトラック輸送に代わって、鉄道や国内航路=内航船と言います の船舶輸送の利用を促進するという考え方です。輸送モード=輸送手段をシフト=転換するということで、1990年台から国土交通省の以前の運輸省の当時から取り組んできた政策です。但しまだまだ浸透はしていません。船や鉄道を利用することは、労働力不足にも環境配慮にも対応できるということでした。1トンの貨物を1km運ぶことを「1トンキロ」と言いますが、国土交通省によると、それで排出されるCO2の量は、トラックが225gで、船舶はその約1/5の41g、鉄道が1/13の18gとのことです。一隻に100数十台のトラックを載せられるフェリーを考えると、1隻のフェリーの排出量と100数十台のトラックの合計を比較すると、大変なCO2の量の削減が可能になるのがわかります。

昨日のお話した通り、これらに加えてフェリーの新たな取り組みとして、利便性も高くなっているのです。実は昨年からこれから2年くらいの間に、九州からの長距離フェリーに、大きな動きが出てきています。そのひとつが、昨日ご紹介した今年7月1日の新門司と横須賀を約21時間で結ぶ「東京九州フェリー」による高速船の就航です。高速化です。昨年新門司と神戸を結ぶ「阪九フェリー」は、2隻の新造船が就航させましたが、バリアフリーの構造を備えています。

今年から来年春にかけて「名門大洋フェリー」は、新門司と大阪南港を結ぶ航路に、2隻の新造船を就航させますが、これらの船は従来の船でイメージする雑魚寝のような大部屋はなく、少人数の客室だけになります。

さらに来年から2023年前半にかけて、別府と大阪間の航路に就航する「フェリー さんふらわあ」の新造船2隻は、日本で初めての液化天然ガスLNGを主燃料とするフェリーになります。従来の船舶が燃料とした重油と比較すると、CO2排出量も排ガスも大幅に削減が可能になります。続々新しい船が就航して、競うように新しい取り組みがされているのです。

船舶建造の大きな投資額と港湾施設の整備などから、フェリーは通常10年から15年で、新しい船舶にリプレースされます。それが九州航路のフェリーは、今かつてない新造船ラッシュといえます。それも新しく投入されるフェリーは、大型化、高速化、快適性の向上から、環境に配慮したLNG燃料の利用などの最先端の取り組みがされています。まさにイノベーションといえると思います。

その理由ですが、複合的な要素があると言えます。長く政策として掲げられながら、思うように進まなかったモーダルシフトですが、いよいよ環境問題や労働問題で、後がないという状況になってきました。そのために、トラックの長距離輸送に代えて、フェリーが本格的に取り組む受け皿になっているということです。昨日はトラック・ドライバーの労働基準として、1日の拘束時間が13時間という限度があり、フェリーの乗船時間は「休息期間」として扱われるとお話ししました。

つまりフェリー会社にしてみれば、大型化を進めるためには、トラック会社やトラック・ドライバーに選ばれるサービスを考えながら、十分に船上で休息のできる個室や施設の充実を図っているということではないでしょうか。その恩恵を、私たちが旅行する際にも、利用できるとなると嬉しいことですね。

今日のまとめです。今日は、通常10年から15年で、フェリーは新造船にリプレースされると言われる中で、九州航路のフェリーは、今かつてない新造船ラッシュであることをお話ししました。それも大型化、高速化、快適性の向上から、環境に配慮したLNG燃料の利用などの最先端の取り組みがされています。これらの取り組みが、まさに輸送であり、経済の持続性のある成長につながってほしいと期待しています。せっかくの魅力的な九州からの中長距離のフェリーのサービスです。ぜひ家族旅行などの利用も考えられてはいかがでしょうか。

分野: 国際ロジスティクス 国際経営 |スピーカー: 星野裕志

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