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「よ き リーダーは哲学に学ぶ 」 ①~よく生きるとは~

芹沢宗一郎 組織・リーダーシップ研究

21/06/07

 今回のシリーズでは、「哲学と経営」について考えてみたい。ロンドンビジネススクールなどの先生たちが書かれ、昨年邦訳された「よきリーダーは哲学に学ぶ」に触れながら話を進めていくことにする。
 
 まず哲学とは? 英語でフィロソフィーと言うが、「知を愛する」という意味。それは何のためかというと、ソクラテス以後の哲学は、人間の内面に向い、生きることについての問いかけに答えるためだったと言える。ソクラテスは、「ただ生きるのではなく、よく生きることが大切」と言っている。哲学とは、善く生きるための学問というのがわかりやすい。

 では「よく生きる」とは? それは自分にとってのよいこと、善を実践することであり、それは必ずしも感情的に「いい気持ち」になるものばかりとは限らない。困難な状況下でも自分の譲れないものを貫きとおすことでもある。

 では、何をもって善いとするのか? よいという善の基準が必要となる。古の哲学者は善の基準をどう考えたのか? 代表的哲学者二人を紹介しよう。古代ギリシャの哲学者アリストテレスは、「真に人間らしく生きる」とは道徳的、理性的に生きると同時に、他人もそうできるように手助けすることだとした。すなわち善の基準を「理性」(エートス)においた。これが倫理学の確立につながる。一方でドイツの哲学者ニーチェは、強くありたい、立派でありたいとか、卓越性を追い求めようとする意志・情熱を善の基準とした。これがより強く人生を肯定する実存主義の確立へとつながる。

 さて、アリストテレスの冷徹な理性と、卓越性を追い求めるニーチェの情熱、みなさんにとってはどちらが魅力的だろうか? どちらが正解ということではない。それは、みなさんが大事にする理念・価値観として選択することであり、すでに選択していることなのだ。「あなたの葬儀で、親友はどんな弔辞を述べるだろう? どんな弔辞を述べられたいか?」 あるいは、「みなさんがとくに"誇らしい"と思う成果のうち、自分の選択に何度も自信を失い、大きな犠牲を払いながらも達成したものは?」それらの問いに対する答えでもある。
 
 さらにみなさんが企業組織のなかで「よく生きる」ことを実現していくためには? みなさんの組織に目的を与えている理念・価値観とは何か? また、みなさんの人生に目的を与えている理念・価値観とは何か? そしてそれはどうつながりあっているのか?をまずは考えることである。

 まとめ:
 自分にとってのよいこと、善の基準を確立し、自分のもてる可能性を最大限に発揮して生き生きとした人生を歩むため、換言すれば「よく生きる」ための指針となるのが哲学。そして、その個人の「よく生きる」を実現していくのが組織である。

分野: リーダーシップ |スピーカー: 芹沢宗一郎

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