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英国における異文化(48):ロンドン:ナショナル・ギャラリー

鈴木右文 英文法理論、コンピュータによる英語教育

21/03/22

イギリスのロンドン及びそれ以外の地域を交互にご紹介していますが、本日はロンドンで、大英博物館に次いで行く方が多そうな所としてナショナル・ギャラリーという所をご紹介いたします。

ナショナル・ギャラリーは要するに国立の美術館にあたるものです。ロンドンに行ったことがある方はここに行かないことはないと思うので、有名だと思いますが、ご存知ない方もいらっしゃるでしょう。ナショナル・ギャラリーは西洋式の絵画でしかもクラシックなものを主に集めている所です。イギリスでは王立と国立と二つほど公的に近いものがありますが、こちらは国立です。それで「ナショナル」と言っているわけです。

王立だとロイヤルです。こちらは実はロンドンの中でも中心部にあり、Googleマップで「ロンドン」と入れて飛ぶと、丁度ここに旗が立ちます。それほどロンドンの中心であるという事で、非常に良い所にあります。

私は絵画の趣味があるわけでは無く、どちらかと言うと「ふーん」で済んでしまうような人間ですが、そんな人間でもナショナル・ギャラリーに入ったら1時間や2時間じゃ足りません。西洋式の絵画はすごく大きなサイズのものが多いですが、それが本当にたくさんあって、恐らく部屋が100近くあると思います。その一つ一つの部屋の中に「あ、これはあそこで見た!ここで見た!」というような有名なものがたくさん並んでいます。

ゴッホのひまわりは実は幾つかあるのかもしれませんが、ここにもあります。すごく良いのは目の前で間近に鑑賞できるということです。もちろん触ることは出来ませんが、触ろうと思えば触れるような距離なのです。文化遺産は皆のものだからということで、ガラスケースに入れて遠くから見るという形ではないというのが、すごく嬉しいことです。しかも無料です。もちろん寄付を受け付けるというような事はありますが、原則無料です。従ってお金を払ったからには全部見てやろう、と思って欲張らなくてもいいところがすごく良くて、自分の好きなだけ好きなものを見ればいいという理想的な見方が出来るというのが非常に羨ましいです。

絵を見ていると有難いものを見ている雰囲気になってきて、頭の中をムソルグスキーの「展覧会の絵」が駆け巡って、とても豊かな気持ちになってきます。WEBで確かめるとどのようなものが置いてあるかを調べることは出来るのですが、画家の名前を挙げていくと皆さん知っている方ばかりで、イギリスだとターナー、コンスタブル、フランスだとセザンヌ、マネ、モネ、ドラクロワといったものがずらっと並んで、その名前を聞くたびに胸がワクワクして仕方ない状態になります。

古いヨーロッパの絵画ですから、当然キリスト教的な宗教画が多かったりするのですけれど、見ていて自分はキリスト教信者ではないのだけれども、この時代の人達は有難いと思っただろうなぁというような細やかな出来栄えのものが多くて、見ていてとても素晴らしいです。

ナショナル・ギャラリーはもう一ついい所がありまして、写真が原則OKです。もちろんパーソナルユースに限ります。それをどこかに転載したり、それで一儲けは駄目ですが、自分で見て楽しむ限りは原則としてOKです。撮影がダメなものはダメというマークがありますので、原則OKになっていることが素晴らしいと思います。これも先程申し上げた文化遺産は皆のものだというのが現れている施策だと思います。日本だと多分逆で、原則撮影はNGという所が普通じゃないかと思います。恐らく日本でここと同じ物を作って公開したら、多分一人15,000円位でないとペイしないだろうなぁという感じはします。そのぐらいの絵画が揃っているということです。

それからここのものすごく面白い所は、普通こういった大きなコレクションは王侯貴族が集めたものが一度に寄付されて始まることが多いですが、ここは民間人からの寄付で始まりました。1824年に開館したと色々な所に書いてありますけれども、基になっている物から始まって、最初はこじんまりとしていたようですが、増築を繰り返して拡大したようです。建物自体も、イギリス、ヨーロッパに行くとよくあるドーム型のもの、それから新古典主義といってパルテノン神殿を模したようなものといったクラシカルな建物になっており、中身が昔の絵画が多いということと響き合っている感じがします。ここまで聞くとそれは是非見逃さずに行きたいなと思われる方もいらっしゃると思います。入る時には手荷物検査で時間が掛かることがあるので、その点はご注意頂ければと思います。

今日のまとめ:
ロンドンのナショナル・ギャラリーは国立の美術館です。ここを逃したらロンドンに行ったことになりません。是非入って丸一日鑑賞していただければと思います。

分野: 異文化コミュニケーション |スピーカー: 鈴木右文

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