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保健機能食品②

荒木啓充 バイオ産業

21/03/18

今健康志向が高まっており、いわゆる『保健機能食品』に対する消費者のニーズは増え、その市場規模は7,000億円を超すまでになっています。前回はこの『保健機能食品』には、特定保健用食品(いわゆる「特保」)、それから「機能性表示食品」、「栄養機能食品」の3種類あり、これらにはそれぞれ異なる基準が設けられており、その基準をクリアしないと機能性を表示することはできないということについてお話しました。

今日は、それぞれの食品に対する効果・機能についてお話します。
「特保」や「機能性表示食品」を購入する際に、消費者の方の多くが注目するのは、いわゆる「ヘルスクレーム」です。
「ヘルスクレーム」とは、それを摂取することでどのような効果が得られるかといったうたい文句のことです。例えば、「血圧が高めの方に」であるとか、「糖の吸収を抑える」、「睡眠の質を高める」等がヘルスクレームに当たります。

では、今最も市場規模の大きいヘルスクレームは何でしょう。
実は、一位は「腸内環境」についてのヘルスクレームです。これが約1,800億円と言われています。第二位が主に「脂肪の吸収」に関するヘルスクレームで、およそ1,500億円です。その他にどのようなヘルスクレームがあるかというと、「血圧」や「歯」、「肌の保湿」、「認知」等があります。市場には類似の商品が沢山ある中で企業はどうやって消費者の目を引くヘルスクレームの製品を開発するかが他社との差別化を行う上では重要になってきます。

このように様々なヘルスクレームがありますが、コロナ禍で皆さんが非常に高い関心を示しているものが「免疫機能」の分野です。この免疫機能に関する機能性表示食品は、昨年キリングループが発表した『イミューズ』という製品で、「健康な人の免疫機能の維持をサポートする」と製品に記載されています。この製品にはプラズマ乳酸菌という成分が含まれており、この成分が免疫の司令塔である細胞を直接活性化するということをキリンが発見しました。実は、機能性表示食品で免疫に関する製品はこれが第一号でしたが、コロナ禍も相まって市場は高い関心を示しています。
現在、全てのヘルスクレームを含めて「特保」がおよそ1,100件、「機能性表示食品」が2,500件の届出がされています。

では、なぜこれほどまでに『保健機能食品』が増えてきたのでしょうか。

実は、「特保」は1991年にスタートした制度で、約30年の歴史があります。一方、「栄養機能食品」は2001年に、さらに「機能性表示食品」は2015年に導入されたばかりの比較的最近の制度です。「機能性表示食品」が導入されるまでは、機能性を表示することが出来る食品は「特保」と「栄養機能食品」に限られていました。

前回もお話しましたが、「特保」はその許可を得るために時間や費用が莫大にかかるため、その開発が出来るのは開発力や資金力がある企業に限定されていました。こうした中で新規参入の緩和という背景もあり、新たに設けられたのが「機能性表示食品制度」です。これは自分で研究をして効果を証明する必要がなく先行研究を使って機能性を表示することが出来るため、「特保」と比較して開発力を抑えることができ、新規参入が一気に進みました。

この制度により機能性がわかりやすくなり、消費者が様々な商品を選択出来るようになったわけですが、機能性表示食品だけでも2,500件届出がなされており、予想以上にその数が多くなりすぎて、企業側は競合他社にどう差別化するか、また消費者側は自分に合った製品はどれかというのを適切に選択することが迫られるようになりました。

では、今日のまとめです。
現在巷には多くの「保健機能食品」がひしめきあっています。企業側は独自のヘルスクレームで製品の魅力を消費者に伝えようとしています。三種類の保健機能食品の違いや、各製品のヘルスクレームを吟味して消費者は自分に適した「保健機能食品」を選択することが求められています。但し、「保健機能食品」はあくまでも健康増進のための補助的な役割で、それだけを摂取したからといって十分ではありません。普段から運動や食事の節制をする等の健康管理が大事です。

分野: バイオ産業 |スピーカー: 荒木啓充

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