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ゼロベース思考ができる人

村尾佳子 リーダーシップ開発、倫理、価値観

21/03/03

今日は、「ゼロベース思考」について考えます。
ゼロベースとは、1や10あったとしてもゼロから考える。つまり、全くもって真っ新な状態に戻って考えることが出来る力です。人間は何か途中までできていると、ついついそこから考えたくなってしまいます。
この「ゼロから何かを生み出す」ということを苦手とされている方は多いですが、今非常に必要とされている力です。なぜかと言うと、コロナの襲来によって我々の生活は激変しました。それにより、従来の非常識が常識というほどの変化が起こり、私たちも、そしてお客様も変化しています。お客さんが変化したということは、自ずと企業もお客さんに合わせて変化する必要があり、ビジネスの現場においてはゼロベース思考がより一層重要視されるようになりました。

とはいえ、人間は自分の経験をベースに考えるため、色んな物がガラッと変わっているのは分かってはいても、つい気付くとコロナ前の世界の価値観でも物事を判断しようとしてしまいがちです。そのため、私たちは「ゼロベースで考える」ということを余程強く意識していかないといけないということです。ゼロベース思考が出来る人の特徴は、「前提を疑う力」を持っています。例えば、二つのオプションがあり、「A案とB案のどちらにしますか」と聞かれたとします。すると人間は当然「AかBか」のどちらかを選びたくなるわけですが、ゼロベースで考えられる人は「どちらも違う」という答えも出すことができます。この「前提を疑う力」が非常に大事です。

次に、ゼロベース思考が出来る人は「目的に戻る力」が強いです。先ほどの例のように、二つのオプションのどちらが良いかを考える時に、「そもそもこの前提の目的はこうでした」と今、目の前に出されている選択肢ではない大元の課題に戻ることができ、「これが課題だと言われているけど、そもそも前提が間違っているのではないか。今回私たちがやりたかった目的はここではなかったのではないか」など、基本に立ち返ってそこから物事を見ることができます。常に「そもそも」という口癖を持ちながら、「そもそも私何をしたかったんだっけ」、「そもそも私たち何を考えていたのだっけ」というところに常に立ち戻るようにしましょう。

それから、「森を見る力」「全体図を抑える力」も大事です。今、自分が考えているところは、全体構造の中でどこの部分なのか頭の中に地図があるという状態です。地図がないとあちこちに思考が飛んでいることに気がつけず、頭の中が整理されずに散らかっていてもそのことにも気づかないことになります。常に全体像の地図を描くようなイメージを持ちながら、今、自分はこれについて考えているということを押さえることが大事です。他にも、私がお勧めするのは「常に紙に書く」ということです。文字でもキーワードでも何でも良いので、紙に書きながら考えていくとずれた時にそこに戻ることができるため、視覚化することは大事です。

視覚化すると何と何が繋がっていたという繋がりも見えてきます。やっているうちに自分のやり方が見つかっていきます。言葉を書く、キーワードを書く、そこに四角や丸など図を書き入れている内に何となく出来るようになっていくと思います。

他にも、「反対から考える力」も大切です。これは、異なる視点から考えることが出来るということです。「絶対こうだ」と心から思っていた瞬間に、「いや真逆ではないか」と自分でチェックするようにしましょう。まさに「クリティカルシンキングの批判的思考」です。他人に対して批判するととても感じの悪い人ですが、そうではなく、常に自分に対する思考に批判的になるといった思考が非常に大事です。これは癖づけるしかありません。独り言のように頭の中で常に反対のことを考えるようにして習慣づけてみてください。

ただし、これには注意点があります。ゼロにひっくり返すだけではいけません。ビジネスにおいては、せっかくまとまりかけた議論を、「そもそも」と言ってただゼロベースにひっくり返すだけでは面倒くさい人で終わってしまいます。代替案まで出して初めてゼロベース思考で価値が発揮できる人になれます。理想はゼロベースで考えて、更に誰も思いつかないようなユニークなアイデアを出せる人です。

では、今日のまとめです。
ゼロベースで考えるために、まずは自分にしっかりと批判的な矢印を向けながら考えを持ち続けることが大切です。その癖が付いたら、次はアイデアを出す力ということで、まずは批判的思考からスタートして、一歩一歩頑張って取り組んでください。

分野: リーダーシップ開発/倫理/価値観 |スピーカー: 村尾佳子

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