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貨客混載輸送①

星野裕志 国際経営、国際物流

21/02/22

前回の放送では、コロナウイルス禍で、国際線の航空便がほとんど運航されていないにもかかわらず、旅客機で輸出入の貨物が輸送されているということをお話ししました。コロナでさまざまなビジネスが停滞しているのかと思うと、意外なほどの量が輸送されているということでした。航空貨物運送協会の統計によると、昨年11月の日本からの輸出貨物は前年比で7割、輸入貨物であれば同じく一年前と比較して9割の輸送量だったようです。これほど国際線が運航されていないのになぜ、という印象を受けます。

それは、旅客機とは言っても、旅客だけを輸送しているのではなく、ベリーと言われる機体の胴体の部分に、機種によっては5トンから20トン近い貨物が搭載できると説明しました。機体の胴体の貨物のスペースだけでなく、座席を取り外して、貨物を輸送しているケースもあるということでした。これもひとつの例ですが、今日は貨客混載輸送のお話しをしたいと思います。

貨客混載輸送というのは、その名前の通り、貨物と旅客を一緒に運ぶということなのです。飛行機は旅客機と貨物機という大きな区分がありますし、一部にはコンビ機と呼ばれる貨物と旅客を同時に運ぶ機体もあります。ただ、旅客機の胴体スペースのベリーに限定しても、旅客の手荷物、郵袋=郵便を入れた袋、一般貨物などが搭載されていて、実は旅客だけしか輸送しない飛行機はないということになります。

そのように考えると、本来飛行機では貨客混載輸送がされているということですが、他にも貨客混載輸送はあります。JR九州は、昨年8月に、佐川急便と連携して、九州新幹線での貨客混載の事業化に向けた実証実験を始めると発表しています。具体的には、博多駅と鹿児島中央駅の間で、主に「つばめ」として運行する車両を使って生鮮食品などを輸送するとのことで、車内販売の台車を保管していた余剰スペースを活用するとのことでした。新幹線の利用ですから、博多と鹿児島の間では、おそらく最速の輸送サービスだと思います。

九州新幹線のスピードやサービスの頻度を考えても、まさに貨客混載のとても良いアイデアですが、実はJR東日本では、2017年から産直のイベントとして生鮮品を輸送するところから始まって、すでに新幹線の貨客混載輸送を行っています。九州でも初の試みとして、佐世保の松浦鉄道が、やはり佐川急便と組んで、一昨年から貨客混載事業を始めていて、すでに各地で始まっているのです。

ところで、鉄道の「チッキ便」というシステムをご存知ですか。鉄道小荷物切符と言って、長距離便などでは、列車に乗る前に手荷物を預けて、着いた駅で受け取るという方法ですから、飛行機と同じ制度がありました。これはまさに貨客混載ですが、鉄道の編成に、貨物を載せるスペースがあったようです。これは国鉄時代にあったサービスで、1987年に民営化された際に、6つの地域別の旅客鉄道会社に受け継がれなかったようです。それとも、国鉄がJR貨物という貨物専門の鉄道会社の旅客鉄道会社に分割された際に、この貨客混載という両方の分野にまたがる事業が、なくなったのかもしれません。

もう一ついろいろと調べていて、面白いことがわかったのですが、新幹線で荷物を輸送するサービスは、すでに40年も前に行われていたようです。1981年に「レールゴー・サービス」という名称で、東京 - 新大阪間で始まって、その年の内には、東海道新幹線と山陽新幹線を通じて東京 - 博多に延長されたようです。つまり新幹線で貨物を輸送するというアイデアは、古くて新しいと言うことになります。いずれにせよ、今部分的にせよそのようなサービスが見直されているのは、とても良いことだと思います。とても効率的なサービスと言えるためです。

今日のまとめです。旅客機では、機体の胴体部分のベリーを使って貨物も運ぶことは、普通に行われていますが、それに加えて、新幹線などの鉄道を使った貨客混載輸送のお話をしました。非常に効率的なサービスであり、高い頻度で運航される交通機関の有効利用は、とても良いアイデアだと思います。明日は、また別の貨客混載輸送として、バスのサービスについて考えてみたいと思います。

分野: 国際ロジスティクス 国際経営 |スピーカー: 星野裕志

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