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ビジネスパーソンの悩み相談㉛体質が古い会社を変えるには?

田久保 善彦 リーダーシップ領域

21/02/25

ビジネスパーソンのお悩みに答えるシリーズです。
今日のお悩みです。

『自分が勤めている会社は体質が古く、明らかに保守的だと思います。コロナ渦でも、なかなかリモートにならず、なんとか時差出勤を認めて貰っている状態です。最近ようやくリモートもOKになりましたが、今後の事を考えてもっと会社内の構造改革をすべきだと思うのですが、上層部は危機感があまりないようです。どうやったら改革出来ますか』という切実なお悩みです。

少し冷たい言い方をするようですが、改革出来ない可能性も充分あるとは思います。
例えば、このご質問を寄せて頂いた方がいわゆる家族経営的なオーナーがいらっしゃって、その人が全てを取り仕切っているような体質が古くて保守的な会社にお勤めだとすると、オーナーということは全権を持っていますから、その人がイエスと言わなければ何も変わりません。そういった状態の会社であるならば、現場からの改革は非常に難しいかもしれません。ただし、諦める前に確認をしておいていただきたいことは、今コロナ禍ということでリモートワークをやるかやらないかという話が非常に多いですが、保守的だからリモートワークを禁止しているのか、リモートワークをすると何か決定的に良くないことがあると考えて経営者がノーと言っているのか、確認してください。単に従業員のことを信頼せずに在宅で仕事をさせるとサボるかもしれないからという会社もあれば、大量に個人情報を扱っている、もしくは今本当に出来立てほやほやのスタートアップで、お互いの顔を見ながら仕事をすることが企業文化を創るという今のフェーズにおいては何よりも重要だから皆来てやろうと言っているのか、これは大きな違いです。そのため、「リモートワークを認めてくれない=体質が古い/保守的」とは必ずしもならないため、なぜリモートワークを認めて貰ってないのかの理由を特定した方が良いです。その上で、明らかに保守的であるならば、私はやれる事は二つだと思います。

一つは、物事を変えていく時にいきなり自分の周りにいる10人、15人をバタバタと変えていくことは基本的には不可能です。会社を変えるということはオセロゲームと同じだと言った人がいましたが、どんなにオセロの達人でも一手目では一枚しかひっくり返りません。ということは、どんなに凄い人でも変えられるのはまずはその辺に座っている一人です。これ以上のことは出来ません。そのことを理解し、一人一人しか変わっていかないということを諦めずにやり続けられるかが、会社を変えられるかどうかの全てを物語ると思います。しかし、オセロはあるタイミング、例えば角を取るなどでバタバタと変わることもありません。そのため、一つ一つ変えていきながら、きちんと戦略を組んで改革をしていくことで出来ないこともないかもしれません。

もう一つの選択肢は、その会社を去るということだと思います。本当に色んなチャレンジをしてみてそれでも会社が変わらないという結論になったのであれば、やはり自分の人生は一度きりですから、そこで永遠に残りの時間を使ってしまうのか、別の道を選ぶのかの選択です。多くの場合、別の道を選べないというのは、今と同じ給料をくれる会社に転職出来るか、もしくは起業して成功できるかどうかの自信がない時です。そういった場合は文句を言いながらでもそこの会社に留まらざるを得ないみたいなことが、現実的に起きていると思います。

そういった方に私がアドバイスをさせていただくとすると、本当に正しいと思うことを会社の中でチャレンジしてみて、それでも梃子でも動かないということが分かったならば、そこは潔くその会社を去る。そんな勇気と去るだけの実力を身に付けておかないと駄目だと思います。

実力には、二つあると思っています。一つは、個人的に何が出来るのかというスキルです。例えば、私はこういうBtoBの営業で、こういう物をこれだけ売る力があるので、こういう産業であれば、私は翌日から他の会社に行っても、BtoBの営業を間違いなく物を売る事が出来ますという人であれば、間違いなく転職できるわけです。
もう一つは、やはり自分にどれだけのネットワークを持っているかです。例えば、誘って貰える、紹介をお願い出来るような頼りになるネットワークをどれだけ培ってきたかです。結局、スキルも身に付けてこなかった、ネットワークも作ってこなかったから今の会社を辞められない。だから会社を改革出来なくても、嫌なことをやれと言われても我慢してとにかく生きていく。こんな循環に入ってしまう可能性があるわけです。

では、今日のまとめです。
企業の変革が出来るのかというお悩みから、二つのソリューションを考えてみました。一つは、変革というのは、まずは隣にいる一人の人間からしか変えられないということに覚悟を決めて、地道に一人ずつ変えていく。そして、その積み上げとして最後49対51の勝負に持って行くだけのエネルギーをかけてやっていく方法です。もう一つは、それが途中で頓挫する、もしくはそれをやり切ってもまだ変わらないというならば、その会社を辞めることが出来るスキル面の能力と、ネットワークという意味での能力の二つを充分に培っておくことがこれから先大事になるのではないかと思います。

分野: リーダーシップ |スピーカー: 田久保 善彦

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