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コロナ禍でのメンタルヘルス1

松岡綾子 メンタルマネジメント

20/10/26

新型コロナウイルスの影響により、みなさんテレワーク・リモートワークでお仕事をする機会が増えたのではないでしょうか。今日は、テレワークに適している職場とはどんな環境なのかについてお話します。

4月7日に緊急事態宣言が発令されて半年程経ちますが、スムーズにテレワークに移行できた会社と、なかなか難しい会社とあると思います。また、同じ会社の中でもスムーズに進んだ面と、なかなか導入が難しい面など、環境の違いによって様々な違いが出てくると思います。

では、テレワークが適している職場というのは具体的にどういう職場なのでしょうか。
サービス業のようにどうしてもその場に行かなくてならない仕事は除いてオフィスワークに限定して考えた場合、テレワークができる職場と出来ない職場の違いとして一番に考えるのは「インフラの整備」です。
社員が自宅から仕事をするとなると、社外から会社の情報にアクセスする必要があるため、それに耐え得るサーバーのキャパシティがあるか、これまで社内でしか使っていなかったデータベースを外からどうやってアクセスするように整備するのか、セキュリティを担保しながら個人の自宅から接続できるようにするにはどうしたら良いのか、などの問題が浮上します。また、それらを可能にするだけのスタッフとの信頼関係も大きな問題です。

今回の場合は、本当に命にかかわる事態だったため、どんな人もテレワークになる方が望ましいとされ、多くの方にテレワークを薦めなければなりませんでした。そうなると、先ほど挙げたインフラ・セキュリティ・個人への信頼感はもちろんですが、仕事を進めていくに当たり、個人にどれだけの裁量権が渡されているかがかなり重要な問題になってくると私は感じています。

社員が出社している状況では、目の前に上司や相談出来る同僚がいて「これってどうしたらいいかな?」「課長これでいいですか」などすぐに聞きに行くことができる状況が整っています。しかし、テレワークになると「ちょっといいですか」と質問するためには、その都度電話やメール(チャット)をしなければならず、今それらを行ってもいい状況なのかも分からず気を遣ってしまい瞬時の確認ができなくなってしまいます。その都度文面化しないといけなかったり、ミーティングを入れないといけなかったり、様々な雑務がそこに生じます。そのため、できるだけスムーズに仕事を進められるようになるためには、個人で意思決定できる範囲を広く持っておくことが重要です。個人の裁量権がないと、その都度上司の許可をとりつけないといけない、多方面に気を遣わないといけないなどの状況から、出社していた時よりもどうしても仕事のスピードが落ちてしまい、決められた期限内でのアウトプットが減ってきてしまう可能性があります。作業効率が落ちると、自信を失ってしまったりイライラしたり、その結果としてストレスが溜まってしまいます。

では、どうやってその状況を作るといいのでしょうか。

その都度上司の意見や周りに気をつかわなければならない状況ではなく、ある程度自分できちんと仕事を進められるような状態にしておくというのは、テレワークになってからではなかなか難しいです。これまでどのように仕事をしていたかということが非常に重要になってきます。自分自身で仕事を見つけ、仕事をどんどん進めていくことが出来るような働き方、またそういう環境を職場としても用意できていたかということが、今回スムーズにテレワークを進められたかどうかにかかってきていたと思います。

では、事前準備ができていなかった職場はどうしたらいいのかというと、テレビ会議などの機会で上司が部下のメンバーにどこまで任せるのかをきちんと線引きして伝えることが大切です。そして社員個人としては「ここまでは自分でやりたいと思います」ということをきちんと宣言するなど、お互いに「どこまでやるか」、「どこまで任せるか」という線引きを今まで以上に明確にしておくことが必要になるでしょう。

今回、テレワークが導入されたことによって一気にテレワークが広がりました。おそらくこのテレワークは今後も多く活用されると思います。テレワークは、出勤時間が節約でき、オフィスのスペースが削減できるという意味では効率的でもあります。どうやって効率的なテレワークを皆さんがストレスなく進めていけるかというのは非常に大切です。そのためには、どこまで任せるか、どこまで任せてもらいたいかということを意識していくことが必要で、その結果、仕事の進み方は変わるのではないかと思います。

では、今日のまとめです。
テレワークという個人で業務をする環境においては、その個人がどこまでやるかという線引きをきちんとすることがテレワークのスムーズな進め方に結びついてくると思います。

分野: メンタルヘルス |スピーカー: 松岡綾子

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