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途上国コロナ

村藤功 企業財務 M&A

20/08/10

今日は、途上国コロナという話をしたいと思います。中国の感染者数のピークは2月でした。4月になって欧米とか日本に来て、5月には途上国の感染者の方が先進国の新規感染者を上回ってしまったのです。その後、6月以降は途上国とかアメリカの感染者数がまた増えてきて、とても困ったことになっているのです。ちなみに、今トップ3の累積感染者国はどこか知っていますか? 一番多いのはアメリカで、それからブラジルが2番、インドが3番です。ブラジルは「単なる風邪」と言っていたボルソナロ大統領が陽性になりました。7月には陰性で治ったのですが、奥さんも陽性になってしまって、8人の閣僚も感染してしまいました。閣僚の三分の一以上が感染してしまい、閣議をすると感染する状況になってしまったという困った状況です。

途上国が困るのは、まず、栄養や衛生状況が良くない。そして、医療制度が整っていないので、三密が避けにくい事です。狭いところに人が沢山住んでいるので、これを回避しようとすると国はお店に休業要請をしないといけないのですが、それにはお金がかかります。途上国は大体財政が貧乏なので、財源を調達しようとすると赤字国債を発行しないといけなくなります。赤字国債を過剰に発行するとハイパー・インフレになって通貨が下落する可能性が高まります。そうなると外貨借入れ外貨国債が債務不履行になって大変なことになるわけです。そういうリスクは取れないので、経済も早く再建させないといけないと言って、まだ感染が止まっていないのに経済を再開する。ですから、感染も拡大することになります。

今、世界のトップ10累積コロナ感染国の中で途上国がどのくらいあるかですが、正確に言うと南アフリカは途上国とも言い難いので、5位の南アフリカを除けば7か国。ラテンアメリカが5か国と、それからインド、イランです。では、先進国の中でトップ10に入っているのはどこでしょうか? 先程のアメリカと、それからロシアです。1番アメリカ、4番ロシアと、昔、冷戦を戦っていた国がトップ5に入っている状況です。ブラジルもインドもとても感染者数が多いにも関わらず、仕事をしないと皆死んでしまう。政府も助けようと思ってもお金がないということですけれど、2カ国ともコロナ前は高成長だったわけです。では、2020年度の実質GDP成長予定は大体どの位と言われているか知っていますか? マイナス5%とかマイナス10%とか、そんなものですよね。

そうすると大体日本と一緒なんですよ。ブラジルとかインドの累積感染者数とか死者数を日本と比べると、ざっくりいって50~80倍位ブラジルとかインドの方が多いのです。トップがアメリカで、8月5日時点で477万人位の累積感染者数で、日本は8月5日時点で42,000人位です。日本は8月5日時点で死者数が1,000人位なのに対して、アメリカの一日当たりの感染者数が7月半ば以降大体一日5~6万人位ですよ。だから一日当たりのアメリカの感染者数が日本の累積感染者数と同じ位で、一日当たりのアメリカの死者数が日本の累積死者数と同じ位です。ブラジルとインドの累積感染者数とか死者数は日本の50~100倍とものすごく多いのですけれども、経済成長では、2020年の実質GDP成長がマイナス5~10%と大体日本と変わりありません。

何故だと思いますか? 日本と比べて感染者が多くても多くなくても、感染を予防するために経済や人の生活をある程度止めるということになったということです。感染者数の程度と無関係に、経済成長の落ち込み方の程度は世界各国それほど変わらないのです。困った、困ったと思って、感染したくないとか死にたくないと思って経済を止めるわけですよ。皆同じように止めるので、同じくらいやられるということで、第2四半期の4~6月くらいの実質GDP年率は世界中で大体20~40%くらいマイナスという感じですよね。この結果、世界全体で2020年度はマイナス何パーセントというような実質GDP成長率になっている。

最初は皆これをV字回復させると言っていました。今では、これはとても怪しいと言われていて、V字ではなくてL字じゃないか。落ちた後に回復しないで落ちたまま永遠と続いていたり、結構長引いたりするかもしれないのです。途上国とかアメリカに回復してもらわないと、日本としては来年のオリンピックが開催できなくなるので、終息して欲しいということなのですけれど今のところ終息の気配は見えません。

今日のまとめです。中国から欧米、途上国と移っていったコロナは、途上国に移転して終息するかと思ったら全然終息しないし、アメリカも新規感染者が増えているという状況です。ブラジルとかインドを始めとする途上国は経済を止めると生きていけないということで、政府も財政赤字で赤字国債を発行すればハイパー・インフレとか通貨下落を招くので限界があります。日本としては来年のオリンピックをやりたいので早いところ終息して頂けないかな、というところです。

分野: 財務戦略 |スピーカー: 村藤功

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