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ロシアとプーチン

村藤功 企業財務 M&A

20/07/20

今日はロシアとプーチンの話をしたいと思うのですけれども、プーチンがこの間憲法の改正に成功して、あと二回大統領が出来るようになりました。随分長いことやっているのですけど、最初は任期が4年の時代に二期やったのです。その後に、メドベージェフに大統領をやらせたのですけど、その時に任期を4年から6年に延ばしました。その後に、また6年を二期。そうすると、8年と6年かける2回で合計20年になりますが、ロシアで憲法改正についての国民投票をやったのです。圧倒的多数で憲法改正がオッケーされ、それで6年かける二期であと12年出来るようになりました。そうすると、全体でメドベージェフの4年を除いて32年間、47歳から83歳まで大統領ということになるのです。

これは国民投票で決まったのですが、ロシアの国民からは本当に支持されているかどうかは若干怪しいところもあります。最近、ハバロフスクの知事が逮捕されて、3万人ぐらいが抗議デモをやりました。本当に皆はどの程度自由に投票しているのかということが分からないのだけれども、形式的に言うと投票率65%で賛成78%ということで、過半数が必要なところを圧倒的な多数でオッケーになりました。ただ、選挙が公正に行われていたかというと、若干怪しいところが本当はあります。例えばロシアは、コロナの感染者数は多いのだけれども死者数は少ない。他と比べるとあまりに少ないように見えるので、その統計を本当に信じて良いのかというのはちょっと疑惑です。

ただ、最初の頃は人気があったのです。経済も、2000年から2008年にかけてはGDPを83%成長させました。その後に、三期目の大統領を2012年からやったわけですけど、第3期には5%位しか成長していません。三期目の時にウクライナ問題があって、クリミア半島でウクライナを独立させてロシアに併合させました。ロシアの外から見ればけしからん許せんという話ですが、ロシア国民から見れば我々の領土を拡大したと圧倒的な支持を受けたのです。ただ、その後ロシアは外から制裁を受けて、経済がとても苦しくなったということで、最近は皆プーチンを本気で支持しているかというと、そうではないかもしれないということです。

ロシアはとても広いのですけど、ロシアのタイムゾーンはいくつあるでしょうか。タイムゾーンとは、ここの時間は何時、ここは何時というもので、中国はあんなに広くても全部同じ時間で時計を見ています。ロシアは西の方はヨーロッパで東の方はアジアと、東西には物凄く広いわけですね。そうすると、時間の区切りがどのぐらいあるかですが、11個もあるのです。日本と同じ時間がヤクーツク時間といって、その東にウラジオストックだとかサハリンだとかカムチャッカというのが、3時間分ぐらい日本よりも東のどの箇所にもあるという状況です。日本は極東といわれ世界の国の中でも東にあるという印象がありますけど、更に東にあるということですね。東西がとてつもなく広いのがロシアということで、そういう意味では北では北極海をかなり握っています。北極海には世界のLNGガスの30%ぐらいはあり、原油の13%ぐらいあるということで、エネルギーがロシアの最大の産業です。

今何が起こっているかと言うと、温暖化で北極海の氷が溶けて、北極海の航路を握って商売しようと考え始めているところです。エネルギーを握っているということで何が起こっているのかと言うと、EUには「ノルド・ストリーム」というパイプラインでガスを送っていて、アメリカがドイツにロシアからガスなんか送ってもらうなとブツブツ言ったりして、ドイツも怒っているところです。中国には、「シベリアの力」というパイプラインがあって、日本には「サハリン1・2」というプロジェクトでガスを作って日本にも供給している。この様に、ロシアはエネルギーが産業の一番大きい部分を占めるので、エネルギーの価格が下がると、色々問題が起きます。プーチンの最初の二期はエネルギー株が上がって絶好調だったのですけど、三期目に入ってウクライナのクリミア半島の独立併合を経て、現在大統領4期目のコロナでは誰もエネルギーを使わなくなってエネルギーの価格が下がりました。そうすると、経済制裁とエネルギー価格の下落で、相当トラブっているわけですよ。

アメリカのトランプ大統領が「アメリカファースト」と言って、アメリカが一番で他はどうでも良いみたいな話をし始めたので、ロシアとしてはどう対応しているか知っています? アメリカがそんなふうになったら、他の所と仲良くするしかないですよね。昔は、アメリカ対ソ連だったわけでした。東西冷戦が戦後最大の歴史としてあったわけですけれども、今やソ連が崩壊してロシアの力が相当弱くなって、中国がどんどん伸びてきている状況です。そうかと言って、ロシアはアメリカの言うことを聞きたいわけでは全くないということで、トランプを良くないと思う人たちには、そうだよねと言って近づいています。まず、EUに近づいて、中国に近づいたり、それから元々ソ連の一部だった中央アジアの国々に近づいたり、或いは中東でアメリカがスルスル軍備を引いていくという所にロシアが出てくるという形です。アメリカがアメリカファーストとか言って、自分の国に引いていく所にロシアが出て行って勢力を拡大しようとしているというのが、現在の状況です。

今日のまとめです。7月1日にロシアの憲法を改正するかどうかの国民投票が行われて改憲が成立しました。これでプーチンは、2024年の四期目の任期終了後も二期大統領が出来るようになりました。ロシアはとても広いので、北極のエネルギーや北極海を持っています。アメリカと対抗する力はないのだけれども、アメリカの言うことを聞く気もないということで、アメリカが引いていくのを見ながらよしよしとEUに近づいたり、中国に近づいたり、中央アジアとか中東で影響力を拡大しようとしているのが現状です。

分野: 財務戦略 |スピーカー: 村藤功

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