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人を育てる問いとは?③"心理的安全性"について

廣瀬 聡 企業家リーダーシップ

20/06/18

  人を育てる問いとは」というテーマでお話しています。前回は、私がグロービス経営大学院で生徒に話をする際に心がけている問いかけをご紹介しました。今日は、言葉ではなく「環境をどうつくるか」について、心理的安全性ということをテーマにお話します。

  私が教員をしている中で気をつけていることの一つが、「人のコメントは出来るだけ否定はしない」ということです。どんなにピントがずれたことを言っていたとしても、まずは「なるほど、なるほど」と返します。その時に、怒った・苛立った顔をしないことがポイントです。また、可能であれば「その考え方はこういう流れで考えると実はこういう重要なポイントに繫がりますね。いいことを言ってくれましたね」と軌道修正しています。

  受講生の皆さんは、勇気を持って発言してくれていますから、「あなたは貢献したんだよ」ということを"ありがとう""参考になるね"などどんなコメントに対しても前向きに返すことで、"言い損ねたな"、"間違えてしまったかな"と思わずに発言者が安心して次の議論に入っていけるよう、心を整えてあげることを大切にするようにしています。

  実は、私もかつては議論の中でとてもピントが外れた人間でした。前回お話したように私はイギリスで育ったこともあり、かなり自己主張する性格で社会人になったばかりの頃は、会議でも議論の流れよりもいろいろな意見を言ってしまっていました。するとある上司の方が「ああ廣瀬、お前の言おうとしていることってこういうことだよな。これ実は良いポイントだと思うよ」と私の言葉を拾ってくれました。あとで振り返ってみると私の発言はズレていました。しかし、言おうと思っていたポイントに近しいことを上司が補完することで、上司が意識的に私の思いをより本質的な議論に持っていき、交通整理をしてくれているとことに後々になって気付いていきます。そして私自身は、上司の話を聴きながら、「俺ってこういうことを言いたかったんだ」とか、「これって実は会社にとってこういうふうに意味があることだったんだ」と学んでいました。

  また周りの皆さんもこの上司のフォローにより、良い議論をしてくれたと見てくれるため、「意見を言ってみても良いんだ」、「結果的に話せば自分自身が学べるんだ」と一歩前に出て話し出すことに対する前向きな気持ちを得ることができ、結果的にチーム全体も成長することが出来たのではないかと思います。いま、振り返るとどのような人に対しても自分なりに考えて意見が言えるのは、きっとこの方のサポートがあったからこそだと感じています。
その後、アメリカの会社で役員を務めることになるのですが、自分の意見を主張する土台をこの上司のサポートで得られたと思います。

  今、クラスを運営している側とすると、やはり全員が自由に意見を言いながらそれぞれが前を向いて元気に話すような環境が、結果的に人に自信と勇気を与えて知恵を授けていくのではないかと思いますし、この経験が、結果的に私のクラスの運営方法に繫がっています。
余談になりますが、こういうことをしてくれた方が、今では一部上場企業の社長になっていらっしゃるということを踏まえると、やはり人として人を成長させることがとても大切ですし、そういう問いをたてる、そういう環境を作るということが組織運営、或いは企業経営において非常に大切なのではないかと思います。

  今日のテーマは、「心理的安全性」ですが、結果的に「心理的安全性」が人の発想を豊かにして、会話を広げ、学びを深めていくことになるのではないでしょうか。そして、こうした経験が、人それぞれの行動様式を変え、究極的にはどんどん成長出来る環境にし、人生を変えていってくれるとい思います。

  今まで日本の社会経済というのは「言われたことをやりなさい」「黙って言うことを聞きなさい」という教育をよしとしてきたと思います。しかし、時代は変わってきていて、同じものを大量に作って売れる世界は終わり、どこよりも新しいもの、他と違うもの、ユニークなものが世界で受け止められるようになってきています。GoogleやAmazon、Appleなどの企業は、皆がこういう心理的安全性に取り組んで経営をしていると聞きます。「心理的安全性」を人の教育の場、或いは育成の場において使っていくことが大事な時代になってきているのではないでしょうか。

  では、今日のまとめです。
「心理的安全性」。自分は話してもいいんだ、自分は一歩前に出てもいいんだ、と思わせる空気を作ることがこれからの時代において非常に大切なことではないか、というお話でした。

分野: 企業家リーダーシップ |スピーカー: 廣瀬 聡

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