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モノづくりからコトづくり(その3)

高田 仁 産学連携マネジメント、技術移転、技術経営(MOT)、アントレプレナーシップ

20/06/10

【今回のまとめ】
コトづくりの支援メニューは、対象企業がどの段階にあるかで異なる。その中でも、経営者のマ
インドチェンジや従業員のスキル獲得、業界を超えた連携ができるネットワークを持つことが極めて重要だ。

前回は、モノづくりの強みを生かしたコトづくりの事例として、熊本に立地するオオクマ電子の取り組みを紹介した。今回は、「モノづくりからコトづくり」へとシフトしようとする九州の半導体・エレクトロニクス業界の団体(SIIQ;九州半導体・エレクトロニクスイノベーション協議会)の取り組みを紹介したい。

SIIQでは、個々の企業のコトづくり力を向上させるために、対象企業群を(1)コトづくり未検討企業(=重要性や自社経営課題の認識が不十分)、(2)コトづくり検討企業(=コトづくり事業の検討を始めている企業)、(3)コトづくり志向企業(=コトづくりに向け新たなビジネスモデル構築などに取り組んでいる企業)、(4)コトづくり企業(=コトづくりによる事業化を果たし成果を上げる企業)、の4つに類型化し、それぞれ異なる支援メニューを整理している。

まず(1)の未検討企業に対しては、まず何よりも経営者のマインドチェンジを促すことが不可欠である。次に(2)の検討企業に対しては、具体的アクションに向けた知識やノウハウの修得支援を提供することが必要となる。また(3)の志向企業に対しては、具体的な事業戦略策定時の伴走支援を行うことが求められる。最後に(4)のコトづくり企業に対しては、事業拡大に向けた協業先やアライアンス支援を行う、といった具合である。

更には、上記支援を切れ目なく提供するために、コトづくり支援プラットフォームの構築も想定されている。このプラットフォームの役割として、例えば、経営者のマインドチェンジはできたが、具体的な顧客ニーズの獲得や新たなビジネスアイデア創出のスキルを持たない企業に対して、「デザイン思考」によるワークショップを通じた従業員教育や、弁理士による知財活用機会を提供することが目論まれている。

実際に2019年度のワーキンググループでの検討期間中に、試行的にSIIQ会員企業を対象とした「コトづくりビジネス」のワークショップを計5回開催し、製品デザインとブランディング、デザイン思考、リーンキャンバスを用いた新規事業アイデアの構築とブラッシュアップ、事業アイデア創造に結びつく知財情報の活用策など、参加者がフィールドワークなどの実践を通じて学ぶ機会を提供し、参加者および派遣元の経営者からも好評を得た。今後は、このような支援活動をより継続的に展開することとなっている。

九州に独自に形成されてきた半導体・エレクトロニクス産業の集積を、より高度で付加価値の高い集積へと転換させるために、業界を俯瞰したSIIQのコトづくり促進活動は重要な意味を持つ。

分野: 産学連携 |スピーカー: 高田 仁

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