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ビジネスパーソンの悩み相談㉗転職後の会社での動きについて

田久保 善彦 リーダーシップ領域

20/06/03

働き手の皆さんのお悩みにお答えするシリーズです。
今回は、転職をされた方からのお悩みです。

転職をして仕事の内容はあまり変わらないけれども、進め方で以前の会社にいた時の方が効率的だったと思う部分があり、新しい会社でも変えていきたいと思っているけれども、最初から目立って「この人、大変な人だな」と思われたくもないため、どうしたらいいか悩んでいるとのことです。

非常に多いお悩みです。
転職をしたけれども、どのタイミングから活躍し始めたらいいかといった話も、今回のお悩みと類似する問いかもしれません。会社が良いポジションで誰かを採用したということは、当然その人に活躍してほしいという期待があるわけです。しかし、そもそも今その部署で働いている人々からするとどうでしょう。突然転職した人が入ってきて、正しそうな人が、正しそうなタイミングで、正しそうなことを、正しい方法で言ったら、どう感じますか?

頭では分かっていても、気持ちとしてはやっぱり嫌だなと思うのではないでしょうか。人は、正しい人に正しいことを正しいタイミングで言われると、一番頭に来ます。正しいのにもかかわらず、なんだかんだ難癖付けられて物事が前に進まない、結局第一フェーズとしては、「何を言っているか」よりも、「誰が言っているか」の方が大事だったりするのが人間です。つまり、転職をした時、新しい部署に異動になった時に大事なのは、人間はどういう生き物なのかをきちんと理解する能力(認識)が大事です。

私がグロービスの卒業生の方から転職したと聞いた時には、「一ヶ月から二ヶ月くらいは潜水艦をやっていた方がいいよ」とお伝えしています。皆さん、初日から活躍したいと思っています。しかし、それをされてしまうと元々そこにいた人達がまいってしまうため、もちろん期待値にもよりますが、最低一ヶ月くらいはあまり大きな動きはせずに、この会社の文化はどういう文化なんだろう、事実上のこの部署の意志決定者は誰なんだろう、どういう道筋を通して話を通していくとこの会社では話が通りやすいんだろうということを潜水艦のように浮上せずによく観察することをお勧めします。そうすると、裏の意志決定者が見えたり、誰のところに一番情報が集まっているかが分かってきたり、どこを押さえないとこの会社は物が前に進まないのか、その会社のある種のお作法のようなものも透けて見えてきます。やはり、「郷に入れば郷に従え」です。もちろんずっとそれをやっているだけではその人が入った意味がありません。「郷に入れば郷に従え」は、最初従っている振りをしてよく観察をして、その状態を見極めないと、なかなか受け入れてもらえません。結局、仕事の成果はある種「プランニング・戦略×実行動」で表現出来るとすると、正しいやり方というのは、プランニングをいくら持っていても、誰もやってくれなければゼロになってしまい、成果はゼロです。成果は掛け算だと考えると、たとえ最高のクオリティのプランでなかったとしても、実行してもらえる確率が高い方が成果は高くなります。

初日からどこかで習ってきたかっこいいスライドなどを使って、「こうです。ああです。」と言っては、周囲の賛同を得ることは難しいでしょう。そういった人間の感情を理解することが、転職する人には必要です。そういう意味では、論理思考は非常に世の中で非常に流行ってもいますし大事ですが、それをむやみに振り回そうとすると結局何も進まないということになります。
論理と人間理解力(理と情という言い方もありますが)その両方を駆使できるような状態になっていただきたいと思います。また、比重の問題はその会社のカルチャーでもあります。ものすごい比率で人が流動的に動いている外資系の会社だとすれば、理と情が8:2という会社もあるでしょうし、日本の昔ながらのファミリービジネスのような会社では、理より情の方が慮られているみたいなこともあるでしょう。
例えばそういう会社に理屈8割で入っていったら、おそらく最初は上手くいかないでしょう。そういったところの見極めも含めてやっていく努力をしてほしいと思います。

では、今日のまとめです。
新しい場所に入った時は、最初はいきなり正しいことを言おうとせずに一ヶ月くらいは潜水艦のように潜ってみて、その会社、その部署の文化、人間関係、意志決定のメカニズムをよく観察・分析をして、その上でどう振る舞うかを考えてみてほしいというお話でした。

分野: リーダーシップ |スピーカー: 田久保 善彦

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