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株式投資の期待値はプラス

塚崎公義 経済予測、経済事情、日本経済、経済学

20/05/13

今日は、「株式投資の期待値がプラスである」という話をします。
株式投資の期待がプラスになる理由は、2つあります。1つ目は、「投資家がリスクを嫌う」ためです。もう1つは、「企業経営者がリスクを嫌うため」です。ここでいう「期待値」とは、値上がりして儲かる金額と儲かる確率を掛け合わせたものを指します。

例えば、「コインを投げて表が出たら100円あげる」と言われた場合、儲けの期待値は50円になります。【儲かる金額(100円)×儲かる確率(1/2)=50円】

株を買うと100円値上がりする確率が5割で100円値下がりする確率が5割だとすると、期待値は0になります。
100円儲かる確率が5割ですから、掛け合わせると50円になりますが、100円損をする確率が5割あるため、それらを掛け合わせるとマイナス50円になり、合計すると0になります。
【儲かる金額(+100円)×儲かる確率(1/2)=+50円】
【損する金額(-100円)×損する確率(1/2)=-50円】

株式の期待値は【】に示したような計算で求められます。上記のような確率を考えると、株式投資は儲かりやすいわけではありません。しかし実際には、期待値はわずかながらプラスなのです。あくまでも確率ですから運が悪い人は損をすることもあり得ますが。

はじめに「投資家はリスクを嫌うため期待値がプラスになる」とお伝えしましたが、「投資家がリスクを嫌う」というのは、株は値下がりする可能性があるため怖くて買いたくない人が多いということです。だからこそ、人のやらないことをやると儲かるチャンスがゴロゴロ転がっているかもしれません。

株式投資をやられている人は多いですが、中でもプロの方の多くは慎重派で、期待値が0の場合は投資をしないという方が多いです。100円儲かるか100円損をするか、確率が五分五分の株は買わないというのが普通のプロです。つまり、将来の株価が1,100か900円か分からない、確率五分五分だというという時に、その株を1,000円で売るとプロは買いません。しかし、999円で売っていたらプロも買うかもしれないとなると、その株の値段は1,000円ではなく999円になるわけです。そうすると、我々が普通に999円で売っている株を買うと1,100円になるか900円になるか確率は五分五分ですから、101円儲かる確率が5割で99円損をする確率が5割ですから、期待値で言うとプラスになるわけです。嬉しいでしょう。

カジノは、ルーレットなどをやると期待値はマイナスです。胴元の利益がお客さんから出ていますから、カジノは期待値がマイナスですがそれでもカジノに行く人はいます。それは賭け事を楽しみに行くわけです。カジノは期待値がマイナスだけれども商売が成り立っているわけです。

しかし、株式市場は集まってくるプロ達は賭け事が嫌いな人ばかりですから期待値がプラスにならないと商売が成り立ちません。逆に、株式市場で商売が成り立っているということは期待値がプラスであると言えます。

次に、「企業経営者がリスクを嫌う」とはどういうことかというと、企業の決算を見ると景気が悪い時には赤字になる会社もありますが、多くの企業が多くの年に黒字になっています。それは何故かと言うと、企業経営者がリスクを嫌っているからです。企業経営者は1億円儲かるか1億円損をするか確率が五分五分の場合、投資はしません。基本的に慎重な人が企業を経営しています。儲かる確率が5割を超えていれば投資をするという経営者も多いと思いますが、慎重な経営者は確率が6割を超えないと投資をしません。ということは、逆に言うと企業が投資をしたということは、企業経営者が儲かる確率が5割以上で、儲かるだろうと思ったということになります。

全ての企業の投資が期待値プラスの投資だけだとすると、景気が良い時と悪い時を平均した場合、確率的には黒字の企業が赤字の企業より多くなるわけです。株を持っているということは、企業の一部を持っているということです。当然、企業が儲かれば株主も儲かるわけです。短期的に株価は上下しますが、株を買ってずっと持っていて配当を何十年も受け取り続ければ、期待値としては儲かるということが言えそうです。

余談になりますが、企業が儲かっても配当しない場合どうするのでしょう。配当しない企業もありますが、それでも株主は期待値としては儲かります。儲かって配当されなかった利益は、内部留保として企業の中にとっておくわけですが、企業が解散する時にはその分を株主に山分けすることになるわけです。それを知っている投資家達は、配当せず利益が内部留保されたということを聞いただけで、その分だけ株価が値上がりして当然だと考えて取引をすることになります。
 
株式投資は期待値がプラスだと聞くと投資しようかなという心理が働きますが、株式投資をする際には注意していただきたいことが3つあります。

1 投資の期待値は確率の問題ですから、もちろん株式投資をした人全員が儲かるというわけではなく、運が悪い人は損をします。ここは誤解のないようにお願いします。
2 証券会社などに手数料を払う必要がありますが、この分は計算に入っていないため、あまり頻繁に売買すると手数料などでマイナスになってしまう人が増える可能性があります。
3 初心者は自分で売買の判断をすると間違えることが多いため、それが嫌な人は例えば「投資信託」を毎月同じ金額ずつ買っていく「積立投資」などをすることでリスク回避することが出来ます。

では、今日のまとめです。
株式投資は期待値としては儲かります。投資家や企業経営者がリスクを嫌うため、期待値がプラスの案件でも簡単に我々の手に入るからです。ただし、あくまでもこれは期待値の話です。当然、損をすることがあります。投資は自己責任でお願いします。

分野: 景気予測 |スピーカー: 塚崎公義

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