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ビジネスパーソンの悩み相談㉕AI

田久保 善彦 リーダーシップ領域

20/05/06

働き手の様々な悩みにお答えするシリーズをお送りしています。今日の悩みは、「AIが進歩を続ける中、今の自分の仕事とAIが共存出来るのかどうか。自分はどの部分を伸ばせば生き残っていけるのか非常に不安」とのことです。

この悩みは、もうこの3~5年程多くのビジネスパーソンが悩まされている問題だと思います。新聞を読めば毎日「AI」や「ロボット」「ビックデータ」についての話題が紙面を飾り、AIに仕事が取って代わられるという内容を目にします。

では、実際にここ数年で仕事がなくなったのでしょうか。

実際はそうとも言えません。確かに一部AIに取って代わられやすい仕事というのは存在すると思います。例えば、「簡易な翻訳」などです。Google翻訳を使うと、「とりあえず読めればいい」というものに関して言えば、そのまま瞬時に出力してくれます。ただ一方で、Google翻訳を使って映画の字幕が作れるかというと、まだそこまでのレベルではありません。そのため、戸田 奈津子さんは必要です。

もちろんこれも10~30年後はどうなっているか分かりません。瞬時になくなってしまう仕事も、もしかしたらあるかもしれませんし、今しばらく人間がやった方が良い仕事や永遠に人間がやった方が良い仕事というのもあるかもしれません。まずは漠然とした不安を持つのではなく、自分がやっている仕事の本質的な価値はどこにあるのかを考えてみてください。その本質的な価値がAIやロボットに置き換えられやすいと感じるのであれば、別の能力を作らなければなりません。

例えば、医療界で言えば内視鏡を飲んで胃の内壁をカメラで撮り、その画像診断するAIの方がよっぽど速く患部を発見できる時代になってきていますし、医師もどんどんそういったものを活用する時代になってきています。しかし、実際に切って手術しているのはやはり人間ですし、責任をとるのも人間です。AIを活用して短時間で診断が出来るようになれば、その日の内に出来る手術数が増え、全体としても効率が上がるかもしれません。これはまさに住み分けの問題です。

よく「人間 vs AI」という言い方をされますが「人間 with AI」、つまりAIと共働する仕事はこれからどんどん増えてくると思います。共に生きていく道を模索した時に、自分はどういう能力を持っていればいいのか。人間にしか出来ないことは何だろうか、私にしか出来ないことは何だろうかということを考えざるを得ないと思います。自分のどの部分を伸ばせば生き残っていけるのかを、表面的なスキルベースで考えていくと正直、強みがなくなってしまうかもしれません。翻訳能力やプログラミング能力などで考えていくと結構つらいかもしれないため、まずはもう少しベースの部分、コンピューターの世界で言えば"OS"と言われるような基本的な部分で自分の強みをどこに作りたいのかという発想をしていただけるといいかもしれません。

例えば、アナウンサーという仕事もAIに取って代わられる仕事だと何年も前から言われています。確かに、アナウンサーという仕事の中の「ニュースを読む」という仕事や、「正確に文字を音声にする」という部分であれば、今後AIが進歩していく中でAIの方が強くなっていく部分かもしれません。ただし、イベントの司会をする時に臨機応変に話を変えるだとか、ラジオのパーソナリティーをして双方向のやりとりをするということに関しては、人間の能力を磨いていくところではないかと思います。少なくとも今の所は、そういう所までAIに取って代わられていません。これも本当に30年後には、カメラでインタビューを受ける側の表情を見ながら行間を読んで質問を変えられるAIも出来てくるかもしれませんが、それまでにはまだ時間は掛かるでしょう。

また、今度はそれを作り上げるためにどれぐらいのコストが掛かるかという面を考慮すると、結局は人間が時々噛んだり間違えたり笑ったりしながら喋っているのを聞いている方が心地いいとなれば、人間がやることになるかもしれません。可能性としては、様々な可能性があると思います。正直、読むだけであればAIが勝ちだと思います。それでもリスナーが好むのかというと、また別の問題です。そういったことも考えていった時に、自分の仕事の延長線上でここは本当に自分の強みにしたいという所を、OSのアプリケーションのように表面的な技術ばかりを追いかけるのではなく、本当にコアな部分として、例えばアナウンサーをやられている方であれば、圧倒的に高いコミュニケーション能力を磨くなど本質を見極めましょう。すべてがAIに取って代わられるわけではありません。"一流"というのは、どんなにAIが発達しても残るのではないかと思います。職業がなくなるという面もあるかもしれませんが、その中で自分のレベル感を研ぎ澄ませば、そう簡単に全て持っていかれることにはならないのではないかという気がしています。

では、今日のまとめです。
これからの考え方は、「AI VS 人間」ではなく、「人間 with AI」です。人間とAIが共に生きていくことを想定しながら、人間として自分はどの能力を研ぎ澄ましたらいいのかを考えてみていただくと良いのではないかと思います。

分野: リーダーシップ |スピーカー: 田久保 善彦

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