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ファイナンシャル・マネジメント

平松拓 企業財務管理、国際金融

20/04/20

新年度がスタートして、新しい事をやり始めようとか、または新しいことを学び始めようという人も多くいらっしゃると思います。そこで今回は、ビジネス・スクールで私が担当しているファイナンシャル・マネジメントという科目について、その概要を紹介したいと思います。

ファイナンシャル・マネジメントとは日本語に訳すると財務経営とか財務管理ということになるわけですが、企業などの組織が経営戦略を推進するために行う、財務の観点からの経営管理活動といえると思います。企業の中にCFO(Chief Financial Officer、最高財務責任者)というポストを設けている会社も最近増えていますが、CFOの業務にあたる分野と考えてもらえれば分かりやすいかもしれません。そうした経営管理活動を行うためには、基礎知識として企業財務・会計・経理の知識が必要ですが、これらに加えて、戦略遂行のための経営的な意思決定を支える少し高度な財務上の知識や技術と、その応用力を身につける必要があります。

とは言いながら、経営的視点から戦略を遂行する上での財務的な判断は何もCFOや財務部門の人だけができればよいというわけではありません。程度の差はありますが、企業の幹部の一員として戦略執行にそれなりに責任を持とうとする人は、須らくその基本を身につけておく必要があると思います。私が担当するビジネス・スクールでのファイナンシャル・マネジメントのコースにおいても、必ずしも財務・会計・経理を担当しているような人や、それらの分野の経験者、専門家になろうとする人だけを意識している訳ではありません。むしろ、それらの分野の経験は無いけれど、起業家や中小企業の経営者として、あるいは国内外で子会社の経営を任されるような可能性のあるビジネスマンも念頭においています。

ファイナンシャル・マネジメントのコースの中で何を学んでもらうかということですが、大きく2つの柱があると思っています。1つは企業の資金繰りです。企業は損失を計上することもありますが、損失を計上して債務超過の状態になったとしてもそれですぐ倒産するわけではありません。企業が倒産するのは、直接的には資金が枯渇して債務の返済が出来なくなった場合です。そうした事態を招かないためには、企業は売り上げをどれだけ伸ばすかというような成長計画や、その成長をもたらすための投資計画を策定する場合に、常に資金の過不足についての検討が必要だと言えます。

ファイナンシャル・マネジメントで学ぶべきもう1つの柱は、いかに企業価値を持続的に向上させるかです。そのための投資計画と資金調達計画、そして投資家への還元を内容とする資本政策のあり方を学ぶことです。企業価値を持続的に向上させるということは、企業としてどれだけ継続的に利益を拡大させられるかということと思って頂ければ結構です。投資をするための資本の調達には基本的にコストがかかりますが、その資本を用いて行う投資はリスクを勘案しながらもコストを上回るリターンをもたらすものでなければなりません。同時に、企業が調達し、あるいは保有する資金にはそうした形で須らくコストが掛かっている訳で、企業価値の向上に繋がるように有効に活かされなければなりません。

コースでは、最初に財務会計の基礎を固める意味で、損益計算書・貸借対照表・キャッシュフロー計算書からなる財務諸表それぞれの持つ意味や基本的な財務分析手法について確認します。特に、キャッシュフローの概念は重要なので、その基本をよく理解してもらうためにキャッシュフロー計算書の作り方を練習します。続いて、資金繰りに欠かせない運転資本についての理解を確認します。企業が平常の業務を行う上では棚卸資産や売掛金・受取手形を抱えざるを得ませんが、これ等のための資金負担が生じます。さらに、財務予測の手法を学ぶことを通じて、企業の成長が将来の資金ポジションへもたらす影響の見極め方も学び、逆に資金繰りが企業の成長の制約となる理論的な背景についても理解してもらいます。

次に、企業価値の向上に繋がる投資計画の策定の為には投資評価が適切に実施されることが必要ですが、そのためには、キャッシュフローの確実な理解のみならず、資本コストの正しい算出方法の把握が必須です。コースでは資金調達が行われる金融市場や資本市場について基本的なところを概観した上で、資金調達方法の選択と資本コストとリスクの関係、さらに資本の効率的な使用という観点から資本還元政策を学んでもらいます。そしてこれらの基礎練習を経て、実際に投資計画の策定・評価を実践してもらいますが、そこでは、投資家から調達した資金や利益から生まれる資金を有効な形で投資に生かしきれない場合の対処についても考えてもらいます。また、リアル・オプションと呼ばれる投資評価の応用によりより積極的な投資評価の考え方についても学ぶ機会を作っています。

こうしたことを主な内容としながら、コースでは受講生それぞれに任意の上場企業を1つ選んでもらって、課題として実際の数字を使いながら段階的に作業をしてもらうことで、リアルな感覚で学んでもらえるようにしています。実践をしながら、というのが一番身につくということだろうと思います。

今日のまとめです。春は未知の分野の学習にもってこいの時期だと思います。今回はファイナンシャル・マネジメントについてご説明しましたが、皆さんそれぞれ興味をもった新たな分野に挑戦されてはいかがでしょうか。

分野: ファイナンシャルマネジメント |スピーカー: 平松拓

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