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仕事をつうじて社員の幸せ度をアップさせるための対話とは?④

芹沢宗一郎 組織・リーダーシップ研究

20/04/13

4回に渡り「仕事を通じて社員の幸せ度をアップさせるための対話」についてお話してきましたが、今日は最終回です。社内で部下と上司がきちんと一対一で対話をする場を設けることが企業の利益にも繋がりますが、そういった対話の場をどのように設けたらいいのかについてこれまでお話ししてきました。

今日は、それらを実際に実践している企業をご紹介したいと思います。
皆さん、「アカツキ」という会社をご存知でしょうか。10年前にソーシャルゲーム事業で創業して上場し、非常に成長している会社です。実は薬院にアカツキの福岡オフィスがあるのですが、昨年リノベーションして非常にユニークな作りになっています。「我が家のように皆でお互いに共創し育てるオフィス」というコンセプトのもと、皆さん快適に裸足でお仕事されています。非常にリラックスした雰囲気で、自由な発想が生まれそうですよね。東京の本社オフィスも同様の雰囲気でした。

その会社の創業者である塩田さんは30代後半と非常にお若い経営者ですが、この10年間何度も挫折を繰り返してこられました。

起業家やビジネスリーダー/経営者の方は、周囲の期待に応えようという責任感が非常に強いです。そういった方たちは全てを自分が背負い、成果へのプレッシャーのなか、"辛い"などのネガティブな感情を押し殺し、それを外に出すことは許されないという気持ちが非常に強い傾向にあります。「人に弱みを見せては駄目」「自分が強くないと周りは付いて来てくれないのではないか」という思い込みをもちがちです。

「アカツキ」の経営者である塩田さんもそのタイプで、強い責任感のもと自分自身の弱みを見せない姿勢を貫かれたことで、いつの間にか組織全体の中にネガティブな感情を共有しにくい雰囲気を作ることになってしまい、組織のメンバーが離れていってしまったそうです。そして、経営も悪化し、倒産寸前までいったとご自身で話されていました。

ところが、塩田さんは幸いにもある方からのコーチングを受けることで、「周囲の期待に応えなければならない」、「成果を出さなければ人からは愛されない」といった囚われ(思い込み)により、ネガティブな感情を隠してきた自分に気付けたそうです。そのコーチから、そういう自分自身の苦しみや辛いという感情をメンバーと分かち合ったら良いのではないかとアドバイスをされ、そのアドバイスに従い、勇気を持ってメンバーにご自身の弱い気持ちを少しずつ吐露していきました。

皆さん、その結果どうなったと思いますか。

社員の方々は、「塩田さんの苦労をもっとシェアして欲しかった」「自分達もあなたを助けたい」「皆で頑張ろう」と優しく受け入れてくれたそうです。こうしてトップ自らが、隠していたネガティブな感情にも目を向け、それも自分の一部なのだからあっていいとありのままの自分を認められると、組織のメンバーのことも受容できるようになったのです。リーダーが勇気を持って感情を分かち合うことで、組織内でも感情を分かち合ってお互いを受け入れることができるようになり、組織の雰囲気も非常に良くなってきたということです。
現在の「アカツキ」では非常に面白い取り組みをしています。ミーティングの初めにチェックインという儀式があり、会に入る前にミーティングに参加するメンバー一人一人が今の感情を分かち合うことをしているそうです。それをすることによって、塩田さん自身も他のメンバーもミーティングの場で思ったことを言いやすくなるわけです。

また、よくミーティングでは、発表の後に質疑応答の時間が設けられますが、この会社では、プレゼンテーションを聞いて「何を感じたのか、どう思ったのか」という"感情"をそれぞれ分かち合う時間を取るようにしているそうです。頭で思考するだけではなく、感じたことを表現出来る場を作ることによって、これまでずっとお話してきた"心理的安全性"をしっかりと担保しているわけです。そうやって一人一人の自己表現が許されることで、一人一人が活き活きと幸せ度をアップ出来るような組織に進化していきます。詳細は、塩田さんが最近出版された「ハートドリブン~目に見えないものを大切にする~」をご覧ください。

では、今日のまとめです。
「リーダーが完璧であることを手放す」
「強くあろうとすることと、弱みを見せないことは違う」
「勇気を持って、リーダー自身が自分の中にある感情を素直にメンバーと分かち合っていく」
「リーダーが安心安全を感じてなければ、メンバーも感じることはできない」

分野: リーダーシップ |スピーカー: 芹沢宗一郎

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