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「ポジティブな人だけがうまくいく3:1の法則」より②

福田亮 組織行動とリーダーシップ

20/04/30

前回から「ポジティブな人だけがうまくいく3:1の法則」という本の内容を紹介しています。前回は、ポジティブでいることのメリットをお伝えしました。今日は、ポジティブとはどういう感情で、どうやってポジティブな状況に持っていくのかについてお話しします。

その前に、まずはタイトルにある「3:1の法則」についてお話します。
この「3:1」という比率は、この著者であるフレドリクソンさんが、研究によって導き出したポジティブとネガティブの比率です。ポジティブが3、ネガティブが1の状態が極めて良い状態だと導き出しています。このポイントは、ネガティブが1あるということです。

前回もお話しましたが、ネガティブをゼロにしようとはせずに、ネガティブな要素を受け入れながら自覚的にポジティブな要素を増やしていくということがポイントです。では、ポジティブをネガティブの3倍にしていくためにはどうしたらいいのでしょうか。

まずは、自分がどういう時にポジティブな感情を抱くのかをよく知っておく必要があります。ポジティブな感情をもたらすものは人によって異なるため、自分のポイントをしっかり押さえましょう。
以下に、この本で紹介されているポジティブ感情を構成する10の要素を記載しますので、自分はどれに一番ポジティブな感情を抱くか考えてみてください。

1喜び :純粋に楽しいとかこの瞬間に気持ちがよい、心地が良いという感情です。
2感謝 :これは相手に何かをしてもらってそれに純粋に感謝をしたい。自分のために相手が何かをしてくれたという感情です。
3安らぎ:マイナスイオンに溢れた森の中でハンモックに寝ている感じや海でぼーっと日の昇る瞬間
ここから離れたくないというような感情。安らぎ、癒される状態。集中など。

上記3つは日常の中でも感じやすいものです。努力が要りません。ここから少し変わっていきます。

4興味 :新しいものに好奇心をもってどんどん探索をしていく。

これは先ほどの3つのような安定の中にはない、むしろちょっと安定に退屈して何かを探している時にポジティビティを感じる局面があります。自分から積極的にいかないと得られないものです。

5希望 :この本で興味深いのは、希望は困難や絶望と表裏一体だと述べています。
つまり、困難や絶望の中に希望を見出す瞬間がここでいう「希望」です。必ず事態は好転する。信念に近いものかもしれません。信じるということがポジティブを作り出すということです

6プライド:努力とか能力を通して上手くいった時はもっと努力したいと思います。
これは自意識とも関わるため、行き過ぎると傲慢になったりします。
一定の謙虚さをもったプライドが大事だということです。
7愉快 :これは人と一緒に純粋に楽しんでいる、笑うということです。

これは喜びとは異なります。人と一緒に何かちょっと意外性があるものに笑ってしまうというような感情です。
例えば、人をいじって笑いが起こるというのは色々問題が起こることもありますが、本当にその仲間との繋がりがあればその人がちょっとやってしまった意外なことを純粋に楽しんで笑えることが出来ます。

8鼓舞される感情:インスピレーション。自己超越です。
例えば、スポーツの一流選手のプレイを見て感動した、自分ももっとそうなりたい
という感情。何かの刺激を受けてもっと頑張らなきゃ、もっとやりたいと思える感情。

これも実は裏側には妬みと憎しみという負の感情もあるため、凄すぎる人に対する妬みや憎しみも一方であります。

9畏敬の念:怖れを感じて敬うという自然の力。例えば、宇宙など自分が逆らえない力に感じる偉大さ。

これもネガティブと紙一重なところがあります。この9つが全部整ってこの本では「LOVE=愛」と捉えています。愛はこの9つの感情の全てを含んでいるということです。

10のポジティブな要素の感じ方は人それぞれです。
ある人は、ポジティブ感情ととても結びついているのは、「興味」かもしれません。自分の好きなことややりたいこと。「これが好きだな」、「突き詰めていきたいな」と思っている時にポジティブな感情が生まれているかもしれません。

では、こういうものをどうやって意図的に育んでいくのでしょうか。
この本にもいくつか書いてありますが、私がやっていることをご紹介させて頂くと、1日の終わりにその日にやった印象に残ったこと、ポジティブに感じられた瞬間をとにかく書き起こしています。
例えば、「今日は○○さんと会ってこういう言葉をもらえたのが嬉しかった」などです。これは「感謝」からきていますよね。あるいは「○○さんと話をしている中でこういうヒント、アイデアをもらって自分はもっとそれを学びたいと思った」というのであれば、それは「興味」かもしれません。こんな風に継続してメモをとっていくと自分が何にポジティブを感じるのかがわかります。

先ほどの法則で行くと「3:1」ですから、辛い時も当然あります。その時も、実は「ネガティブに囚われていたその人の発言はこういうことかもしれない」という捉え直しも出来ます。書き続けていくことで、自分が何に一番ポジティブを感じるのかが把握出来ます。みなさんもぜひやってみてください。

では、今日のまとめです。
ポジティブな感情はとてもオリジナルなものなので、自分の1日1日を振り返る習慣から見出すことが出来ます。

分野: グロービス経営大学院 リーダーシップ 組織行動 |スピーカー: 福田亮

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