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幸福・成功のための哲学34幸福の方程式3

岩崎勇 日本の会計、国際会計、税務会計、監査論、コーポレート・ガバナンス、西洋・東洋思想と倫理、経営哲学

20/03/27

 松下幸之助・稲盛和夫の哲学においては、「幸福」や「成功」が中心的なものとなっている。
 前者の幸福の例でいえば、例えば、松下幸之助では、「繁栄による平和と幸福」(PHP)の研究のために、周知のように、「PHP研究所」を設立し、様々な活動を行っている。ここでは、幸福とともに繁栄と平和とが掲げられている。他方、稲盛和夫では、京セラの経営理念として、「全従業員の物心両面の幸福を追求すると同時に、人類、社会の進歩発展に貢献すること」として、物心両面の幸福を中心的なものとして考えている。

1 幸福と成功の方程式―続きー
(1) 幸福の方程式
 これまで説明してきた心の法則を前提として、ここでは、どうしたら幸せな人生が送れるのかについて、日常的な実践上の指針として、心の法則を方程式の形で簡潔に再構成した「幸福の方程式」を考えてみたい。これまで説明してきた心の法則を「幸福の方程式」として再構成してみると、図のように表すことができる。

図 幸福の方程式
happiness34-1.png

 この式では、幸せになるために、この方程式それ自体が心の法則のうち最重要で包括的な根本法則である「因果律」(「因果の法則」)を示している。すなわち、まず因として、「考え方」、「積極性」と「実践力」の三つを示している。次に縁として、「縁」を挙げている。そして、これらの因と縁との相互作用により、果としての幸せが得られる、ということを示している。なお、それぞれの構成要素の説明は、以下で詳しく行っている。

(2) 考え方
 幸福の方程式において、この「考え方」が最も重要なものである。**ここまで前回**

(3) 積極性
 積極的については、既に「積極性」のところで説明しているので、それを参照されたい。

(4) 実践力
① 実践力の意義
 ここで「実践力」とは、あることを行おうとしたとき、それを実際に行う能力のことである。前述のように、心の法則に関する実践を伴わない単なる知識は、「絵に描いた餅」と同じで、人生には何の役にも立たない。その知識を信念化し、日常の習慣として常態化し、実践することによって、初めて現実の人生に役立ち得る本当の智慧となる。
 この実践力は、肉体的な能力、心の能力及び知識や技能を含む総合的なものである。 例えば、知的な能力開発に関しては、「少くして学べば、則ち壮にして為すことあり 壮にして学べば、則ち老いて衰えず 老いて学べば、則ち死して朽ちず」(佐藤一斎)である。
 このように、能力や実践力は、身に付けるように努力すれば、段々と向上してくる。そして、現代社会においてはこれらを得るために、多くの教育や技術指導などを受ける機会が与えられている。このように、夢や志を達成するためには、あらゆる方面での実践力を身につけることが必須である。なお、この実践力に関連する主な心の法則は、前述の一切唯心造、積極性、健康や潜在意識の法則などであり、積極性を発揮し、心身ともに健康であると同時に、潜在意識を上手く活用することが、実践力を発揮する前提となる。

② 実践力としての三断力
 人生を幸せで成功したものとするためには、前述の「六自の精神」と「六思力」を基礎として、具体的な実践力として、図のように、「判断力、決断力、断行力」という「三断力」が必要である。このうち最も大切なのが、因果律の観点から正しい判断力、すなわち正しく適切な判断を行うことである。これは、幸福の方程式でも、正しい考え方が最も重要であったのと同じである。なお、社会経済がグローバル化し、変化の激しい現代にあっては、これを迅速に行うために、「即断(即判断)・即決(即決断)・即行(即断行)」という「三つの即断力」が必要になってくる。

図 三断力
happiness34-2.png

 「判断力」は、私情を離れて、本心良心に基づく正しい判断を行う能力であり、正しく適切な方向性を示すものである。この場合、正しい現状についての事実認識と本心良心に基づく正しい価値判断が大切である。次に、その正しい判断に基づいて適時・適切な決断ないし選択を行うという「決断力」ないし「意思決定力」が必要になる。さらに、実社会においては、このように、適切に決断された内容を、最後まで断固としてやり抜くという信念を伴った不屈の実行力としての「断行力」が重要である。どのような状況においても、何としてもそれを断行するという覚悟と気概を持って、誠実にそれを行えば、普段では考えられないような良い結果が得られることも多い。
 人生は、一瞬一瞬の判断、決断及び断行の連続である。岐路にあたってどのような道を選ぶかで、幸せになれるか否かが決定する。感情に惑わされずに、常に深い理性に基づく正しく適切な判断と決断をし、それを断行するという行動主義に基づく積極的な生き方が大切である。このように、すべてのことは、できるかできないかではなく、一心不乱に覚悟を決めてやるかやらないのかの問題である。いわゆる「為せば成る、為さねば成らぬ何事も、成らぬは人の為さぬなりけり」(上杉鷹山)である。

(5) 縁
 縁は、他者や環境との関連であり、幸せや成功に非常に大きな影響を及ぼす。換言すれば、この縁は、非常に大きな力があり、その人の運勢に絶大なる影響を与える。すなわち、この世の中分離独立して自分1人で別個に生きているのではなく、必然的に他者との人間関係が生まれてくる。この人間関係は鏡のようなものである。そこで、豊かな心を持ち、密接なコミュニケーションを通じて、昔から重視されている「一期一会」という考え方に基づき、他者との出会いを大切にし、慈愛を持ってそれを育て上げて、常に自己と相手の相違点を尊重し、ウイン・ウイン関係にまでを発展させ、シナジー効果を発揮し、お互いが幸せになれるようにすることが大切である。また、善い縁を出来るだけ多く作り出し、それを育てるためには、人徳を高め、自己に「人間的な魅力」をつけることが大切である。なお、前述のように、「運がいい」というのは、ここでの「縁がいい」ということに置き換えられる。この縁に関連する主な心の法則は、前述の因果律、一切唯心造、自他一如、慈愛、本心良心及び積極性などの法則であり、縁を大切に育て上げることが大切である。

2 自己完成と最高の生き方
 以上のように、人生においては、心の法則を自覚的に捉え、慈愛や本心良心に従って三断力を持って実践することが、幸せを生み出す原点となる。
 人生の理想的な生き方の一つとしては、例えば、次のようなものが考えられる。
① 因果律などの法則や自分の夢に信念をもつこと。すなわち、常に法則を確認し、自己の大きな夢を積極的に追い求めること
② 直観力を磨くこと。すなわち、日常的に物事の本質や真理を正しく見抜く直観力を磨き、常に正しい判断や意思決定が行えるようにすること
③ 学び成長(進化向上)し、自己完成を目指すこと。すなわち、常に高い倫理観を持ち、自己をコントロールする心の練磨を怠らず、慈愛を持って考え、行動し、他人に喜ばれ、試練などから積極的に学ぶことによって成長し、「自己実現」と「社会貢献」を同時に達成するという「自己完成」を目指すこと
 人生には、このような夢を持って生き生きと人生を送れる「生きる力」と「生き方」が大切であろう。言い換えれば、図のように、日常の生活においては、これまで説明してきた心の法則を前提として、「六自の精神」と「六思力」を持って思考を巡らし、自己の夢や志に向かって完全な積極性を発揮し、「三断力」で実践を行う。この際、他の人や環境に対しては、自他一如の観点から慈愛や利他を起点として考え、行動することによって、良縁の増加による運勢の向上を図りながら、夢や志の実現と社会貢献を同時に達成するという自己完成を目指して努力する。その結果として幸せや成功が付いてくる。

happiness34-3.png

3 むすび
 成功・幸福のための哲学においては、成功し、幸福に生きるために、「幸福の方程式」を活用することが大切である。

分野: コーポレートガバナンス 財務会計 |スピーカー: 岩崎勇

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