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幸福・成功のための哲学32幸福の方程式

岩崎勇 日本の会計、国際会計、税務会計、監査論、コーポレート・ガバナンス、西洋・東洋思想と倫理、経営哲学

20/03/04

 松下幸之助・稲盛和夫の哲学においては、「幸福」や「成功」が中心的なものとなっている。
 前者の幸福の例でいえば、例えば、松下幸之助では、「繁栄による平和と幸福」(PHP)の研究のために、周知のように、「PHP研究所」を設立し、様々な活動を行っている。ここでは、幸福とともに繁栄と平和とが掲げられている。他方、稲盛和夫では、京セラの経営理念として、「全従業員の物心両面の幸福を追求すると同時に、人類、社会の進歩発展に貢献すること」として、物心両面の幸福を中心的なものとして考えている。

1 幸福と成功の方程式
(1) 幸福の方程式
 これまで説明してきた心の法則を前提として、ここでは、どうしたら幸せな人生が送れるのかについて、日常的な実践上の指針として、心の法則を方程式の形で簡潔に再構成した「幸福の方程式」(formula for happiness)を考えてみたい。
 このような「方程式」として有名なのが、稲盛和夫の「人生の方程式」(人生・仕事の結果=考え方×情熱×能力)(330頁)であり、これは、「人生や仕事の結果は、考え方と情熱と能力の三つの要素の掛け算できまります」(330頁)というものである。
 この方程式において、「このうち能力と熱意は、それぞれ零点から百点まであり、これが積でかかるので、能力を鼻にかけ努力を怠った人よりは、自分は普通の能力しかないと思って誰よりも努力した人の方が、はるかにすばらしい結果を残すことができます。これに考え方が掛かります。考え方とは生きる姿勢でありマイナス百点からプラス百点まであります。考え方次第で人生や仕事の結果は百八十度変わってくるのです。そこで能力や意欲とともに、人間として正しい考え方をもつことがなによりも大切になるのです」(330頁)。しかも「確かにどんな考え方を持つのも自由だと思います。しかし、その自由の中で自分がどのような考え方を選択するかによって、自らの人生、運命が決まってしまう。そこまでわかっている人が、果たしてどれだけいるでしょうか」(343頁)と極めて重要なことをさりげなく述べている。
 このように、彼は、「人生というものは心に描いたとおりになる、と言っています。ここにある、『心に描くもの』とは、人生の方程式でいう『考え方』に当てはまるでしょう。・・・その3要素の中で一番重要なものが『考え方』です。に描いたもの、心に抱いたもの、自分が持っている考え方、思想、哲学、それらがそのまま人生に現われる、そのことを私は『心に描いた通りになる』と表現しているわけです」(356-357頁)と述べている。
 このような考え方を参考にして、心の法則を「幸福の方程式」として再構成してみると、図表13-1のように表すことができる。

図表 幸福の方程式
happiness32-1.png

 この式では、幸せになるために、この方程式それ自体が心の法則のうち最重要で包括的な根本法則である「因果律」(「因果の法則」)を示している。すなわち、まず因(自助努力:自力本願)として、「考え方」、「積極性」と「実践力」の三つを示している(なお、これを、稲盛和夫の「人生の方程式」と同様に、「考え方」「情熱」「能力」としても全く問題はない)。次に縁(他者や環境による影響:他力本願)として、「縁」を挙げている。そして、これらの因と縁との相互作用により、果(調和やシナジー:自他力両願)としての幸せが得られる、ということを示している。なお、それぞれの構成要素の説明は、以下で詳しく行っている。この場合、昔からの諺(ことわざ)にもあるように、「人事を尽して天命を待つ」という心構えが大切である。この因果律は、前述のように、これだけを正しく理解し、実践することでも、人生は十分に幸せに送れる、という位重要なものである。
 これはまた、図表のような「成功の方程式」でもある。

図表 成功の方程式
happiness32-2.png

 すなわち、この式は、幸せも成功も同じ法則に基づいている、ということを示している。なお、夢は成功の大きな要素である。それゆえ、できるだけ歴史の一部となるような大きな夢を持つことが大切である。
 それでは、次にこの幸福の方程式の個別的な内容の説明に入っていくこととする。

(2) 考え方
 幸福の方程式におけるこの「考え方」に関連する主な心の法則は、前述の一切唯心造、因果律、慈愛、本心良心及び空の法則などである。
① 考え方の重要性と一切唯心造・因果律
 幸福の方程式を考える場合に、最も重要なのが、稲盛和夫も繰返し強調しているように、「考え方」である。なぜならば、この考え方は、「一切唯心造」というすべての起点を表しており、行動と結果の方向性を決めるからである。そして、前述のように、ここにおいても「因果律」が働き、未来の視点からは善因善果・悪因悪果という法則が作用するので、まず善いことや積極的なことのみを考えたいものである。
② 考え方の動機としての慈愛
 幸せになるための秘訣は、前述のように、考え、言葉及び行為のすべての起点として「慈愛」があることである。すなわち、日常的な行動が、慈愛を動機として行われる場合には、その行為が相手に理解され、喜ばれ、当事者間に親密さや信頼が生まれ、質の高い交友関係が築け、その結果、お互いに幸せになれる。
③ 考え方の判断基準としての本心良心
 幸せな生活を送るための判断基準として、絶対にぶれのない、常に真北に輝く北極星や羅針盤としての役割を果たすのもが、前述のように、「本心良心」である。この内なる声に従って、善いこと、正しいこと、大義名分のある社会に貢献できるようなことを自主的に考えることが大切である。

2 むすび
 成功・幸福のための哲学においては、成功し、幸福に生きるために、「幸福の方程式」を活用することが大切である。

分野: コーポレートガバナンス 財務会計 |スピーカー: 岩崎勇

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