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AECの政治

村藤功 企業財務 M&A

20/02/18

今日はAECの政治について話をしたいと思います。AECとはアセアンエコノミックコミュニティー(ASEAN Economic Community)の事です。イギリス離脱でECの今後がちょっと分からなくなった一方で、ASEANを一体的に運営しようという話が2015年くらいから始まりました。

それぞれの国がどうなっているのかですけど、日本は、タイに拠点を置いてASEANマーケットを攻めるというような事をずっとやってきたわけです。しかし、どちらかというと安定していた国が2014年の5月、もう6年くらい前になるのですけれども、軍事クーデターが起こってしまいタクシンが追い出されたのです。その後、妹のインラックさんが首相になったりしたのですけれどこの人も逃げちゃって、軍事政権のプラユットさんがずっと首相を務めています。この様な中で、去年の3月に総選挙がありました。総選挙はタクシン派のタイ貢献党が第一党になったのですが、首相が誰になったかというと、タクシン派ではなくて軍事政権の代表としてのプラユットさんが続投するという話になったのです。そういう意味では、軍政から民主制に本当に戻ったかというと、まだ軍政から出ていたプラユットさんが続投している状況なので、民主制に戻ったとはどうも言い難いです。あまり議席を取れなかった場合は連立政権を組むのですけど、プラユット首相が19党の連立政権という、とんでもなく沢山の党で連立政権を作ったのです。タイ国民はどっちかというと海外に逃げちゃったタクシンだとかインラックとかを支持している人達が多いという事で、まだちょっと戦いの名残がプスプス残っているという状況ですね。

次にインドネシアをちょっと見てみると、インドネシアの人口はAECの中で最大で、日本の2倍の2億6千万ぐらいです。6年位前の2014年10月、ジョコ氏が大統領になりました。そして、去年の8月に面白い事を言って、皆ビックリしたのです。今インドネシアの首都ってどこか知っています? ジャワ島のジャカルタですけれども、ジャカルタがどうなっているかというと、東京の三分の一くらいしか面積がない所に、1千万人ぐらい住んでいるのです。そして、周辺に3千万人ぐらい住んでいるので、世界一の交通渋滞・大気汚染と言われて、最悪の状況になっているのですよ。去年の8月に何言ったかっていうと、2024年にボルネオ島へ首都を移転する、です。しかし、本当に移転するのでしょうか。そもそも、この人がずっと大統領で居続けるのかもよく分からないのですけれども、これから一体どうなるかちょっと楽しみという所ですよね。

最近の人気国として、ベトナムとかミャンマーがあります。ベトナムはご存じだと思いますけど共産党の一党支配ですよ。中国と同じ共産党支配なので中国と親しいわけですけれども、米中貿易戦争のため中国で作ってアメリカに輸出してしまうと関税がかかるというので、とりあえず販売拠点は中国に置いたままだけど、製造拠点はベトナムに移すかというような企業が結構出てきています。それから、過去にASEANで自動車を作るという試みは何度もあり失敗の連続だったのですが、ベトナムのビン・グループによる挑戦が始まりました。マレーシアのプロトンとか、インドネシアのティモールとか、アジア各国は国産車を是非作りたかったのです。自動車産業は裾野が広いので、ちゃんと自分の国で作れたら物凄い産業が立ち上がるという事で、皆頑張りたいわけです。ところが、マレーシアのプロトンは、中国の吉利自動車に売却されちゃってもうありません。また、インドネシアのティモールは生産終了しました。今回、ベトナムのビン・グループというベトナム最大のグループが、自動車産業をやるぞと去年の6月くらいから自動車の製造を開始しました。4千億円ぐらい投資して、ドイツに工場を作ってもらったり、イタリアにデザインを見てもらったりして、中々良い物を作ろうとしたのですけれど、どのくらい売れたかというと去年半年で1万5300台、国内シェアにして3%くらいです。折角国産車作ったのにそれしか売れないのというのが今の状況で、お金に困ってしまって資金調達が必要です。しかし、ベトナムにそんなお金はないだろうという事で、タイバーツ社債を発行しようとしたのです。ドルやユーロとかではあまり知られてないし無理があるが、アセアンの中であればいいじゃないかと。普通は自国の通貨で社債を発行するわけです。ところが、そんな金融市場がベトナムにはありません。そこで、ASEANの経済の中心であるタイでバーツ社債を発行して資金調達をしようとしています。これは先の話なので、本当に出来るかどうかまだ分からないのですけども、どうなるかちょっと楽しみな状況ですね。

ミャンマーには、ノーベル賞を受賞したスー・チーさんがいます。ところが、ロヒンギャ族の人権侵害でちょっと悪い噂が色々立ち始めています。ミャンマーの軍隊がイスラム教のロヒンギャを虐めた結果70万人のロヒンギャ族がバングラデシュに逃げたので、これは国際的な人権侵害事件だと言われています。スー・チーさんは色々言い訳しているのですけれど、中々説得力がないという状況です。

今日のまとめです。ASEANがAECという一つのコミュニティになろうとしたわけですけども、皆それぞれの事情があってそう簡単にはなりません。ゆっくりと一つの地域になるべく関税を引き下げたり、自分の所の企業を他の国に行くような事が始まっているのですけれども、それぞれ政治的な理由もあって中々思うようには進んでいないという状況です。

分野: 財務戦略 |スピーカー: 村藤功

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