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ロジスティクスの効率化②

星野裕志 国際経営、国際物流

20/02/20

昨日は、世界各国の貿易・物流の効率性を評価する世界銀行のロジスティクス・パフォーマンス・インデックスでは、2018年に世界5位と高く評価された日本ですが、労働力人口の減少、e-コマースなど顧客の需要の多様化と高度化の中で、ほしいものがいつでも手に入ると言った今までのような利便性の高いシステムを維持するのは限界に来ているかもしれないという話をしました。

税関や国際輸送、輸送に関わるインフラストラクチャーやロジスティクスの能力など、6分野による総合評価で、首位のドイツとヨーロッパ3カ国に次いで、高く評価された日本ですが、大きな壁が立ちはだかっています。

日本全体の少子高齢化による生産人口の減少だけでなく、今でも高齢化が進み、若い人のなり手の少ないトラックドライバーの確保は、大変重要な課題になっています。日本の物流の多くはトラックが担っていますから。空港や港や倉庫などの作業も同様に深刻です。

さらには、消費者の需要の多様化や高度化の傾向は、ますますほしいものをほしいときに求めることになります。それは企業や店舗だけでなく、e-コマースの一層の進展を促すことになり、それを支える宅配便が必要になりますが、その状況はすでに厳しい状況を通り越しています。

この大きな課題に対して、小手先のことでは解決が難しく、ロジスティクスにおけるイノベーションが必要と昨日も指摘しました。でも、このロジスティクスの分野において、抜本的な解決が期待できるような大きな革新的な動き、イノベーションは、この40年近く起きていないと言っても良いかと思います。

例えば、ロジスティクスの分野でいうイノベーションとはどういうことでしょうか。ビジネススクールの講義でよく取り上げるのですが、今のグローバルなサプライチェーンを支える仕組みは、20世紀の半ばにほぼ確立されていたと思います。

1つ目は、1960年代から本格化してきたコンテナによる貨物の輸送、コンテナリゼーションです。この生鮮品でも製品でも、世界のどこからでもコンテナ輸送することが、世界の経済を拡大し、地球を小さくしたと言われています。

2つ目は、1970年代に導入されて、航空業界だけでなく、海運、陸上輸送など多くの業界が導入したハブアンドスポークシステムです。貨物をハブと言われる拠点に集約して、広範囲に張り巡らせたネットワークで、目的地に輸送する効率的なシステムと言えます。

3つ目は、この2つのシステムを合わせたインターモーダル輸送と言われる複合一環輸送のシステムです。先ほどのコンテナに入れた貨物を船や鉄道やトラックで、最終目的地まで安全確実に、リレー輸送することです。これも1980年ごろまでには、アジアと北米やヨーロッパとの間に、導入されていました。

これらの新しいシステムは、すべて40年以上前には完成していました。その後は1980年代から90年代の半ばまでに起きたICT、情報技術の発達によるシステム化の影響はあるかと思います。

ロジスティクスの分野の著名な研究者であるミシガン州立大学のDonald Bowersox先生は、1990年台を「ロジスティクスのルネッサンス」と呼びました。パソコンを筆頭に情報技術がこの頃に急速に進化したために、モノの流れをシステムで管理という発想が出てきました。サプライチェーン・マネジメントというシステムも、考え方もまさにこの頃から、導入されてきました。

それでも先ほどご紹介したコンテナ輸送、ハブアンドスポークシステム、インターモーダル輸送というロジスティックスの革新に比べると、インパクトはそれほどでもないかもしれません。イノベーションが、その後起きていないと言っても良いと思います。そんな中で、最近「ロジスティックス4.0」ということが、言われるようになりました。 AIやロボット、自動運転などのIoT(インターネットを通じてモノがつながるという考え方)による省人化や効率化の考え方です。

AMAZONによるドローンによる配達とか、ロボットが倉庫内の商品を管理すると言ったことをニュースで見ることも多くなってきました。ベルトコンベヤーに機械が商品を載せることや仕向地別に、機械がデータを読み取ることは、かなり一般的になってきましたし、自家用車だけではくトラックの自動運転の実験も行われています。

これらのIoTの導入によるロジスティクスの分野におけるイノベーションの第4段階が、「ロジスティックス4.0」と呼ばれています。

これらの最新技術が、早く実用化されないと、モノの流れの増加に到底追いついていかないということになります。

今日のまとめ:
今日は、モノの流れがますます増大していく中で、それを支えるロジスティクスのイノベーションについて話しました。コンテナ輸送、ハブアンドスポークシステム、インターモーダル輸送という40年以上前に導入された技術革新に、IoTによる省人化と効率化を目的とする「ロジスティックス4.0」と言われるイノベーションが早期に実用化されないと、とても対応できない状況にあることを説明しました。

分野: 国際ロジスティクス 国際経営 |スピーカー: 星野裕志

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