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ロジスティクスの効率化①

星野裕志 国際経営、国際物流

20/02/19

今日はロジスティクスに関わる少し大きなお話から始めたいと思います。

ロジスティクスとは、この放送の中でも何度か説明してきましたが、原材料の調達から商品の生産、最終的に顧客に届けるまでのものの流れ=物流を管理することです。

それはスーパーで購入する日用品でも食品や、家電品などの商品もそうですし、ガソリンスタンドで給油するガソリンも同様です。そのプロセスには、荷物を梱包する、倉庫に保管する、トラックなどの輸送機関に積み降ろしする、輸送する、情報を管理するなどの様々な活動が含まれます。

国内だけではなく、海外からくるものも少なくありません。日本がほとんどを海外に依存する天然資源や食料だけではなく、日本国内で生産される商品の原材料の多くも、海外から輸入されていますから。またそれは輸入だけではなく、日本企業が日本から海外の顧客にも販売していることから輸出も同様です。

世界銀行では、ここ10年近く2年ごとに、ロジスティクス・パフォーマンス・インデックス(Logistics Performance Index)という世界各国の貿易・物流の効率性を評価しています。これは、税関や国際輸送、輸送に関わるインフラストラクチャーやロジスティクスの能力など、6分野による総合評価です。

最も最近に公表された2018年の調査結果によれば、日本はドイツ、スエーデン、ベルギー、オーストリアに次いで、堂々の世界5位に評価されていました。特に、道路、港湾、空港や交通機関などの輸送のインフラストラクチャーに関しては、トップのドイツに次ぐとても高い評価を受けたと言えます。

宅配便の便利さや、新鮮な食品がふつうに手に入ることをあたりまえに考えてしまいますが、やはりそれらを可能にする高度な仕組みがあるからということです。ほしいものがいつでもどこでも、あるいは短時間のうちに手に入るということは、日本には高度なロジスティクスを支えるハードとソフトがあるからと言ってよいかと思います。

それが今非常に厳しい状況にあると考えられます。2016年に国土交通省が、国際競争力の強化、消費者の需要の高度化・多様化向けた貨物の小口化・多頻度化等への対応、環境負荷の低減、流通業務に必要な労働力の確保への対応を目的として、「物流総合効率化法」という法律を作りました。

例えば、さきほどこの法律が制定された理由のひとつとして、「消費者の需要の高度化・多様化向けた貨物の小口化・多頻度化等への対応」と「流通業務に必要な労働力の確保」ということを挙げました。

まさにオンラインショッピングなどのe-コマースがますます進展しているなかで、小さなものでも注文すれば、2日以内には届くのが当たり前になっています。完全に僕たち生活の中に、このようなシステムが組み込まれていますよね。一方で、e-コマースを支える仕組みは、労働力人口が減少し高齢化の進むトラックドライバーの対応能力の限界に来ていると言っても良いと思います。

最近遅れていた日本のキャッシュレス化が、様々な企業の参入で、急速に進んでいます。同時にe-コマースがさらに拡大していくと、どのように購入した商品を届けることができるのか心配になります。

さきほどご紹介した「物流総合効率化法」では、非効率的な輸送網の改善、輸配送システムの共同化、大量輸送機関の活用のモーダルシフトの取組みの促進を図っています。

例えば食品業界などの同業者間やあるいは業界を超えての共同で輸送するシステムを構築することや、ひとりのドライバーが一台を運転するトラックに替えて、貨物列車やフェリーと言った大量輸送機関に貨物をシフトしていく考え方です。

一層の効率化を進めるということですが、おそらく抜本的な解決にはならないかもしれません。解決に向けては、ロジスティクスにおけるイノベーションが期待されるところですが、この40年近くこの分野に大きな革新は起きていないと言っても良いかと思います。

今日のまとめ:
世界各国の貿易・物流の効率性を評価する世界銀行のロジスティクス・パフォーマンス・インデックスでは、2018年に世界5位と高く評価された日本ですが、労働力人口の減少、e-コマースなど顧客の需要の多様化と高度化の中で、今までのような利便性の高いシステムを維持するのは限界に来ているかもしれません。

分野: 国際ロジスティクス 国際経営 |スピーカー: 星野裕志

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