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能力開発が上手な人

村尾佳子 リーダーシップ開発、倫理、価値観

20/02/14

今日は、「能力開発が上手な人」について考えます。
去年、一昨年ぐらいから「学び直し」や「黒字リストラ」などが話題になり、能力開発の市場が非常に活発になっています。その背景には、従来の「新卒一括採用」をやめて「通年採用」へと移行する企業が出てきていることがあります。「通年採用」になると、中途採用の市場と新卒採用の市場が交わることになり、一定の能力がないと採用してもらえないということが今後、起こってくるということを示しています。当然それ以外にも、終身雇用や年功序列制度の崩壊により、能力に応じた給料が支払われる時代になったこともあり、能力によって給料が減るかもしれない状況になりました。今後は、給料を減らす代わりに副業を解禁にして、不足分は副業で稼ぐという事態があちこちで起こってくるわけです。こうした時代の変化を受けて、「雇ってもらえる能力」に注目が集まってきています。

日本は、これまで企業内でのOJTが中心だったため、自分で外部の能力開発をするという癖がありません。能力開発をどうやって考えたらいいのか分からないということが多いのが現状です。よくある失敗パターンとして、最近「資格取得」の勉強を始められる方が多いです。プログラミング教育が義務教育の中に組み込まれたこともあり、プログラミングをやっておかないと焦っておられる方もいらっしゃいますが、そういう流行りのキーワードに飛びついてしまうと非常にもったいないです。確かにプログラミングは子供の教育には大事ですが、一定の社会人にとってこれからプログラマーになるぐらい本気であれば別ですが、少しかじるぐらいでは全く意味がありません。「副業出来たらいいな」くらいの気持ちで始めても、実際に副業ができるほどのスキルを身に着けるためには、200時間以上のトレーニング必要で、少し勉強したくらいでは自分の能力にはなりません。実際、私も年末にプログラミングの集中コースに行きましたが、私の目的は、別にプログラムを書けるようになることではなく、今後エンジニアやプログラマーの方とお話をしながら一緒に仕事をするために彼らが使ってる言葉を理解したい、彼らがやってる世界観を理解したいという所が目的でした。このように目的が明確でないと、その学校に行ってひたすらコーディングをしても、それが本当にゼロから自分で書けるようになるには200時間の世界が待っているわけです。「流行っているから」という動機だけでは続かず、お金も時間も無駄にしてしまうことになりかねません。そんなことも含めて、正しく自分の目的と能力開発をセットで考えて始める必要があります。

「目的」とは何かと言うと、自分の強みはここで、この先自分はこういう所で専門性を立てていきたいからこういう専門能力をもっと磨こう、あるいは極端に最低レベルに達してないからそこを上げたら全体的に引き上がる、など自分の目指すキャリアの方向性が明確にあり、それに対して自分のどの能力を伸ばしていったらいいのかを考えています。目的と能力開発はセットになることがマストです。
なぜか日本では不況になると資格を持っていた方が再就職しやすいという話になり勉強する人が多いのですが、本当に雇ってもらえる力に繋がっているのでしょうか。そんな時間があるのであればもっとこっちをやっておけばよかったということにならないように、目的は何なのか、それに対してどのような方向があるのかを考えた上で自分に合った方向を考えることが大事です。

例えば、方向を考える際に、「英語の力を伸ばしたい」と考えるのではなく、「英語の何の力を磨きたいのか」という具体的な能力をイメージしてください。それは話す能力なのか、聞き取る能力なのか、実は全くそういった能力ではなくとりあえず相手との信頼関係を作れるくらいの簡単な英語力でいいのか。

目的によって全くやり方が変わってきますよね。相手との関係性を作るのが目的であれば、英語力よりもまずは初対面の人と仲良くなる力の方が必要かもしれません。また、ビジネスの中ではコンテンツそのものの方がよっぽど大事ですから、表面的な言語はあくまで表現手段の1つにすぎません。それよりも「何を伝えるか」という中身の方がよっぽど大事です。様々な能力開発のオプションがありますが、本当に自分の目的に沿った正しいものを選べているかも含めて正しい能力開発の仕方、正しいキャリア開発を考えていきましょう。

これまで日本の教育には、キャリアを考えるという内容はありませんでした。従来は新卒一括採用で一つの会社に入って終身雇用。その会社の中でその会社に必要な固有の能力をオン・ザ・ジョブ・トレーニングで身に着けるということがスタンダードでした。そのため、自分で次のキャリアを考えなくても、会社の人事が能力に応じてキャリアパスを描き、「次はこういう能力開発してください」と研修を用意してくれていました。全て受動的であっても何とか生きていくことができたわけです。他国では、将来どういう仕事に就きたい、どんな生き方をしたいかということを小中高大の中で体系的に考える時間がありますが、日本にはそういった教育が丸っと抜け落ちています。今になって突然「学び直し」の重要性を突き付けられ、会社はもう面倒をみないから自分でやってねと言われているというのが今の時代です。まずは落ち着いて自分のやりたい方向性、どういう能力開発をしていくのが大事なのかを考えて、どんなやり方があるのかを知識として探して、その中から自分に合ったやり方、自分の特徴に合った学び方を探していきましょう。

では、今日のまとめです。
能力開発が上手な人は、そもそも自分の将来、どういうキャリアを歩みたいのかというキャリア開発の前提があり、その上でどういう能力が必要なのかをきちんと理解して開発手段を持っている人です。まずはいきなり飛びつくのではなく、そもそも「どういう自分になりたいのか」というビジョンから考え始めることがとても大事です。

分野: リーダーシップ開発/倫理/価値観 |スピーカー: 村尾佳子

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