QTnet モーニングビジネススクール

QTnet
モーニングビジネススクールWeb版

FM FUKUOKAで放送中「QTnet モーニングビジネススクール」オンエア内容をWeb版でご覧いただけます。
ポッドキャスティングやブログで毎日のオンエア内容をチェック!

PODCASTING RSSで登録 PODCASTING iTunesで登録

タグ

QTnetモーニングビジネススクール > タグ一覧 > タグ社会心理学・組織心理学

化粧の効果

三上聡美 産業組織心理学、社会心理学

20/02/13

今日は、「化粧の効果」についてお話します。
化粧の研究になると、どこからが化粧なのか。例えば、「化粧水をつける」といったスキンケアから化粧というのか、「下地やファンデーションを塗る」ところからが化粧なのかという議論になりますが、今日は「ファンデーションから重ねていく範囲の化粧のお話」です。

みなさんは、お化粧で気を付けていることはありますか。
身だしなみとして、「相手に不快な思いをさせない程度のお化粧」をと心がけていらっしゃる方も多いかと思います。過度にしすぎずナチュラルに見えるようにということや、TPO(時と場合)に合わせたメイクも大事ですよね。

お仕事をされている方はほぼ毎日お化粧をされていると思いますが、お仕事をされていない女性も日々の身だしなみとしてお化粧をされている方は多いと思います。では、なぜ女性は化粧をするのでしょうか。

1つには「身だしなみ」、それからやはり「いつまでも美しくいたい」という心理、「色んなものを隠したい」ということも年齢とともに出てくるのかと思います。理由は様々だと思いますが、今回大きな1つとして、「外見的な魅力を高めるため」ということについて考えてみたいと思います。

ファンデーションで顔の色を明るくしたり、または赤みが目立つ人とかはトーンを落としたりする。そうすることで健康そうな顔色にしたりしわやニキビを隠したり肌の肌理を整えることによって綺麗な肌を作ると思います。そうすることで年齢が若く見えたり美人になったりして外見的な魅力は向上していきます。最近では男性もメイクをする方がいます。美容室に行くと、最近は「男性の方が美意識が高い」と聞くことがありますが、全体的に見るとメイクをしている男性の数は女性ほど多くないのではないでしょうか。男性が女性に比べてメイクをしない理由は、外見的な魅力の効果を必要としていないからだと考えられます。イケメンはもちろん素敵ですが、男性の魅力は「経済力」や「社会的地位」、あとは"筋肉質"のような「がっちりした体」であるとされています。

では、どんなメイクが外見的な魅力を向上させるのでしょうか。ここでナンシー・エトコフという人が行った研究をご紹介します。

この実験では、20~50歳の女性にメイクをしてもらいました。「すっぴん顔」、「ナチュラルメイク顔」、「グラマラスメイク顔」になってもらい、顔写真を色んな人に見せて評価をしてもらいました。その結果、「すっぴん顔」よりも「ナチュラルメイク」、「ナチュラルメイク」よりも「グラマラスメイク」と、メイクが濃くなるにつれて魅力度が増加しました。しかし、その一方で「好感度」や「信頼性」といったものは「グラマラスメイク」よりも「ナチュラルメイク」の時に高くなるという結果になりました。

メイクは、外見的な魅力を上げる効果を持ちますが、ある意味仮面を付けた状態になるため、その人の本当の情報が隠されているという印象を受けてしまいます。そのため、メイクがその人の印象全体を良くするとは言えないのかもしれません。

次に、メイクする人自身の効果について考えてみたいと思います。みなさんはメイクをする前とメイクアップ完了後では、自分の中で何か変わることはありますか。

やはり家でごろごろしているモードとは違う、どこか「やるぞ!」というスイッチが入り、元気が出たり自信がでたりするかと思います。メイクをすることは、自分自身に対して肯定的な感情を持つという結果が出ています。

トーマス・キャッシュという人が行った研究では、女性にすっぴん状態の時とメイクをした時の自分の顔や体についての満足度を9段階で評価をしてもらいました。研究の結果、メイクをした後では「私キレイになったわ」というような自分の顔に対する魅力の評価が大きく上昇し、自分の顔に対する満足度も上昇して、少しですが体の満足度も上昇したそうです。自分にとって大事な日はメイクにも気合いが入ったり、逆にメイクが上手くいかなかった日は気分もブルーになって仕事に力が入らないという日もあるのではないかと思います。このように、メイクはメイクをする人たちに影響を与えているものではないかと思います。

また、病院で長く入院している患者さんや高齢者の方にメイクをすると、その人たちが元気になるという話もあります。病気が完治するわけではありませんが、入院するとベッドで寝ている時間が多いため、行動や気分の変化がないと思います。そういう時こそメイクをすると、病気や薬の副作用でちょっと暗くなった肌の色が明るくなり、患者さん自身の気分も上がるそうです。メイクとは全く関係ありませんが、私の母が入院していた時に、事情により入院着がきれず、自分の服を着ていました。その時の洋服は、私がお店で買って病院に持って行ったのですが、母の年代にしてみたら私の選ぶ服の色が明るめだったようで、リハビリの時などに目立ってしまい、服選びに失敗したかなと思ったのですが、その時のリハビリの先生や看護師さんから「明るい色は気分が上がるね」と言われて「なるほど」と思ったことがあります。病気とメイクについては最近注目されるようになってきており、ある化粧品会社のサイトには、患者さん向けのメイクの方法がのっています。またメイクと心理カウンセリングを行う「メイクセラピー」という取り組みもあるそうです。

では、今日のまとめです。
今日は「化粧の効果」についてお話しました。化粧をすることは外見的な魅力を高める効果がありますが、その人の全体的な評価までは上昇しません。しかし、化粧をする人自身は、化粧をすることで自分に対する評価が高くなります。化粧は人に影響を与える行為であると言えます。

分野: 社会心理学・組織心理学 |スピーカー: 三上聡美

トップページに戻る

  • RADIKO.JP
  • ビビックスマホ