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経営者の群像③:「リーダーシップは細部に宿る②:YHのお話」

廣瀬 聡 企業家リーダーシップ

20/01/13

様々な経営者の方をご紹介するシリーズ、今回はグロービスの学長である堀 義人さんについてお話します。

私がフルタイムでグロービスに加わるようになったのは2016年のことです。入社するからには堀さんのことをよく理解しておきたいと思い、私は一計を案じて入社するまでの1カ月半の間、堀さんが学んだ囲碁の先生について囲碁を学びました。堀さんが学んだと言われている囲碁教室に行き、レッスンを担当された方にプライベートレッスンをお願いしたところ、快く5回のレッスンを引き受けてくださいました。その時に私は、囲碁を理解したいという思い以上に、堀さんという人物をより身近で客観的に見た人から話を聞くことにより、堀さんが育ててきた組織を理解したいという思いがありました。

実は、私はこれまでにもこうした手法を使って会社を理解しようと試みてきました。例えば、コールセンターの役員になる際には、競合他社のコールセンターにわざと電話をして苦情を言って反応をみたり、自動車メーカーと仕事をする時には、その会社のカーディーラーに行って、何気なく顧客を装いながら車を運転してみたり、販売員に「最近どうですか」と聞くということをしていました。本当に現場の人の声は参考になると感じています。

今回は一通り囲碁を学びました。一般的に碁盤は縦横19×19で出来ており、十九路盤と言います。最初は9×9から練習を始め、2~3回目ぐらいから先生と対決を始めます。1つの対戦をした後に、一手目から「廣瀬さん、どうしてこういう手を打ったんですか」「先生がどう打ったか覚えていますか」「何故そう打ったと思いますか」という議論をしていきます。正直に言うと、2~3週間の段階では9×9で始めて10手目ぐらいまでは覚えていますが、そこから先はだんだん朧気になっていました。そこで、先生に「同じ時期の堀さんはどんなレベルでしたか?」と質問してみました。すると、同じ時期に堀さんであればもう十三路盤の実践練習をしていて、1週間前の対局の全ての手を覚えていた、と言われました。
私はその話を聞いて本当に心底ありえないと思いました。ひょっとしたら積んでいるエンジンが全く違うのではないかとも思い、先生に正直にそう聞いてみました。すると先生は落ち着いて、「堀さんは一手毎に明確な意味を持たせて打つということを実践していました。相手の打ち手も常に理解し、分からない時には一手一手をメモしていました。そして、対局後やレッスン後にはそのメモを振り返っていましたよ。そういう姿勢があったから、囲碁の打ち手としての堀さんの成長は非常に速かったです。一手一手に意味を持たせる、それをメモする、それを振り返る、当たり前の事をやっていただけですよ」と言われました。

その後、私はグロービスにフルタイムで入りました。そこでグロービスの堀さんが理念などをまとめた門外不出スタッフブックと出会うわけですが、見事にグロービスという組織、部屋のレイアウトから建物の階段の位置まで、すべてがそこに書かれた理念通りに出来上がっていることに気づきました。そして、囲碁と同じではないかと思いました。
経営者は、ある意味で本当に覚悟を持った人たちだと考えています前回お話ししたスティーブ・ジョブズもそうですが、オフィスの環境、壁の色、絵の掛け方、絵の内容、一つ一つに拘りを持ち、自分がどうあるべきかをキチンと考える。心の中に一本の筋が通っているからこそ、判断はブレないのだと感じました。囲碁という世界においても、やはり一本通して自分の考え方や理念を持つことが一手一手にも繋がってくるのかもしれません。
人は考えを極めていくことで、とても大きな可能性を持った存在であるということを、私は前回のスティーブ・ジョブズの話や、堀さんの話からも感じています。実は、リーダーというのはそういった覚悟、決断、思いを、とことん尽くしていかなければならないのではないかと思います。

分野: 企業家リーダーシップ |スピーカー: 廣瀬 聡

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