QTnet モーニングビジネススクール

QTnet
モーニングビジネススクールWeb版

FM FUKUOKAで放送中「QTnet モーニングビジネススクール」オンエア内容をWeb版でご覧いただけます。
ポッドキャスティングやブログで毎日のオンエア内容をチェック!

PODCASTING RSSで登録 PODCASTING iTunesで登録

タグ

先端技術導入の戦い

村藤功 企業財務 M&A

20/01/15

今日は、先端技術導入の戦いという話をしたいと思います。AIが導入されてくると、人間とAIやロボットはどうやって役割分担するかという問題が出てきます。まず、法的責任はどういうものでしょうか? 人間には自由な意思決定があり、意思決定をするとそれが評価されて必要に応じて責任を取らされるのですが、AIだと責任の所在がよく分かりません。インプットしたものがブラックボックス経由でアウトプットだけ出てきます。意思決定だとか意思決定の評価とかが無いとすれば、どうやって責任を取らせるのでしょうか? 民法や刑法は、評価可能な意思決定をする人間を想定して作られているのでAIが意思決定をすることになると責任の取らせ方が問題になります。

AI人材の育成という問題を前にも話しましたが、プログラムを作れる人をそんなに沢山育てられないわけです。教える人は100人ぐらいしかいないという話をしましたけど、プログラムを作れる人は2,000人ぐらいです。ただし、プログラムを使えればいいという人は、25万人ぐらい育てようという話をしています。そうすると、大学や高専の全体で1学年に50万人ぐらいいるのですが、この人達には誰かが作ったプログラムを使える教育をしなければなりません。これからだんだんそれがメインになってくるでしょう。

ところで、5Gは今までの4Gを上回る超高速・超大容量で、低遅延の通信技術です。超高速で4Gの100倍だとか、同時多数接続も4Gの100倍。それから、情報伝達の遅れるのが4Gの10分の1で済むという技術です。速いので、高精密画像やデジタル地図、カメラとかセンサー等のデータを凄いスピードで送ることができます。色々な所から沢山送られたデータは、AIにフィードしなくてはいけません。クラウドだとかエッジにあるAIにデータを送るという事が、同時多数接続でまず可能になります。今までの10分の1の低遅延でできるのですが、何でこれが重要かと言うと、10分の1になると人間の神経と同じぐらいになるのです。人間と同じぐらいだという事は、自動運転車で外のデータに対してAIが判断する時に、人間と同じぐらいの判断ができるという事です。もし、これが遅れると、どうやったって人間の方が本当は良いという話になります。5Gになって初めて低遅延になり、自動運転車が可能になるかもしれないという状況になってきているのです。

そして、ARとかMRといったアルファベットのRがつく技術が色々あります。VRというのはVirtual Realityの事です。ARがAugmented Realityで、MRがMixed Reality。リアリティと言うからには、きっと、現実に関係あるけれど現実だけではないのかなと思うわけです。ヘッドマウントディスプレーというゴーグルみたいなのを装着すると、Virtual Realityという仮想現実をみることができます。全て仮想現実のみの場合をVRと言います。現実をメインとして、現実の上にデジタル情報を見る場合、これは現実をデジタルに拡張するという事なのでAugmented Reality(AR)と呼びます。逆に、Virtual Realityの上に現実を重ねるという技術をMixed Reality(MR)と呼びます。現実メインにデジタル情報を持ってくるARと、Virtual Realityの上に現実を持ってくるMRがあり、どちらがメインかという違いがARとMRの違いです。センサーとかカメラとかデータベースからのデータが、AIを置いてあるMEC(Multi access Edge Computing)に流れてきて、MECでロボットや車とかドローンをコントロールするというような、スマート社会が今始まろうとしているのです。

最近は、量子コンピューターもあります。Googleがこの間、凄いのを作ったのですけど、スパコンで1万年かかる物を量子コンピューターで3分20秒で計算できるようにしたのです。これはスパコンの15億倍のスピードです。IBMも「量子コンピューター」を作っていて、随分前からクラウド経由で開放して色々な人達が使っています。しかし、まだ完成された物ではなくて色々問題含みなので、東大と一緒に研究しようみたいな事を言っています。量子コンピューターを1台東大に持ち込んで共同研究しようという話になっています。量子コンピューターで15億倍の計算速度になると、何が出来ると思いますか? 凄い速度で大量のデータを同時並行的に処理できるのですが、そうすると、世の中はどう変わるのですしょうか? 例えば、新薬が開発できるとか、新しい素材が探索されるとか、それから物流が最適化され、都市部の渋滞が解消されるとか、画像や言語処理が綺麗にできるとか、金融市場の予測がより精緻にできるとか、色々な事が出来るわけです。ただ1つ怖いのは、今のパスワードのセキュリティがあっという間に破れるという点ですね。そして、使える量子コンピューターを真に開発できた国が世界の覇権を握るという話になりつつあります。日本もそれはまずいので、量子コンピューター開発に参戦したという状況です。

今日のまとめです。AIの時代を迎えて、責任の所在の明確化や、AI人材の育成が必要になっています。5Gの時代が始まり、これからセンサーとかデータベースから現実にデータとか解決方法を表示して現実を拡張(AR)したり、AIを置いたMEC(Multi access Edge Computing)がロボット、車、ドローン等を制御したりするスマート社会が始まるでしょう。一方で、量子コンピューターは実用化にはまだ20~30年はかかると言われているのですけど、これがどうも将来の国の覇権を左右しそうになってきたという状況です。

分野: 財務戦略 |スピーカー: 村藤功

トップページに戻る

  • RADIKO.JP
  • ビビックスマホ