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インバウンド客の誘致①

星野裕志 国際経営、国際物流

20/01/16

今日は海外からの来訪客=インバウンド客の誘致について話したいと思います。日本政府が、2003年に訪日外国人旅行者の増加を目的としたプロモーション活動として「ビジット・ジャパン」を始めて以来、インバウンド客は順調に増加してきました。2003年にはわずか521万人でしたが、昨年は約3,120万人の来訪でしたので、15年間で6倍近くの増えたということになります。この勢いで、東京オリンピックの開催される2020年には4千万人の来訪を期待していましたが、ここで急に陰りが出てきました。8月の来訪客は、昨年同期を2.2パーセント下回る252万人だったようです。この数字だけを見るとそれほどの大きな落ち込みには感じられませんが、福岡は高速船やフェリー、LCCなどで、韓国からの来訪者が多いですし、韓国に近い九州となると、日本全体以上に深刻な状況と言えると思います。以前に二国間の緊張関係で、中国から日本への団体客が来なくなった時期もありましたが、今回の韓国の問題といい、観光にこれほど政治的な影響があるとは、予想をはるかに超えていたと思います。

報道によると、ホテルや観光事業者にとって、夏休みのピークシーズンにも旅行者が来なくて大変な状況とのことでした。そんな中で、今回は昨年の夏に行った台湾人旅行客誘致を目的としたプロジェクトについて、話したいと思います。これは韓国との間で、このような緊張関係の影響が出ると想定したわけではないのですが、この3年間の国立台湾師範大学の友人との共同プロジェクトの一環として、2019年8月から9月の5週間に、奄美大島を対象に行なったプログラムです。

まず台湾からの訪日観光客について、少しお話ししたいと思います。台湾の人口2,359万人の内、昨年は5人にひとりの476万人が日本に旅行に来られています。それは台湾の人たちにとって、中国本土以上に旅行の目的地として、ナンバーワンとのことです。昨年海外旅行をしたひとの29パーセントが日本、25パーセントが中国本土、3番目は香港の10パーセントですから、どれだけ日本に来られているかということになります。

なぜ日本がそれほどに選ばれるのかというと、距離的に近くてLCCなども多いために価格が安いこと、安全なことや公共交通機関が発達しているので移動が楽であり、食や文化の親近性が理由として挙げられるようです。何よりも驚くには、81パーセントがリピーターで何度も来られているようです。この夏だけで、20回以上日本に来られている台湾の人に、2人もお会いしました。

ところでLCCの定期便などがあって価格が安いので、九州にも来訪者は多いものの、本当のところそれほど九州は目的地として人気があるわけではないそうです。つまり、雪の北海道や、ディズニーランドのある東京と周辺、富士山、京都は定番で人気の目的地ではあるものの、九州観光のウリにする温泉や食は、台湾とそれほど変わらないので、魅力はそれほど感じられていないようです。

つまり日本の観光地がプロモーションする内容は、やはり日本人の視点からであって、必ずしも相手の求めるものとは違うのではないかと、2年前に台湾でディスカッションをしていて考えました。それでは、台湾にない魅力をもった九州を台湾人の目線で、台湾の人たちに紹介していただければ良いのではと考えて、国立台湾師範大学の大学院生2名とジャーナリストと映像プロデューサーの合計4名に、5週間奄美大島に滞在していただきました。これには奄美大島を中心に伝統的・伝説的な建築と集落と文化を次世代に伝える活動をされている奄美イノベーションの全面的なご協力を得て、台湾師範大学、九州大学との産学連携のプロジェクトになりました。

主な活動は、マーケティング、情報発信、意見交換、モデルプランの策定です。台北から近い沖縄には、大変な数の台湾人観光客が来られていますし、最近は台湾からのクルーズ船で沖縄や石垣島を訪問する人は増加しているようですが、奄美大島の存在は殆ど知られていないようでした。それが、今回の滞在でその魅力を存分に感じてもらえたようです。

今日のまとめ:
政府の「ビジット・ジャパン」のキャンペーンで、インバウンド客は順調に増加してきましたが、まだまだ九州では海外からより多くの観光客を呼びこむことが可能だと思います。観光客の動向にも政治的な影響があることを考えると、多様な取り組みも必要かもしれません。

分野: 国際ロジスティクス 国際経営 |スピーカー: 星野裕志

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