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ソーシャル・ビジネス②

星野裕志 国際経営、国際物流

20/01/01

ソーシャル・ビジネスとは社会的課題について、事業を通じて解決するというビジネスの形態です。社会的な意義とビジネスとしての成功のふたつの目的を両立させるビジネスモデルは、十分に存在し得ると説明しました。企業は単に利益を追求するだけではなく、社会的責任を果たすCSRから始まり、共通価値を創造するCSV、国連の掲げる持続的な開発のSDGsといった考え方が、企業の間でも浸透してきています。社会的な課題を解決するということについても、その方法は寄付や商品の無償提供といった慈善活動だけではありません。あくまでもビジネスを通じて解消していくということです。むしろ解消されない問題がそこには存在しているわけですから、解決する市場やニーズに対して企業が適切にアプローチをすることで、十分にビジネスになり得るということなのかもしれません。

10月に、九州大学ユヌス&椎木ソーシャル・ビジネス研究センターが主催するソーシャル・ビジネス・デザインコンテスト2019、(私達はYYコンテストと呼んでいますが)、のグランドチャンピオン大会が、東京で開催されました。これは、革新的なソーシャル・ビジネス創出を目的とするビジネスプラン・コンテストで、2012年から毎年開催されています。今年の4月に日本国内から応募の62チームの中から審査を行って、30チームを選定して、10月までの5ヶ月間にわたって4回のワークショップ参加と、専門的なアドバイスをいただくメンターがつきっきりになって、グランドチャンピオン大会に向けて優れたプランが練られていきます。

50チームの中から勝ち残った、学生の2チームと社会人の4チームをファイナリストとして、企業の経営者など9人の審査員の前で、プレゼンテーションがありました。おそらくこの説明をすると、より具体的にソーシャル・ビジネスとはどのようなものかを理解いただけると思いますので、グランドチャンピオンとなったチームを含めた2つのソーシャル・ビジネスについて少しご紹介したいと思います。

ひとつめは、「親子の休日革命」というタイトルで、親子が学びの時間と機会を共有することで、社会的な課題解決などの意識を高める仕組みでした。その発端になったのは、お子さんのスイミングスクールに付き添った時に、親たちはみなさん子供の泳ぐ姿ではなく、スマホの画面に釘付けになっていたというところからでした。親の学ぶ場面には子供は入れず、子供の学びを親が共有できない現状を解決することに、企業を巻き込んでいくという興味深い取り組みでした。そして、企業と地域を連携させる仕組みを年内に法人化をして、具体的なソーシャル・ビジネスとして発足させるとのことでした。

もうひとつの学生のグループのプランは、日本政府が外国人労働者の受け入れに向けて、大きく舵を切ったいまだからこそと思えるタイムリーなアイデアでした。それは様々な問題を抱える外国人の技能実習生に対して、受入企業と契約することで、日本語能力を高めていく取り組みでした。単に教育プログラムをウェブ上で提供するだけではなく、学生がメンターとしてサポートするシステムであり、その大学の日本語教育の先生、外国人の能力開発の協会、35人の学生メンターとも連携をとった優れたプランを既に作り上げられていました。日本語能力が十分ではないために、せっかく技術の習得のために来日しながら、その目的が十分に達せず、また様々な問題につながっていくことを少しでも解消できるプログラムだと思いました。この学生グループは東京の大学ですが、毎年同じゼミから応募があって、先輩が後輩を指導するという良い伝統ができていました。グランドチャンピオンは、来年の6月に開催のソーシャル・ビジネスの催しにご招待ということでしたので、この大学生チームは残念でした。

他にも、母子家庭の貧困を断つ仕組み、高齢化の中で介護疲れを少しでも解消する仕組み、発達障害のひとたちがaiの技術を身につけて自立するプログラム、自分の持つスキルを活用することで孤独から脱却することなど、日本の中で存在する多くの深刻な課題の解決に向けた取り組みは、とても興味深いものでした。このコンテストは2012年から行われていますが、既にここから50を超えるビジネスが生まれています。さらにビジネスとして離陸することを支援するべく、二ヶ月に一度九州大学の大橋キャンパスで、「SDGs ソーシャル・ビジネスネットワーキング・ラボ」という名称で、企業とソーシャル・ビジネスの交流の場を設定しています。

今日のまとめ:
社会的な課題とは様々です。そこに問題が存在するのであれば、それをチャリティではなく、より持続的な方法で解決するために、ソーシャル・ビジネスは有効な方法であり、多くのひとや企業や団体との連携で、最適な方法を模索することが行われています。

分野: 国際ロジスティクス 国際経営 |スピーカー: 星野裕志

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