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自動車産業再編

村藤功 企業財務 M&A

19/12/06

今日は自動車産業再編の話です。

以前、CASEやMaaS (Mobility as a Service)といった話をしましたが、ケースのCは、コネクテッドのCで、ネットに接続しているということです。Aはオート=自動運転、Sがシェアード=カーシェア、EがEV=電気自動車です。私は分離されて寂しい状況よりも世界にコネクトされている方がいいと思いますが、あまりシェアはしたくないので、自分の車を欲しいという気がします。自動運転は歳をとるにつれ、必要になるかもしれないけれど、自分で運転したいという気持ちもあるので、ある意味ハイブリッドもいいです。電気自動車は今まだかなり高いので、ガソリン自動車くらいに安くならないといけません。

さて、フォルクスワーゲンがID.3という車を11月に出したのですが、3~4割値下げして、ガソリン車並みにしようという計画を練っているところです。日産は電気自動車でリーフ等を出していますが電気自動車は実際2018年度で250万台です。これを2030年には2,100万台、2000万台にすると言っています。でも、それだけ普及する為には皆が作るようにならないといけません。自動運転車もレベル1とか2はともかく、レベル3、4、5は今はまだありません。レベル4は、人が乗っているかもしれないけど基本的に車が自動的に動いてくれます。まだ規制をみんなで考えているところで、プライスウォーターハウスによると2030年に自動運転車が8,000万台くらいは世の中にあるようになるだろうと言われています。ただCASEになると、色々なことが変わってしまうので、大手自動車メーカーも他と協力しないと競争できません。

IT業界はネットやコネクティッドからはじまって、自動運転車の研究をずっとしてきています。グーグルの子会社のウェイモというところが実証実験の走行距離では世界一です。アマゾンの子会社のオーロラも自動運転の実証実験を一生懸命やっているし、アップルはスタンフォードの先生たちが作った自動運転ベンチャー企業を買収しました。ルノー・日産自動車辺りはグーグルのウェイモと組もうとしています。ルノー・日産グループは世界の二番手です。一番がフォルクスワーゲン、三番がトヨタです。フォルクスワーゲンはもはや中国で最大の販売台数を稼いでいます。中国でアメリカのグーグルに当たる検索エンジンを提供しているのが百度(バイドゥ)です。アメリカではIT大手としてGAFA(Google, Apple, Facebook, Amazon)がありますが、中国のIT大手をBAT(バイドゥとアリババとテンセント)といいます。アリババとテンセントというのはEコマースではすごいのですが、百度(バイドゥ―)が自動運転車ではトップを走っています。フォルクスワーゲンとトヨタはアポロ計画を行っている百度(バイドゥ―)と組もうとしています。バイドゥは日本のゼンリンのように中国全土のデジタル地図を作っていますが、グーグルは中国に入れてもらっていませんので、ルノー・日産のようにグーグルと組むということは、中国はどうするんだということになります。フォルクスワーゲンは、自動車メーカーではフォードと手を組んでいます。トヨタは日本だとソフトバンクと組めばいいのだけれど、中国ではバイドゥと組もうとしています。そういう意味では企業も一人では心配なのです。イタリアのフィアットはルノーと組みたいと言ったところ、フランス政府に色々と無理難題を吹っ掛けられてルノーに断られたので、プジョーと組むことになりました。フィアットは以前アメリカのクライスラーが苦しいときに、クライスラーと組むことになったので、フィアット・クライスラー・プジョーは欧米を押さえています。でもアジアや中国ではほとんど販売できていません。とりあえずプジョーと組み欧米は抑えたけれど、中国やアジアではどうするのかというところです。

また、シェアードなどと言われ、シェアードになりつつあるため新車がどんどん売れなくなってきています。トヨタは「うちは車を作って販売するメーカーじゃなくて、サービスを提供する会社になる」というような事を言ったりしています。世界の新車販売台数が頭打ちになり、コネクテッドの自動運転電動車をシェアする(CASE)ということになると製造会社がサービス企業に変わらなければならなくなります。アメリカ市場も押さえないといけないし中国市場も押さえないといけない、それなりのマーケットシェアを新しい世界で勝ち取るためにはどうしたらいいか、という事で自動車産業は再編の時期に差し掛かっているというのが現状です。

今日のまとめ:
カーシェアで新車販売が減少する一方、ネットに5Gで繋がった自動電動車が普及しはじめる時代になりました。単独では技術も資金も対応できないという事で自動車業界に留まらない、世界的な連携が進み始めています。日本の国内ではトヨタとソフトバンクが組んでモネテクノロジーがMaaSのプラットフォームを始めましたが、世界中では自動車会社同士と自動車とIT企業との連携が進んできています。中国は、今年からNEV規制というのが始まり、最初は電気自動車でないとダメだったのですが各社の電気自動車の開発が遅れプラグインハイブリッドでもいいということになり、電気自動車化を急いでいたフォルクスワーゲンはショックを受けています。世界の自動車産業はCASEやMaaSの時代に適応するため再編し続けなければなりません。

分野: 財務戦略 |スピーカー: 村藤功

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