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新たな富裕層ビジネスの出現:会員制リゾート

岩下仁 マーケティング

19/12/03

今まで、アベノミクスで増加した富裕層、中でも金融純資産1億円以上を保有している人々を対象にした、超高級レストランや絵画などのマーケティングについてご紹介してきました。超高級レストランにせよ、絵画を販売する企業にせよ、これまでとは異なるユニークな取り組みやビジネスモデルを構築することで今日の富裕層の心をつかむビジネスを展開してきました。

今日はその流れで、富裕層へ向けたリゾートビジネスを取り扱う東急ハーベストクラブを取り上げたいと思います。この東急ハーベストクラブは東急電鉄グループの東急不動産が展開する会員制リゾートです。東急不動産では元々富裕層向けのリゾートとして別荘を販売してきました。しかしながら富裕層のニーズの変化とともに別荘販売だけでなく会員制リゾートへとビジネスを展開させたのです。リゾートに対する1990年代までの富裕層のニーズは、別荘を所有することによるステータスや別荘の資産価値だったのですが、2000年以降は必要な時に余暇を楽しめれば良い、あるいは余計な荷物を持たずに気軽に休暇に行きたい、と変化してきました。別荘を所有すると掃除や管理などの維持が面倒だったり、別荘にいない時の治安が不安というような顧客の意見もあり、これらのニーズに対応する為に東急不動産は別荘の販売の他に会員制リゾートへとビジネスの舵を切ったのです。

この東急不動産の会員制リゾート、東急ハーベストクラブですが、まず全国に18箇所ある施設からメインとなるホーム施設を1つ決めます。具体的に言うと、ある施設のリゾート会員権を数百万円から数千万円程度で購入することになります。購入すると年間30枚のチケットがもらえて、その枚数の分だけその施設1部屋を1日利用する事が出来ます。更に購入した施設以外の施設においても年間12回までは利用することが出来ます。さらにこのチケットは他の人にも譲渡することが出来ますので、ご友人や兄弟に使ってもらうことも可能です。年間の管理費がかかりますが、その分はマンションのように専門業者が管理していますので施設の修繕は不要で、施設が壊れたり老朽化しても自分で修理する必要がありません。また、お部屋も定期的にクリーニングが入りますので、シーツの取替や掃除も不要です。忙しい利用者にとってはリゾートに行ける期間が限られていますので、余計な荷物や準備がいらないのはありがたいです。

東急ハーベストクラブの代表的なものとして一番初めに創設されたのが旧軽井沢です。その他には熱海、蓼科、浜名湖、山中湖にあるようです。

東急ハーベストクラブの一般的な施設は、食事をするレストラン、そのレストランも2つに分かれていて、1つがビュッフェ形式、もう1つがいわゆるフランス料理などのコースの料理を食べられるようなレストランの2通りになっているようです。その他にも温泉は全ての施設に付いています。他にはいくつかの施設には温水プール、卓球場、散策のコースがあるような施設もあるようです。食事は有料ですが、温泉、プールなどは無料で全て提供されていると言われています。どの施設もかなり広いようですので、中で散歩をするような、そういった過ごし方をする利用者の方もいるようです。この東急ハーベストクラブですが、調べてみると会社単位で買って福利厚生として利用している企業もいるようです。

このようにメリットもある一方でいくつかの注意点も頭に入れておく必要があります。第一に繁忙期に需要が殺到する点です。ゴールデンウィークや年末年始はたくさんの人々が利用しますので、ほぼ毎回抽選になるようです。100%いつでも確実に使いたい時に使えるというわけではないようです。第二に会員権として所有権を取得していますので、毎年固定資産税という税金がかかってきます。これ以外にも先程述べた毎年の管理費がかかりますので、ホテルのように宿泊費のみを支払えばいいという事ではないようです。このようないくつかのデメリットあるようですが、クラブの会員数は年々着々と増えているようです。メリット、デメリットを両天秤にかけた時、メリットである利便性や、掃除が不要であること、こういったものが固定資産税のような税金を越える価値があると富裕層の方は判断しているようです。このような会員制リゾートは他にも、プリンスホテルがプリンス・バケーション・クラブ、リゾートトラストがエクシブを展開するなどじわじわと広がりを見せています。いずれも最低単価が500万円程度からと高額ですが着実に会員数を増やしています。

今日のまとめ:
・今日の富裕層の求めるものの1つとして、会員制リゾートがある。
・リゾートでは、休暇のみに集中し、食事や掃除に気を配らなくてよい。
・今後も、会員制リゾートは進化しそうである。

分野: マーケティング |スピーカー: 岩下仁

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