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幸福・成功のための哲学25積極性

岩崎勇 日本の会計、国際会計、税務会計、監査論、コーポレート・ガバナンス、西洋・東洋思想と倫理、経営哲学

19/10/23

 松下幸之助・稲盛和夫の哲学においては、「幸福」や「成功」が中心的なものとなっている。前者の幸福の例でいえば、例えば、松下幸之助では、「繁栄による平和と幸福」(Peace and Happiness through Prosperity=PHP)の研究のために、周知のように、「PHP研究所」を設立し、様々な活動を行っている。ここでは、幸福とともに繁栄と平和とが掲げられている。他方、稲盛和夫では、京セラの経営理念として、「全従業員の物心両面の幸福を追求すると同時に、人類、社会の進歩発展に貢献すること」として、物心両面の幸福を中心的なものとして考えている。

1 積極性の法則の意義
 人生の法則の第8は、「積極性の法則」である。これは、前述の「一切唯心造」や「因果律」の法則をより具体的に人生に適用した場合における人生に対する心身の正しい姿勢ないし生き方を示すものであり、気を充実させ、心身の態度を常に明るく前向きで積極的な状態で生き続ければ、幸せや成功をもたらす、というものである。

2 積極性の意義
 ここで積極性とは、どのようなことを意味するのであろうか。これに関して、通常、積極性というと消極性と対比されるものとして、消極的でないことと解される。この場合、両者の違いは、程度の差である。他方、ここで「積極性」とは、哲学的な意味での積極性を意味し、「人生におけるどのような状況においても、気を充実させ、心身の前向きで積極的な状態を崩さないこと」というものである。すなわち、これは、積極性という言葉は同じでも、一般的な積極性とは、次の点において異なるものである。
㋐ 生き甲斐のある幸せな人生を送るために、常に心身ともに積極的に行動すること
㋑ 苦しみから解放されて幸せな人生を送るために、常に憎(にく)い、悲しいなどという消極的(ネガティブ)なことを考えないこと。
 このように、ここでの積極性は、文武両道的に心と身体の双方を常に前向きで積極的な状態にするように努力すると同時に、私的な感情の側面において消極的ではなく、常に積極的なことのみを考えるようにするという点において、一般的な積極性とは全く異なっている。

3 積極性の論拠
 この積極性が必要とされる主な論拠として、次のようなものがある。
① 自然法則的な論拠
 自然界では、前向きで積極的なものだけが、生存可能である。すなわち、自然界では、周知のように、「適者生存の法則」や「弱肉強食の法則」が働いており、動植物は自己の力の限りを尽くして、精一杯積極的に生き抜こうとしている。この自然法則に則れば、常に前向きで積極的であることの必要性が理解できる。
② 心理学的な論拠
 心理学的には、悲しみや怒りなどのネガティブな状況では、人々は幸せな状況ではなく、幸せな状況となるためには、ネガティブな状況から解放され、前向きでポジティブな状況になる必要がある、ということである。
③ 哲学的な論拠
 哲学的には、後述する空の哲学で明らかなように、悲しみや怒りなどについては、一時的な現象としては、確かにそれが存在しているように一見見えるけれども、それには実体ないし自性はなく、空相のものである。すなわち、悲しみや怒りそれ自体が永久に存在するのではなく、それらは縁起の法によって、一時的に現象化しているに過ぎないのである。それゆえ、悲しみや怒りなどの消極的なことは、実体ないし自性はなく、空相のものであると正しく理解し、その悲しみなどに囚われず、自己統制によって常に物事を積極的に考え、行動していくことが大切である。
④ 医学的な論拠
 医学的には、悲しみや怒りなどのネガティブな感情は、生命エネルギーの通路を塞ぐないし狭めることによって、血液やリンパなどの自然治癒力の元となっている正常な機能や生命力を低下させてしまうからである。例えば、深い悲しみや激しい怒りは、食欲を減退させたり、心臓発作などを引き起こすことは、誰でも見聞きしている周知の事実である。このように、心と身体は一体(「心身一如」)なので、見えない内なる心の状態が、見える外的な身体上の状態に具体化してくる。すなわち、因果論的には、心が原因で、身体に現れる病気などの症状が結果である。このように、前向きでポジティブな感情がポジティブな身体の状態を生み出し、反対にネガティブな感情がネガティブな身体の状態を生み出すのである。これらは、心の状態が身体への具象化することの典型例の一つである。
 このように、多くの観点から見て、どのような状況の下においても、常に積極的に生きることが幸せや成功のために大切である、と理解できる。

4 積極性の2側面
この積極性の具体的な内容には、心と身体の二つの側面があり、その具体的な内容は、表1のとおりである。

表1 積極性の2側面
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 まず、「心の積極性」は、人生の生き方として、気を充実させ、常に明るく前向きで新しいことに興味を持ち、積極的にチャレンジ精神を発揮し、自己の能力を磨くと共に社会へ貢献していくことである。すなわち、ネガティブなことは考えず、常にポジティブな考え方で、失敗や結果を恐れずに、新しいことに挑戦し続け、前を向いて生き続ける。言い換えれば、「心の状態が常に青春であること」が重要である。他方、「身体の積極性」は、日々運動を行って、身体を積極的に鍛えることによって、健康を維持増進していくことである。このように、積極性を発揮し、自己の能力を常に出し切ることが大切である。

5 むすび
 成功・幸福のための哲学においては、成功し、幸福に生きるために、いかなる時でも「積極的」に生きることが大切である。

分野: コーポレートガバナンス 財務会計 |スピーカー: 岩崎勇

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