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幸福・成功のための哲学23ー本心良心①

岩崎勇 日本の会計、国際会計、税務会計、監査論、コーポレート・ガバナンス、西洋・東洋思想と倫理、経営哲学

19/10/02

 松下幸之助・稲盛和夫の哲学においては、「幸福」や「成功」が中心的なものとなっている。前者の幸福の例でいえば、例えば、松下幸之助では、「繁栄による平和と幸福」(Peace and Happiness through Prosperity=PHP)の研究のために、周知のように、「PHP研究所」を設立し、様々な活動を行っている。ここでは、幸福とともに繁栄と平和とが掲げられている。他方、稲盛和夫では、京セラの経営理念として、「全従業員の物心両面の幸福を追求すると同時に、人類、社会の進歩発展に貢献すること」として、物心両面の幸福を中心的なものとして考えている。

1 本心良心の法則の意義
(1) 本心良心の法則の意義
 心の法則の第7は、「本心良心の法則」である。これは、人生において判断や行動を行う場合に、心の奥深くにある深い理性という本心良心を基準として行う場合には、正しい判断や行動が行えるというものである。この本心良心は、図表1のように、人間であれば、誰でも心の奥底に生まれつき必ず持っている深い理性のことであると同時に、心の回帰点でもある。

図表1 本心良心
happiness23-1.png

 そして、これは、同じ人間として誰でもが持っている精神の同一性・共感性であり、穏やかで、清く、正しく、美しく、尊い状態の心である。言い換えれば、本心良心は、どのような状況の下においても、正しい方向を示す内なる羅針盤(らしんばん)であり、人生における最も基本的な座標軸となるものである。このように、これは、人間の本性である善性を顕現(けんげん)するものであり、人間の性はその根源において善であるという性善説とつながり、人間は正義の実行を好む。

(2) 判断基準の必要性と重要性
 長い人生は、図表2のように、一瞬一瞬の判断、選択と行動の積み重ねである。その結果が、自分の人生を形づくっていくこととなる。そして、現在の自分は、多くの場合、過去の判断、選択と行動の結果であるといえる。

図表2 判断と人生
happiness23-2.png

 それゆえ、現在の自分の状況に対して自己責任を負っており、自分の現状について決して他人や環境・社会のせいにすべき性質のものではない。その理由は、判断、選択と行動には、人間ないし社会人として常に責任を伴っているからである。そして、このような自由な判断と選択を行うときに、何に判断基準を置くのかによって、当然結果に大きな違いが生じてくる。それは、幸せや成功をもたらすかも知れないし、反対に不満や失敗をもたらすかも知れない。

(3) 判断基準としての本心良心
 人生において生じる様々な物事に関する判断基準を何に求めるべきであろうか。
 これに関して、多くの人が、好き嫌い、利害得失などの自己の感情を基礎とすることが一般的であろう。しかし、これは、誤ったものになることも少なくない。というのは、判断基準が、自我ないし自己の利害に基礎を置く自己の感情であり、それは、多くの場合、他人や社会的なそれと異なっている可能性が高いからである。
 そこで、このような感情に基づく利己主義を超越し、克己心を働かせ、「普遍的な判断基準として本心良心に基礎を置くこと」が大切である。なぜならば、この本心良心は、個々人の自我や私心を取り去った人類に共通の純粋で正しい判断基準であるからである。

2 感情と本心良心
 日常的な判断基準として、どのようなものが使用されているのであろうか。
 これに関して、前述のように、人間の性は本質的には善であるといっても、通常私達が考え、行動する現実的な基準は、残念ながら本心良心ではなく、自我意識(エゴ)とそれに基づく利己主義(自己中心主義:「ミーイズム」)的な我欲から発する感情であることが多い。しかも、この利己主義的な感情は、自己保全などの目的のために、顕在意識にも潜在意識にも強く発現しており、これが人生の生き方へと自然に展開している。このため、本心良心という内心の声は、この感情の強い発現によって、普段はかき消されてしまっていることが多い。
 それゆえ、現実の人間の行動は、自己の利害に基礎をおく、わがままな利己主義的な感情に従って行われることが通常であり、善いことも悪いことも行われる。この感情に従った行動という側面から見れば、人間は性善でも性悪でもなく、双方であるといえる。そして、悪い面でこれらが発現すると、争い、犯罪、失敗などとなる。この場合、人間の本性として、本質的、根本的に「悪がある」というのではなく、自分の感情をコントロールするという智慧(ちえ)を持たず、自己の感情に従うという「愚かさ(無智)がある」ということだけである。それゆえ、人生で失敗する多くの場合は、この利己的な感情に従って考え、行動したケースである。 

3 むすび
 成功・幸福のための哲学においては、成功し、幸福に生きるために、「本心良心」で生きることが大切である。

分野: コーポレートガバナンス 財務会計 |スピーカー: 岩崎勇

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