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幸福・成功のための哲学22一感謝②

岩崎勇 日本の会計、国際会計、税務会計、監査論、コーポレート・ガバナンス、西洋・東洋思想と倫理、経営哲学

19/10/01

 松下幸之助・稲盛和夫の哲学においては、「幸福」や「成功」が中心的なものとなっている。前者の幸福の例でいえば、例えば、松下幸之助では、「繁栄による平和と幸福」(Peace and Happiness through Prosperity=PHP)の研究のために、周知のように、「PHP研究所」を設立し、様々な活動を行っている。ここでは、幸福とともに繁栄と平和とが掲げられている。他方、稲盛和夫では、京セラの経営理念として、「全従業員の物心両面の幸福を追求すると同時に、人類、社会の進歩発展に貢献すること」として、物心両面の幸福を中心的なものとして考えている。

1 感謝の法則 ―続きー
 人生の法則の第6は、「感謝の法則」である。これは、人生において生じるすべての事象を「当たり前」と考えたり、「否定的」に考えるのではなく、肯定的に捉え、感謝の気持ちで、ポジティブに考えて行動すれば幸せとなれるということであり、幸せになるためには、必須なものである。

2 感謝の種類
(1) 完全感謝と不完全感謝
 幸せに関連して感謝の種類には、どのようなものがあるのであろうか。

図表1 不完全感謝と完全感謝
happiness22.png
*1:一般的な感謝 *2:より多くの幸せを感じられる感謝。

 これに関して、感謝には、図表1のように、大きく不完全感謝と完全感謝がある。ここに「不完全感謝」とは、私達が良いことをしてもらったり、良いことが生じたときに、自然に感謝することであり、普通の感謝である。これは、普段私達が行っていることである。他方、「完全感謝」とは、何かしてくれたから有り難うと感謝するのではなくて、生きていること自体など日常生活におけるあらゆることに感謝することである。すなわち、これには、例えば、病気で入院してみると痛感することであるが、例えば、通常の食事ができること、自分で歩けること、お風呂に入れること、静かに眠れること自体が有り難いことであり、これらに対して自然に感謝の念が湧いてくる。
 世の中には、自分は他人から何も良いことをしてもらってないから、感謝しない、ないし感謝する必要はない、という人が大勢いるが、これは、幸せを感じるという観点からは正しくない。というのは、例えば、東日本大震災などを思い浮かべれば、すぐに分かることであるが、水が飲めること、温かい食事ができること、家族が無事でいること、友達がいること、家があること、仕事があることなど、日常的なあらゆることが感謝の対象となりうるのである。しかも、感謝するとその分満足するので、ストレスが無くなり、何かをやろうという新たな気持ちが湧いてくる。このように、完全感謝は、ストレス社会をストレスなく生きるための生きた智慧でもある。

(2) 二つの状況と感謝
 完全感謝に関連して、どのような感謝すべき状況があるのであろうか。
 これに関して、人生においては、二つの感謝すべき状況がある。
 第1は、「有り難いこと」や良いことが現実に生じたときであり、このようなときに、私達は自然にこのことに感謝をする。これは、普段私たちが行っている感謝であり、当然のこととして、特に問題とならない。第2は、苦境や逆境などの一見「有り難くないこと」が生じたときであり、このようなときに、私達は自然と感謝を行わないし、できれば、拒否したがる。しかし、真理からいえば、このような苦境などについても、それをどのように感じ、それにどのように対処していくかで、未来が大きく変わってくる。すなわち、目の前に現われている現象をマイナス(ネガティブ)と解するのか、プラス(ポジテイブ)に捉えるのかで、その後の人生に非常に大きな影響を及ぼすこととなる。そこで、後述の「空」のところで、説明するように、結論からいえば、どのようなことが起ころうとも、それを、「未来の有り難いこと、つまり未来に自分がより成長した人間となるために(自己の進化向上ために)与えられた試練」と捉え、これに感謝し、それを全面的に受け入れて、積極的に対処していくことが、因果律の観点から大切である。このように、ここでは、一般の常識的な解釈とは異なり、一般的な「現在の有り難いこと」ばかりではなく、苦境などの(一見「有り難くないこと」と思われそうな)「未来の有り難いこと」についても感謝をするところが決定的に異なっている。このように、未来志向的に自己の進化向上を目指し、すべてのことについて因果律の適用を受けることを知っている賢者は、「人生において生じるすべてのことに感謝」しながらポジティブに行動し、未来においてより幸せになっていく。

(3) 感謝と親切
 日常生活において「感謝の気持ちで生きる」場合、どのような側面があるのであろうか。
 これに関して、次の二つの側面がある。すなわち、第1は、日常生活において自分が「感謝をする」という主体的な側面と、第2は、自分が「感謝されるような生き方をする」という客体的な側面である。すなわち、日常生活において自分で感謝を起点として、思い、話し、行動すると同時に、自分が他者から喜ばれ、感謝されるような生き方をすることが幸せになるために大切である。自分が感謝をする場合、例えば、「有り難う」、「どうもすみません」、「お疲れ様」、「感謝します」などの感謝の意思を実際に口に出すことが大切である。そして、これと同時に、感謝されるために、自分を取り巻く人に親切にし、仕事も奉仕の気持ちで一生懸命に行うことである。

3 むすび
 成功・幸福のための哲学においては、成功し、幸福に生きるために、いかなる時でも「感謝」で生きることが大切である。

分野: コーポレートガバナンス 財務会計 |スピーカー: 岩崎勇

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